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石狩紅葉山49号遺跡速報/2001

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年7月31日更新

丸木舟の一部の写真

石狩紅葉山49号遺跡/2001
縄文時代のヒグマ足跡
北海道の縄文時代初!
丸木舟の一部が出土
北海道石狩市・石狩紅葉山49号遺跡速報
(平成13年9月4日作成)
(平成14年6月28日修正)

縄文時代のヒグマ足跡(平成13年9月4日報告)

ヒグマの足跡の写真

縄文時代のヒグマの足跡(生痕化石、せいこんかせき:地層に記録された過去の生物の痕跡)が発見されました。
平成13年8月31日の夕方、縄文時代の河川跡のシルト(粗い泥)層の上面で発見され、9月3日午後、ヒグマに詳しい北海道野生動物研究所所長の門崎允昭(かどさきまさあき)さんによって、ヒグマの右手足跡と確認されました。
横幅は約12センチあり、手根球(しゅこんきゅう)と呼ばれる手首付近の肉球もかすかに確認できます。第2指と第3指には爪の痕も見られます。
性別は不明ですが、門崎さんによると、オスだとしたら1歳から2歳半、体長は1.2から1.6メートルくらいだそうです。ヒグマは普通は人間を避けるのに、縄文人の生活する場まで近寄っていることから、親元を離れたばかりの仔熊ではないか、ということです。
縄文時代のヒグマ足跡の出土は、国内では例がないと思われます。

北海道の縄文時代初!丸木舟の一部が出土(平成13年9月4日報告)

丸木舟の舳先(へさき)?の部分が出土しました。この資料は、すでに平成13年8月はじめ出土していましたが、これまで調査のために公表しておりませんでした。

出土した部分は縦に半分に割れていて、長さ45センチメートル、幅22センチメートル、厚さ約4センチメートルです。ページトップの写真のように、ふつう想像する丸木舟の舳先とはかなり異なり、イカを縦に半分にしたような形をしています。また、裏には浮き彫りがあり、大変特徴あるものです。この舟も縄文時代中期末(4000年前)のものです。

 
丸木舟の出土状況の写真
出土した部分をもとに推定した丸木舟の推定図

舟の櫂(かい)も出土しています。全長161センチ、幅7.1センチ、厚さは2.7センチあります。

出土した舟の櫂(かい)の写真 

縄文時代の舟形容器が出土!(平成13年8月22日報告)

発掘調査が進行中の紅葉山(もみじやま)49号遺跡では、平成13年8月22日午前、約4,000年前のものと見られる長さ108センチ、幅40センチ、高さ9.5センチの舟形(ふながた)容器が出土しました。底部の厚さは1.7センチ、口唇部(器の縁)の厚さ0.7センチです。

舟形容器は丸木を半割にして内面をくりぬいた細長い容器で、縄文時代中期(5,000年前から4,000年前)から出現するといわれています。縄文時代の木製品に詳しい研究者の方からの情報では、大きさは国内最大級のものではないかと思われます。

出土した舟形容器の写真

また、この容器の両端には、器を飾るつまみが作られています。一つはコーヒーカップにつくような、中に穴を持ったもので、もう一方は板状でV字の刻みが入っています。この舟形容器は現在クリーニング中です。細かい事がわかりましたら、またお知らせします。

舟形容器のイメージ図