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保全対策

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年5月1日更新

石狩浜は、札幌などの道央圏から、海辺のうるおいを求めて、海浜レジャーや自然観察、山菜採りを楽しむ人など、数多くの人が訪れます。
一方で、過剰なレジャー利用やマナーのない山菜採りが、海浜植物群落はじめ海辺の自然環境に悪影響を及ぼしています。
当センターでは、海辺の自然環境の持続可能な利用のために、自然環境の保全のための意識啓発とともに、石狩市海浜植物等保護条例に基づく海浜植物等保護地区の指定など、保全対策に取り組んでいます。

石狩浜の保護・保全区域の状況

親船地区拡大

はまなすの丘(河口地区・生態系保護地区)

石狩川河口の海側16.5haは、石狩市海浜植物等保護条例で定める海浜植物等保護地区の生態系保護地区として「河口地区」に指定され、車の乗り入れや植物採取等、生態系に影響を及ぼす行為は禁止されています。
ハマナス、イソスミレとともに、他の地域で激減したハマボウフウが群生します。
保護地区を含む約45haは、はまなすの丘公園となっており、散策用の木道が設置され自然散策が楽しめます。

はまなすの丘の写真
条例による保護地区に指定
はまなすの丘の写真
石狩灯台周辺には木道が設置されています。
はまなすの丘の写真
保護により維持されているハマボウフウの群生

聚富原生花園(聚富地区・生態系保護地区)

 石狩川河口右岸、北石狩衛生センター北側の7.8haは、石狩市海浜植物等保護条例で定める海浜植物等保護地区の生態系保護地区として「聚富地区」に指定され、車の乗り入れや植物採取等、生態系に影響を及ぼす行為は禁止されています。ハマナス、エゾスカシユリ、エゾカワラナデシコなどが群生し、6月から7月には、原生花園の風景が広がります。
この地区の海側には、ハマニンニクやハマヒルガオの群生する海岸砂丘が広がっています。

聚富原生花園の写真
ハマナスとエゾスカシユリが咲き競う6月
聚富原生花園の写真
エゾカワラナデシコが咲く7月
聚富原生花園の写真
聚富地区の海側にも、大規模な海浜植物の群生地が広がっている。

弁天地区・親船地区(自然ふれあい地区)

 石狩浜海水浴場をはさむ両側約15haは、平成25年7月1日より、石狩市海浜植物等保護条例で定める海浜植物等保護地区の自然ふれあい地区に指定され、平成30年5月1日に親船地区が、東埠頭側に約1.2km、約15ha拡大され、全体で約30haになりました。自然ふれあい地区では、車の乗り入れ、植生の維持に影響を及ぼす植物採取等、自然環境の維持に影響を及ぼす行為が禁止されています。
ハマニガナ、ハマニンニク、コウボウムギ、ハマヒルガオが群生し、イソコモリグモなど海浜特有の動植物がみられ、海辺の環境を学ぶ場として、活用をすすめます。

弁天地区・親船地区の写真 弁天地区・親船地区の写真 弁天地区・親船地区の写真

砂丘地域(親船地区西端~石狩湾新港までの地域)

1)バギー車等乗り入れによる植生破壊の状況と対策

海岸管理者である北海道は、植生保護のため、看板やロープ柵によりバギー車やバイクなどの車両の乗り入れを防止しています。しかし、一部の車両は、ロープ柵をくぐったり切断するなどして侵入し、植生破壊、砂丘崩壊が止みません。
石狩湾沿岸海岸保全基本計画(平成15年北海道策定)では、この地域の利用規制等を含めた植生の保護復元を目指しています。海岸管理者や石狩市等関係機関から成る石狩浜環境保全連絡会議では、このエリアにおいても、植生保全を図る方向で、議論を重ねています。

砂丘地域の写真
植生域への侵入防止のための看板と柵
砂丘地域の写真
多くの利用者は柵の外側に車を止めてレジャーを楽しんでいます。
砂丘地域の写真
砂丘走行を目的としたバギー車等一部の利用者が、柵をくぐったり切断するなどして砂丘草原へ侵入しています。
砂丘地域の写真
砂丘を走行するサンドバギー。転倒などによる事故の危険も・・・。
砂丘地域の写真
砂丘の植生は消滅し、バギー車等の車輪の跡が無数に残る。植生の消失によって砂丘が削られ、崩壊が進む。
砂丘地域の写真
大きいものは直径50mもの巨大なくぼ地が砂丘のあちこちにできている。風による侵食も伴い、拡大が進んでいる。
砂丘地域の写真
海水浴場西側の約1kmの砂丘草原では、ロープ柵の切断による侵入を防ぐため、鋼管杭やワイヤーで柵を補強しています。また、海浜植物の大切さを訴える看板を設置しました。
砂丘地域の写真
バギー車走行によって崩壊が進む砂丘を砂で埋め戻し、地形と植生の回復を図る試験研究に北海道大学大学院農学研究科と共同で取り組んでいます。
砂丘地域の写真
石狩海岸の管理に関わる行政機関で、石狩浜環境保全連絡会議を設置し、現地視察等を行いながら石狩浜の保全のあり方について議論を重ねています。

2)海岸ごみの状況

石狩浜に散乱ているごみは、おもに、海岸利用者によるレジャー後の放置ごみ、大型家電やタイヤ等の不法投棄、海から流れてくる漂着ごみです。
例年、7月にはクリーンアップ日本海として海岸清掃が行われますが、ごみの散乱は一向に止みません。

砂丘地域の写真
レジャー後の放置ごみ
砂丘地域の写真
レジャー後の放置ごみの山
砂丘地域の写真
不法投棄
砂丘地域の写真
川や海からの漂着ごみ
砂丘地域の写真
石狩浜クリーンアップ作戦
砂丘地域の写真
クリーンアップにより集められたごみの山