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いしかり博物誌/第16回

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年7月31日更新


第16回 石狩から見える山

石狩市役所4階からの眺め(西から南西)の写真
石狩市役所4階からの眺め(西から南西)

石狩市役所4階からの眺め(南西から南)の写真
石狩市役所4階からの眺め(南西から南)

 石狩市から見える山の名前を、あなたは全部言えますか? 外の広いところ、高いところに出て、見回してみましょう。まず目にはいるのが手稲山や藻岩山など、札幌の山々ではないでしょうか。ある地点から見える山の名前を決める(わかる)ことを、山座同定(さんざどうてい)といいますが、市役所からの眺めを例にして、ちょっとやってみましょう。
まず南西方向、いちばん目立つのが、頂上にテレビアンテナが林立する手稲山でしょう。左に向かって烏帽子岳(えぼしだけ)、百松沢山(ひゃくまつざわやま)、札幌岳、砥石山(といしやま)、空沼岳と続きます。天気がよければ支笏湖畔の恵庭岳、そしてビルの向こうに円山、藻岩山が見えます。

 これらの山は、実はすべて火山活動でできた山です。円山の頂上には天然の展望台のような火山岩の崖があるし、手稲山のなだらかな頂上は溶岩流が流れた跡です。とは言ってもほとんどは百万年以上前の火山なので、もう噴火の心配はありません。唯一の活火山は、恵庭岳です。

 火山は「活火山」と「それ以外の火山」に分けられます。活火山とは、現在から過去2000年の間に噴火した記録のある火山のことを言います。現在も噴火が続く有珠山、近年、小噴火の相次ぐ駒ケ岳など、北海道には全部で14の活火山があります。恵庭岳もその一つで、最も新しい噴火は江戸時代に起き、山頂が大きく崩壊しました。今でも噴煙が立ちのぼる、石狩にいちばん近い活火山です。ギザギザの山頂が目印のこの山で、札幌冬季オリンピックでは滑降競技が行なわれたのを知っている人は、今では少ないかもしれません。
石狩市から見える活火山、恵庭岳の写真

 これらの他にも、北東には樺戸(かばと)山地や増毛(ましけ)山地、空気が澄んでいる日には東に夕張山地など、私のいる市役所4階からは山々がとてもよく見えます。眺めを楽しみたい方は、いつでも遊びに来てください。

 突然ですが、ここで宿題です。今回の話題はすべて石狩市外の山でした。それでは石狩市でいちばん高い山はどこでしょうか。答は次回の「いしかり博物誌」で。   (志賀健司)
石狩市から見える山(西~南方向)の画像
石狩市から見える山(西から南方向)。
多くは百万年以上前の火山です。
なお「休火山」、「死火山」という言葉は現在は使いません。
▲:見える山
△:見えない山