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石狩ファイル0134-00(2014年1月15日)

石狩さけまつり

いしかりさけまつり


石狩さけまつりの始まりは昭和31(1956)年にさかのぼります。かつてサケの漁獲収入で支えられていた石狩町(当時)は、戦後のサケ不漁に陥り、町としての活気を失いつつありました。当時、町議会議員で石狩漁業協同組合長だった吉田繁雄が提唱し、石狩町観光協会と石狩町の共催で「第1回石狩さけまつり」が開催されました。

第1回の開催期間は6日間で、前夜祭が開かれ、札幌市内でのパレードも行われました。期間中の催しとして、サケ供養や流灯コンクール、花火大会、自衛隊による野外演奏、野外映画会などが行なわれ、町内数ヶ所では石狩鍋などのサケ料理が販売されました。

以後15年間継続して行なわれたまつりでしたが、昭和40(1965)年頃から石狩川上流の河川改修や川の汚染などによってサケの回帰が減少してしまったため、昭和45(1970)年の第15回でいったん中止となってしまいました。

その後、サケの放流事業の増加や川の水質浄化によってサケの遡上は増加し、昭和44(1969)年に約2,000尾だった漁獲量が昭和53(1978)年には約27,000尾にまで回復しました。まつりが復活したのは中止から9年後の昭和54(1979)年のことです。復活した第16回のさけまつりには初日だけで数千人がつめかけました。サケの即売会では2日間で4,000尾を完売し、大きな鍋で煮込んだ石狩鍋は大勢の見学者にふるまわれました。

石狩という町の名と石狩のサケを札幌市やその近郊に広くアピールすることとなった石狩さけまつりは、現在も毎年9月下旬に行なわれており、石狩鍋の販売やサケの即売会、舞台での発表会やショー、サケの掴み取りなどが催され、多くの人で賑わっています。

(木戸奈央子)


参考文献


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