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石狩ファイル0135-01(2014年1月15日)

ハマニンニク

はまにんにく


ハマニンニク(Leymus mollis)は、高さ50〜100cmのイネ科の多年草で、石狩浜ではごく普通に見られます。

ユリ科のニンニクとは全く異なる植物ですが、葉が似ていることからこの名が付けられました。アイヌが、葉を乾かして「テンキ」という糸や針を収納する小型の容器を編んだことから、テンキグサとも呼ばれます。

海岸砂地に群生し、アジア北東部から北アメリカ、日本では北海道、本州(太平洋側は房総半島以北)、九州北部に分布しますが、この分布はハマナスとよく似ています。

葉はやや厚く、長さ50cm、幅1.2cmくらいで、白味を帯びた緑色をしています。花序は柱状で枝分かれしません。石狩浜では主に6月に花が見られます。

地下茎が発達し、砂に埋もれてもすぐに上に伸びて、2m以上にも深く地下茎が残るので、海に近い砂の移動の激しい場所でも生育することが出来ます。そのため、海浜植物群の中では波打ち際に最も近い所から生息している植物の一つです。また、日本新産種のきのこ、スナジホウライタケの宿主とも言われています。

(石井滋朗)

ハマニンニクの根
(前野2001より)
アイヌの工芸品「テンキ」(復元製作)
(製作:体験講座参加者・資料館ボランティア)


参考文献


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