石狩ファイル0132-01(2013年9月1日)
■海生哺乳類の種類
海(海岸も含む)に生息する哺乳類には、鯨類(げいるい、クジラ・イルカ)、鰭脚類(ききゃくるい、アシカ、アザラシ、セイウチ)、海牛類(かいぎゅうるい、マナティ、ジュゴン)、食肉類の一部(ラッコ、ホッキョクグマ)がいます。
これらのうち、石狩(石狩湾沿岸)で見られるのは、鯨類と鰭脚類です。
■石狩の鯨類
石狩での鯨類の記録の多くは漂着(死亡座礁)事例です。その他には、定置網等への迷入・混獲の事例が時折、報告されています。
石狩の浜(小樽市銭函(ぜにばこ)〜石狩市厚田区知津狩(しらつかり))では、1年間に数頭の鯨類の漂着が確認されています。もっとも多いのが体長2m弱のネズミイルカ、次いでイシイルカです。そのほか、これまでにオウギハクジラ、カマイルカ、ゴンドウクジラの仲間(種不明)の漂着が確認されています。また、厚田〜浜益(はまます)の海岸では、上記の鯨類のほか、ミンククジラやツチクジラの漂着例もあります。
■石狩の鰭脚類
石狩では鰭脚類は、厚田〜浜益の岩石海岸を中心に、冬季にトドやゴマフアザラシの生息が確認されています。ゴマフアザラシは石狩川河口域でも見られます。この他、石狩浜や石狩湾新港でオットセイが目撃された事例があります。オットセイは日本周辺海域では沖合を回遊しているため、生体が海岸で見られるのは例外的です。
鰭脚類で生体が確認されているのは上記3種だけです。これらは漂着(死亡座礁)もしばしば見られます。
(志賀健司)
分類 | 科 | 種 | 事例・漂着数等 |
---|---|---|---|
鯨類 | ナガスクジラ科 | ミンククジラ | 2008年、2009年 |
アカボウクジラ科 | ツチクジラ | 2010年 | |
オウギハクジラ | 1996年、2010年、2011年 | ||
マイルカ科 | ゴンドウクジラ類(種不明) | 2007年 | |
カマイルカ | 2005年 | ||
ネズミイルカ科 | イシイルカ | 2008年:10個体、2009年:0個体、2010年:0個体 | |
ネズミイルカ | 2008年:4個体、2009:13、2010:3、2011:1、2012:6 | ||
鰭脚類 | アシカ科 | トド | 厚田〜浜益の沿岸部に回遊、漂着例多数 |
オットセイ | 石狩浜で目撃例あり、漂着例あり | ||
アザラシ科 | ゴマフアザラシ | 厚田〜浜益の沿岸部に回遊、漂着例多数 |
参考文献