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平成27年度教育行政執行方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年6月10日更新


平成27年度教育行政執行方針

 平成27年度 教育行政執行方針
 平成27年6月10日(水曜日)
 平成27年第2回石狩市議会定例会

 平成27年第2回市議会定例会の開会に当たり、教育行政の基本的な考え方と施策の大要を申し上げます。

はじめに

 近年、我が国は少子高齢化に直面しておりますが、本市においても例外ではありません。
 特に、子どもたちが著しく減少している地域では、学校教育そのもの自体の存続が危ぶまれるなど、まったなしの対応が求められています。
 人間の成長過程において、乳幼児期からの親子の心が通った会話、友達との遊び、地域の方とのふれあいは、とても大切なことであります。
 しかし、人口減少に加え、家族のあり方の多様化により人間関係が希薄となり、また、元気よく遊べる仲間や環境も含めて、子どもたちを取り巻く家庭、地域の教育力が低下していることも否めません。
 このようなことから、バランスのとれた「生きる力」の充実を図るためには、学校教育の充実はもとより、学校にかかわる様々なボランティアの支援や育成とともに、市長部局と連携し放課後の子どもの居場所づくりを具体化するなど、より一層、学校、家庭、地域が連携し、それぞれの活動を充実させる必要があります。
 地域では、美化などの奉仕活動をはじめ、イベントや文化・歴史の継承活動などにおいて、多くの方々が活躍しておりますが、これらの活動をさらに活性化し、世代を超えて続けていくためには、その活動の核となる人材が必要であります。
 本年度は、石狩市教育プラン後期基本計画の最初の年となりますことから、このプランのもとに、学校教育、社会教育をしっかりと両輪として位置づけ、「ふるさと石狩」のプライドをもって歩む人材の育成を目指していきたいと思います。
 以上の認識のもと、次に述べます3つの重点を軸に、平成27年度の教育施策に取り組んで参ります。

第1の重点 自ら学ぶ意欲を育てる教育

(確かな学力を育む教育)

 学校においては、指導力・授業力の向上はもとより、家庭や地域との連携も含め、総合的に学校がもつ教育力を高め、子どもたちの学力、体力そして心の発育を促すことが求められております。
 このことから、花川小学校が中心となり、近隣の学校と連携して推進してきました「学校力向上に関する総合実践事業」では、新たに連携校を拡充するなど、これまでの成果を市内全校に普及させるよう取り組んで参ります。また、教員の事務的な負担を軽減し、子どもたちと向き合える時間を確保するため、指導要録など学校内の情報をデータ化し教員間で共有できる「校務支援システム」を7校に導入するなど、包括的な学校改善を推進します。
 市内の学校では、独自性を生かした特色のある教育活動や今日的な課題に関する教育活動など、様々な授業や活動を実施しておりますが、特に「環境教育」「人権教育」「平和教育」「国際理解教育」を「奨励プログラム」として積極的に推進して参ります。
 本市には、豊かな自然環境や石狩湾新港などがあり、エネルギーや環境問題を学ぶ絶好のフィールドでありますが、まずは、子どもたちが自らの問題として捉え、身近なところから実践することが大事でありますことから、「持続可能な開発のための教育(ESD教育)」をより一層進めて参ります。
 また、幼稚園、保育所、小学校、中学校との連携については、とりわけ学習規律の共通化や家庭学習指導の相互理解など、中学校区を基本に連携教育を一層推進し、総合的に学校教育を支援して参ります。

(一人ひとりを大切にした教育)

 学習や生活面での支援が必要な子どもたちが、本市においても増加傾向にあります。このような子どもたちが、「生きる力」を多様な学びの中で身につけていくには、教育や福祉関係者のみならず、保護者、地域などの深い理解も必要となります。様々な場面において、特別支援教育に対する認識をもっていただけるよう周知するとともに、支援の必要な子どもたち一人ひとりの教育的なニーズに応じた対応をより一層図ることができるよう、市民ボランティアの研修をおこなうなど、支援体制の充実を図って参ります。

(安心して楽しく学ぶことのできる安全な環境整備の推進)

 未曾有の大災害であった東日本大震災の発生から4年が経過しましたが、その間、学校においても、地域と一体となった避難所運営訓練など、様々な取組が行われました。今年度は、沿岸部の学校を中心に、訓練手法の開発や災害ボランティア体験活動の実施などに取り組み、4年前の教訓を風化させぬよう、より一層防災教育の充実を図ります。
 学校施設の整備については、全ての学校において施設設備等の安全確認を行うとともに、花川小学校、樽川中学校の体育館の床修繕などを行います。
 また、食育の一層の推進や食物アレルギーへの対応を図るとともに、既存施設の老朽化対策に伴う、新たな学校給食センターの建設については、早期着工へ向けての環境を整備できるよう努めて参ります。
 学校規模の適正化については、昨年度、子どもの減少が著しい厚田区、本町・八幡地区において、現状の理解と将来に向けた意見などをいただく検討会を開催しました。今後、いただいた意見等を踏まえて具体的な方向性を示して参ります。
 また、団地造成などにより子どもの増加が見込まれる地域もありますことから、その動向も注視し、子どもたちにとってより良い教育環境となるよう検討を進めて参ります。

第2の重点 思いやりと豊かな心・健やかな体を育む教育

(豊かな人間性を育む教育)

 子どもたちの「豊かな心」を育むには、学校、家庭、地域がそれぞれの役割を認識し、その役割を果たしていくことが重要です。学校教育においては、授業や様々な場面で「人を思いやる心」などの育成を図り「いじめ」防止に継続して取り組むほか、奨励プログラムを活用し人権教育や様々な体験活動などを推進するとともに、芸術文化に直接触れ、感動を体験する機会として「情操教育プログラム」を実施します。
 また、子どもの読書活動について、学校では学校司書のスキルアップを図るとともにその活用を推進し、各家庭では読書を通じて家族のコミュニケーションを深める「家読」を推進するなど、学校・家庭・地域の教育活動全体を通じて、様々な取組を推進します。

(心身の健やかな成長を促す教育)

 平成26年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果において、北海道の子どもたちの体力は全国最低水準であり、本市においては、小学校のソフトボール投げなど一部全国を上回る種目はありますが、全体的には課題があることから、各学校独自の「1校1プラン」を推進するとともに、総合型地域スポーツクラブと積極的に連携を図り学校教育現場へ導入するなど、子どもたちの体力の向上を図ります。
 また、中学校における部活動については、生徒数の減少に伴い、団体競技をこれまでと同様に存続させることが難しい状況にあります。このため、文化系も含め、今後の部活動のあり方の検討を進めて参ります。
 子どもたちの生活習慣については、家庭・地域での日常生活の大切さを、我々大人がもっと認識する必要があります。親子の絆を育むとともに、親子が一緒になって日頃の生活習慣を見直すことで、心や体の育成だけでなく、学力向上にもつながります。
 これまで3年間取組を進めてきた「生活リズムチェックシート」を継続して実施するとともに、各校で児童生徒が実践している「あいさつ運動」の主旨が、市民全体に浸透するよう働きかけるなど、望ましい生活習慣定着への取組を推進します。

(地域全体で子どもを守り育てる体制づくりの推進)

 子どもたちの健やかな成長を支えるためには、地域の中で多くの大人が見守り支える環境づくりも必要となります。
 このことから、地域ボランティアが学校を支援する「学校支援地域本部事業」において、児童の学習支援を含めた「あい風寺子屋教室」の拡充に取り組むほか、防犯教育に関する北海道のモデル事業や、スクールガード、中学校の部活動指導、スクール・アシスタント・ティーチャーなど、地域の教育力を支援し連携を図りながら、これらの取組を推進します。

第3の重点 地域で学び・育ち・活きる教育

(石狩文化の振興と継承)

 本市は、鮭とともに栄えた歴史や、地域毎にその歴史的価値が高い建造物や史跡などがありますことから、鮭にまつわる文化について、多様な観点から資料整理などを進めるとともに、史跡などの看板を整備し、その活用と理解を図ります。

(図書館サービスの充実)

 開館15周年を迎えた市民図書館では、より使いやすく魅力的な図書館となるよう、地域資料の収集、リクエスト制度、寄贈制度の活用などを推進し蔵書の充実を図り、ボランティア団体などとの市民協働を引き続き推進するとともに、返却箇所の拡充など、環境整備を進めて参ります。
 また、名取市、輪島市に加え、この4月には新たに恩納村との友好図書館協定を締結したところであり、継続的に資料交換や職員、ボランティア交流等を実施して参ります。
 これらの施策のもと、市民の主体的な学びや活動を支援し、市民とともに考え、人々の喜びを生み出す図書館づくりを進めて参ります。

(生涯学習の推進)

 本市の歴史を振り返ると、地域それぞれの特色ある文化は、先人たちの息吹と歴史の重みの中で継承されてきました。
 様々な機会をとらえ、過去を見つめ直し、新たな一歩を踏み出すことは、非常に大切であることから、中長期的なビジョンのもと、伝統文化などの映像化や多様な地域資料の収集整理を推進し、これらを市民に還元するとともに、子どもたちがふるさ とを学ぶことができる環境の整備を図ります。
 また、公民館や図書館、資料館などの社会教育施設が連携を図り、より効果的な生涯学習を推進する体制の整備について、ハード・ソフト両面から検討を進めて参ります。

おわりに

 石狩の子どもたちは、全校を挙げてスポーツの実践にチャレンジし、素晴らしい記録を残したり、文化祭や音楽発表会などでは美しい演奏や合唱を披露するなど、様々な場で、日々、一人ひとりが輝くような活躍をしており、その姿を目の当たりにすると、感動を覚えるところであります。
 「教える」の語源は「愛しむ」。いつくしみ、大切に育てるのが教えるという意味であります。明治維新の精神的指導者として知られる「吉田松陰」は、自分自身をさらけ出し、誠心誠意、心からの愛をもって、生活のあらゆる機会を教育の場として実践し、また、様々な個性をあるがままに認め、一人ひとりを生かす工夫をこらすことを実践しました。
 ふるさと石狩の多様な歴史や、文化活動などを世代間で共有し、子ども、家庭、地域、学校がお互いに「愛しみながら」学び、共に育つことが出来るよう、情報の共有を図り、透明性の高い教育行政の運営を推進して参ります。
 また、本年度より、新たな教育委員会制度のスタートに伴い、市長と教育委員による「総合教育会議」が開催されます。
 これまでも市長と教育委員会の意思疎通を図って参りましたが、この会議の下、市長部局とのさらなる連携を図り、より良い教育環境の構築や、緊急案件への迅速かつ適切な対応などに取り組み、教育行政の執行機関として、その責任ある役割を果たして参ります。

 市民の皆様、並びに市議会議員の皆様の一層のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、平成27年度の教育行政執行方針といたします。