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石狩ファイル0124-01(2011年10月10日)

石狩の野鳥

いしかりのやちょう


石狩は地域の特徴によって、内陸部、丘陵部、海岸部に大別されます。野鳥は生態によって、有利な条件を持つ地域を生活圏にしており、この地域のように多様な特徴を持つところでは、多種類の野鳥が見られます。平成9(1997)年の調査によると、46科211種が記録されています。ある種は一年を通してその地に生息し(留鳥)、ある種は夏または冬の間だけ留まり(夏鳥・冬鳥)、ある種は渡りをする途中、短期間立ち寄ります(旅鳥)。

■内陸部
主に低地からなる旧石狩市内陸部には、市街地と河川に囲まれた農業地があり、幾筋かの防風林が走っています。市街地では、カラス類、スズメ、ハト類、ヒヨドリ、ハクセキレイなどをしばしば見かけます。防風林に入ってみると、シジュウカラ、ゴジュウカラ、ハシブトガラ、ヤマガラ、ヒガラなどのカラ類、アカゲラ、コゲラ、ヤマゲラなどのキツツキ科の鳥、ツグミ、アカハラ、アオジ、オオルリ、ルリビタキ、キビタキなど森林性の野鳥が飛び回っています。河川では、カモ類、アオサギ、バン、オオバンなどが、流域の草原では、ノビタキ、ヒバリ、オオヨシキリ、コヨシキリ、カワラヒワ、ノゴマ、アカハラ、カッコウ、キジバト、オオジュリン、コウライキジなど草原生の野鳥が見られます。

■丘陵部
高岡・五の沢・八の沢などの丘陵地では、コウライキジ・エゾライチョウや平地の森林でも見られるカラ類やキツツキ科の鳥、冬鳥のオジロワシなどが見られます。

■海岸部
石狩浜と石狩川河口では、水辺にはカモ類、カモメ類や、大型小型の猛禽(もうきん)類、また広い海岸草原には、内陸部でも見られるような草原生の野鳥がたくさん見られます。

旧石狩市地域には、例えばタンチョウのような、特徴的に飛来または生息する鳥はありませんが、普通の野鳥が数多く目撃されるとともに、絶滅危惧(きぐ)種も目撃されています。近年の記録では、オジロワシ、オオワシ、チュウヒ、アカモズ、ヨタカ、クマゲラ、ミサゴ、ハイタカ、ハヤブサがあげられます。野鳥の目撃記録は、研究者や専門家だけでなく、一般の自然観察愛好者が継続して行っていますが、長年観察を続けている人の中には、かつてしばしば見られた野鳥が所によっては近年ほとんど見なくなった、という感想を語る例もあり、経年変化も注目されるところです。

(林 迪子)


参考文献


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