ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 組織・課名でさがす > 総務企画課 > 令和元年度教育行政執行方針

令和元年度教育行政執行方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年7月11日更新

 

令和元年度教育行政執行方針

 

 令和元年度 教育行政執行方針
 令和元年7月11日(木曜日)
 令和元年第2回石狩市議会定例会

 令和元年第2回市議会定例会の開会に当たり、教育行政の基本的な考え方と施策の大要を申し上げます。

はじめに 

 令和の時代が始まりました。新たな時代を生きる私たちには、これまでの道程を踏まえつつ、来るべき社会を展望して新たな歩みを踏み出すことが求められています。令和の初頭におけるわが国の教育政策のあり方を示した第3期教育振興基本計画では、「自立」「協働」「創造」の理念を継承した上で、超スマート社会(Society5.0)と「人生100年時代」到来に向け、生涯にわたる一人一人の「可能性」と「チャンス」の最大化を中心課題としています。

 持続可能な開発目標(SDGs)も意識しながら、予測不能な時代における社会の持続的な発展・成長を目指すため、教育に求められる役割を着実に果たすことができるよう、最善を尽くしてまいります。

 以上のような基本姿勢のもとで令和元年度に取り組む主要な施策について、教育プラン基本構想で定める3つの柱の項目に即して申し述べます。

第1の柱 自ら学ぶ意欲を育てる教育

(確かな学力を育む教育)   

 新学習指導要領の趣旨を踏まえ、確かな学力の育成のため、「基礎的・基本的な知識及び技能の習得」「個に応じた指導の充実」「学習環境の整備と充実」の3点を念頭に、平成30年度「全国学力・学習状況調査」の結果などから見られた課題の改善に向けて取組を進めます。「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善として、相手意識を持ち、自分の考えを広げたり深めたりする活動の充実や目標に向けた学習課題の設定により「何をどのように学ぶか」の見通しと「何を学んだか」の自覚や「どのような変容があったか」の実感ができるように、振り返りを大切にした指導を工夫しながら進めます。

 学力の着実な定着と学習指導の工夫の充実に向けては、「1校1プラン」を策定し、授業と連動させた宿題、家庭学習の取り組み方の指導、放課後学習など、基礎学力の定着を一層確かにする取組を進めるほか、これまで行ってきた花川北地区の「学校力向上に関する総合実践事業」、花川南地区の「授業改善等支援事業」、エキスパート・サポーターの増員など、学習指導の充実を図ります。

 また、小中学校間での連携として、中学校の試験期間にあわせた小学校の家庭学習週間の設定や、生活・学習規律、家庭学習時間などの小中での基準化、校内研修への学校間の相互参加の取組を進めます。

 次に、外国語指導助手(ALT)の活用については、生きた英語を直接学ぶ貴重な機会であるとともに、外国語や外国文化等に親しみ、自分の発した言葉が通じた喜びを味わわせる意味で大きな意義がありますので、外国語教育の充実に向け、より効果的な活用を図ります。

 また、プログラミング教育については、プログラミング的思考を育み、気付きを促し主体的に取り組む態度を育むとともに各教科等の学びをより深めていくために、引き続き専門的な知識や技能をもつ外部人材の協力を得て内容の充実を図るほか、教員の指導力を育成する研修も実施します。

 これらのほか、授業時間の確保に向けた土曜授業や、北海道と連携した防災教育、幼保小中連携教育による発達段階に応じた教育を推進する取組も引き続き行い、一層充実させます。

(子どもの総合支援) 

 スクールソーシャルワーカーが定期的に学校を訪問し、子どもや家庭が抱えるいじめ、不登校、その他の問題を早期に学校と共有して迅速で適切な対応に努めます。さらに、市教委に配置するカウンセラーの知見を活用し、市福祉部局とも連携しながら、学校と一体となって、問題を抱えている子どもと家庭を総合的に支援する取組を引き続き進めます。

(一人一人のニーズに合わせた特別支援教育) 

 個別の教育的ニーズのある子どもたちに対しては、早期から途切れのない支援を行うため、関係機関と連携しながら、就学前からの教育相談を実施します。入学後は、将来の自立と社会参加に向け、「個別の教育支援計画」を充実させ、増員した特別支援教育支援員を適切に配置して、きめ細やかな支援を行います。また、ユニバーサルデザインの視点による授業づくりや「個別の指導計画」に合理的配慮を明記するなどの整備を行い、特別支援学級や通級指導教室による指導などで活用します。さらに、教職員などへの研修会の実施や地域理解を深めるための特別支援教育サポーターの養成など、様々な場面において子どもたちへの支援の輪が広がるよう努めます。

(魅力ある学校づくり)

 昨年12月に策定した「石狩市立学校における働き方改革推進計画」では、教員の長時間勤務の解消に向けて、「時間外勤務時間の縮減」「部活動休養日の実施」「定時退勤日・学校閉庁日の設定」などについての目標を定め、教員が本来担うべき業務に専念できる環境の整備や部活動指導の負担軽減に向けた取組を進めることを明記しました。学校現場においては、勤務時間を意識した働き方の推進と学校運営体制の充実を進め、市教委は、専門スタッフ等の確保や、業務時間外における学校への電話を転送する装置の運用を開始し、教職員の負担軽減を図ります。

 来年度に開校する石狩八幡小学校と厚田学園については、校章や校歌、教育課程やカリキュラムのあり方など、地域の方々のご意見も踏まえながら鋭意検討を深め、地域の特色を活かした新しい学校を作ります。また、開校に合わせて2校にコミュニティ・スクールを先行実施し、その成果や検証をもって令和3年度に市内全校で一斉に導入します。

(より良い教育環境の整備)  

 学校施設については、厚田学園の建設や石狩八幡小学校の改修のほかにも引き続き必要な改良や修繕を行い、児童生徒が安全で快適に学べる環境を整備します。特に、学校トイレの洋式化については、計画的に転換を進めます。

 また、これからの時代に求められるICT教育を推進するため、すべての普通教室への電子黒板の導入を開始します。

 学校給食においては、石狩産食材の使用率をさらに引き上げ、安全安心でおいしい給食の提供に努めます。

第2の柱 思いやりと豊かな心・健やかな体を育む教育

(豊かな人間性を育む教育)   

 特別の教科として位置付けられた道徳科を基軸として、一方的な考えの押し付けや単に話し合うだけに終始することのない、考え、議論する道徳教育を目指すことにより、児童生徒の道徳性を育みます。さらに、保護者等へ授業を公開し家庭や地域との連携を図ります。また、地域の様々な人々との交流や体験活動等を通して、自尊感情を醸成するとともに、心の教育の充実を図り、子どもたちの規範意識の向上に努めます。

 子どもの読書活動を推進するため、ゼロ歳児と保護者を対象とした「ブックスタート事業」をはじめ、全ての小学校の図書館への学校司書の配置・派遣を継続します。中学校については、担当する学校司書を増員し、掛け持ち配置及び巡回派遣により中学校図書館の整備を進め、児童生徒の自主的な読書や学習活動の推進を図ります。

 また、「あい風コンサート」や「情操教育プログラム」を継続し、芸術文化に直接触れる感動を体験する機会を通じて、子どもたちの「豊かな心」を醸成します。

(心身の健やかな成長を促す教育)   

 家庭やPTAと連携しながら引き続き「生活リズムチェックシート」や「生活習慣改善チラシ いしかりふれあいDAY」を活用し、課題となっているTVやスマートフォン、ゲームの使用時間の縮減に取り組み、望ましい生活習慣の定着を図ります。

 体力向上のためには、体育の授業や行事はもとより、新体力テストの全学年実施や各学校独自の「1校1プラン」を実施するほか、小学校でティーボールを基にした簡易化されたゲーム等に取り組み、市民のスポーツ「ソフトボール」の普及につながる指導を行っていきます。また、放課後を利用し運動能力の効率的、効果的な獲得を目指す「放課後すこやかスポーツ教室」を継続します。

(地域全体で子どもを守り育てる体制づくり) 

 通学路交通安全プログラムに基づき、危険箇所の把握や点検を行い、必要な対策を講じるとともに、学校での交通指導を徹底することで、子どもたちが危険を予測し、自らの身を守ることができるように、地域の方々の協力も得ながら、交通事故防止や不審者への対策などに継続して取り組みます。

第3の柱 地域で学び・育ち・活きる教育

(生涯学習の推進)

 「いしかり市民カレッジ」をはじめ、高齢者大学「石狩市シニアプラザはまなす学園」などには、多くの市民が集い、生涯にわたって多様な学びを実践しています。社会教育支援スタッフの確保と育成を継続しながら、だれもが、いつでも学ぶことができ、生きがいを高める取組を推進します。

 また、老朽化している公民館については、改修や移転など様々な手法を検討し、最も適切な対策を見いだすよう努めます。

(図書館サービスの充実)

 子どもから高齢者まで、幅広く多くの人々に開かれた施設である図書館は、生涯学習を情報面で支援するとともに人々が集い交流する場として、日々多くの方が来館しています。期待に応える蔵書の構築はもとより、情報発信の充実や快適な環境の維持・向上に向けた取組を進め、利用者にさらに親しまれる図書館を目指します。

(石狩文化の継承) 

 石狩の俳句文化や歴史を現代に蘇らせ、俳句の楽しさや素晴らしさを後世に伝えるため、今年も全国規模の「俳句のまち・いしかり」俳句コンテストを実施します。

 また、昨年度は石狩の俳句文化を子どもたちに普及させるために「俳句ガイド」を作成しました。今年はこれを学校の授業などで活用し、市内小中学生を対象とした「こども俳句コンテスト」のより一層の充実を図ります。

 また、市内の自然遺産であるルーラン海岸をドローンで撮影し、映像を厚田「道の駅」で常設公開します。

 このほか、過日、検討委員会から意見書を受け取った「石狩小学校」の跡利用については、歴史的価値の高い円形校舎の特色を生かした博物館的施設とするため、内部でさらに検討を深めます。

教育プラン改定に向けて 

 本年度は、「石狩市教育プラン」の見直しを行います。自らの意志を持って学び、成長することに喜びを感じ、思いやりをもって人とふれあうことに豊かさを感じ、協働により未来の地域社会を担う「自立する市民」を育むという現行プランの基本構想を意識し、「教育大綱」を改訂する市長部局とも一層密に連携しながら、教育に関係する全ての方々と力を合わせ、内容を練り上げて参りたいと存じます。

おわりに 

 令和への時代の変わり目に合わせるかのように、いよいよ来年度から小学校で、再来年度からは中学校で、新しい学習指導要領に基づく学習が本格的にスタートします。 

 教育の世界でよく言われる「不易と流行」。これからも、時代に即した新たな学びは必要となりますが、一方では、本市が抱える課題の解消に向けた取組もしっかり進めていかなければなりません。

 おそらく全てが順風満帆とはいかない、厳しい現実も待っているでしょう。まずは常に「得意淡然、失意泰然」という姿勢を大切にし、「凡事徹底」「基礎基本の定着」など、学びの原点をより大事にしていかなければなりません。そして子どもたちには、これからも自分を信じ、可能性を信じて「たとえナンバー・ワンにならなくてもオンリー・ワンになる」ような心構えで、様々な分野において果敢にチャレンジして欲しいと願っています。そのためには、私たち大人が「自分史上最高」に向けて生涯学び続ける姿を子どもたちに見せることも大切です。教育行政の執行を通し、そのような地域のあり方に少しでも近づけていきたいと念願しております。

 市民並びに市議会議員の皆様の一層のご支援とご協力を心からお願い申し上げ、令和元年度の教育行政執行方針といたします。