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石狩市行政活動への市民参加の推進に関する条例(素案)の考え方

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年7月31日更新
 名称について
 石狩市における市民参加制度のあり方に関する提言書(以下「提言書」という。)で示された条例の名称「行政活動への市民参加推進条例」を踏まえ、「行政活動への市民参加」を「推進」するために必要な事項を定める、というこの条例の内容を明確に示すような名称としました。

 
 全体の構成について
 全体を4章に分けて章名を付けることにより、この条例が考える行政活動への市民参加を進めるための方策の体系を、目次を見て理解できるようにしました。

 

第1章 総則



第1 目的について
 この条例は、地域の独自性に根ざした自主的かつ総合的なまちづくりを進めることが今後の本市にとって極めて重要であることにかんがみ、市の機関が行う各種活動への市民参加を推進することにより自治の主体である市民が持つ知識、経験等をまちづくりに活かし、もって市民と市がより良いまちの姿をともに考え、その実現に向けて協働するような地域社会の形成に寄与することを目的とする。

 地方分権の時代を迎え、各自治体には、自然、歴史、文化、社会経済など、地域が持つ環境や資源を生かしたまちづくりを自主的・総合的に進めることが強く求められるようになりました。石狩市においてもこうした状況は同じです。では、どうすればそのようなまちづくりができるようになるのか・・・その答えのひとつが、市民の知識や経験を、まちづくりを進める上で大きな役割を持つ市の機関の活動に反映させていくことだと思われます。この条例は、こうした考え方に基づいて、行政活動への市民参加を推進するために必要な事項を定めるものです。

 この条例は、行政活動への市民参加を進めることにより、市民が持つ知識や経験をまちづくりに活かすことを目指すものですが、それだけに留まらず、最終的には、そうしたことをきっかけとして地域に対する市民の関心を高め、より良く、より豊かな石狩市の実現に向けて、市民と市がともに考え、協働するような関係で結ばれたまちを作り上げることにつなげていこう、というビジョンに基づいて制定するものです。

 
第2 定義について
1 この条例において「市の機関」とは、市長、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。
2 この条例において「行政活動」とは、市民の福祉の増進を図ることを基本として市の機関が行うあらゆる活動をいう。
3 この条例において「市民参加手続」とは、特定の行政活動に市民の意見を反映させる目的で、あらかじめ定める方式により、市の機関が市民の意見を聴くことをいう。
4 この条例において「パブリックコメント手続」とは、市の機関が作成した行政活動の原案について、書面等による意見を広く募集する方法で行う市民参加手続をいう。

・ この条例の中で「行政活動」という言葉は、地方自治法で自治体の役割を市民の福祉の増進を基本として地域における行政を実施することとしていることを踏まえ、市の機関がその本来の役割を達成するために行うすべての活動を指すものとして使います。なお、人事、経理などのいわゆる内部管理事務も、間接的に市民福祉の向上に寄与するものなので、行政活動に含まれます。

・ この条例の中で「市民参加手続」という言葉は、行政活動に市民の意見を反映するため、○○条例の制定、○○計画の策定、○○施設の建設など、あらかじめテーマを示し、日時・場所・進め方などを決めた上で、市民の意見を聴くことを指すものとして使います。市民参加手続の方法はさまざまなものが考えられますが、代表的なものとしては審議会等の開催、パブリックコメント手続、公聴会、ワークショップ、意見交換会、特定課題についてのアンケートなどです。逆に、すでに決定した事項を市民に伝達するために開催する説明会などは、市民参加手続には当たりません。

・ この条例の中で「パブリックコメント手続」という言葉は、市民参加手続のうち、市の機関があらかじめテーマとその処理方針の原案を示し、これに対する意見を書面などにより提出していただくことを指すものとして使います。

・ なお、この条例では「市民」や「市民参加」についての定義を置いていません。これは、「市民」については、市内に居住する個人及び市内に所在する法人を含むことを基本として、市民参加手続の対象となる行政活動により影響を受ける者の範囲などに応じ、その都度伸縮させて考えるのが適当と思われることから、あえて定義を置かないこととしたものです。また、「市民参加」は、すでに広く定着した言葉と判断される上、この条例では「行政活動への市民参加」と、明確にその対象を示していることから、定義する必要はないと考えました。

 
第3 基本原則について
1 市の機関は、行政活動の効率性の確保に配慮しながら、行政活動への市民参加を図るための取組みを積極的に進めるものとする。
2 行政活動への市民参加は、行政活動を行うに当たり市の機関が負うべき義務と責任を軽減することにつながると解してはならない。

・ 第1項関係
 行政活動への市民参加を進めることは、今後の石狩のまちづくりを進める上で極めて重要なことではありますが、そのためにあまりにも時間をかけすぎて決定がいたずらに先延ばしされたり、他の行政活動に振り向ける金や人員が足りなくなったり、というようなことは、さまざまな分野において総合的に行政活動を行うことによって市民の福祉を増進するという市の本来の役割を果たす上で支障となってしまいます。第1項は、こうしたことがないように配慮しながら、市民参加手続の実施を始めとする各種の取組みを積極的に進めることが、行政活動への市民参加を進める上での原則のひとつであることを示したものです。

・ 第2項関係
 地方自治法で定めているとおり、市の機関は、住民福祉を増進すること、最少の経費で最大の効果を挙げること、組織運営を合理化すること、法令に適合していることを基準にして、自らの判断と責任において行政活動を行う義務があります。行政活動への市民参加を進める際にもこのことは変わるものではなく、市の機関は、市民から意見が寄せられたときは、意見を言わない市民や将来の市全体のことなども含め総合的な視点に立ってその意見を採用すべきかどうかをきちんと検討し、その結果に責任を負わなければならないということ(簡単にいうなら、市民がこう言ったからそのとおりにするというような安易な考え方をしてはいけないということ)を、第2項で示しています。

 
第4 制度の改善について
 市は、この条例に定める行政活動への市民参加を推進するための制度が市民の考え方を適切に反映したものとなるよう、必要に応じ、随時その見直しを行うものとする。
 この条例が定める行政活動への市民参加を推進するための制度(特に、市民参加手続を行う基準やその内容などに関する部分)には、あらかじめ定まった理想の形というものはありません。言い換えれば、この制度は、市民がどのような行政活動に対して、どのような形で自分たちの意見を反映させたいと考えるか、また、そのことと効率が良く効果が高い行政活動を通して総合的に市民福祉を向上することを両立させるためにはどんなことに留意しなければならないか、などの観点から不断に見直しを繰り返しながら、石狩ならではの市民参加の姿を作り上げていかなければならないものと思われます。第4では、このような考え方のもとに、随時制度を見直すことを定めています。

 

第2章 市民参加手続の実施による行政活動への市民参加の推進


 
第1節 通則
 
第5 市民参加手続の実施について
1 市の機関は、別表に定める行政活動を行おうとするときは、あらかじめ市民参加手続を行わなければならない。
2 緊急その他やむを得ない理由があるときは、前項の規定にかかわらず、市民参加手続を行うことを要しない。この場合においては、市の機関は、その理由がやんだ後速やかに、次の事項を公表するものとする。
 (1) 市民参加手続を行うことができなかった行政活動の内容
 (2) 市民参加手続を行うことができなかった理由
 (3) 市民参加手続を行うことができなかった行政活動に関して市の機関が下した決定の内容及びその理由

・ 第1項関係
 行政活動への市民参加を進めるための基本は、市民の意見を行政活動に反映することであり、そのためには、市民参加手続を経た上で企画立案する行政活動をなるべく多くすることが効果的です。第3の1項では行政活動への市民参加を図るための取組みを積極的に進めるという原則を示していますが、本項ではこれをさらに具体化し、一定の行政活動を行う場合には、事前に市民参加手続を経ることを義務付けることとしました。
 これまでも石狩市では各種の市民参加手続が行われてきましたが、それを行うかどうかは、市役所の担当部局がそれぞれの判断で行ってきました。このため外から見ると、市役所はどんなときに市民参加手続を行うのかということが明確でなく、結果として市民が関心や利害を持つ事項について確実に市民参加手続が行われてきたかどうか、疑問が生じる余地がありました。こうしたことを改善し、最低限、このような場合には市民参加手続を行うようにしようというのが、本項の趣旨です。

・ 第2項関係
 第1項で、別表に掲げる行政活動をする際は、事前に市民参加手続を行うこととしましたが、その事案を緊急に処理しなければならないときなど、どうしても市民参加手続を行えない場合があることも予想されます。このため第2項では、事後に必要事項の公表を義務付けることによって市の機関に説明責任を課すかわりに、正当な理由があるときは市民参加手続を省略できることとしました。

 
第6 市民参加手続の内容及び時期について
1 市民参加手続は、その対象となる行政活動の性質、影響等及びその行政活動に対する市民の関心に応じ、適切な内容で行われなければならない。
2 市民参加手続は、その結果を市の機関の決定に活かすことができるように、適切な時期に行われなければならない。
3 市の機関は、規則で、前2項に掲げる原則に基づき市民参加手続の内容及び時期を定める上で考慮すべき事項について具体的に示す細目を定めるものとする。
4 前項の細目は、第27の規定に基づき市民参加推進協議会の意見を聴き、かつ、パブリックコメント手続を行った上で定めるものとする。

・ 第1項及び第2項関係
 市民参加手続を行う場合には、さまざまなバリエーションの中からどの方法を選び(又は組み合わせ)、どの範囲の市民を対象として行うかなどの「内容」と、市の機関内部での一連の検討プロセスのどの時点で行うかという「時期」がたいへん重要になります。このため、第1項と第2項では、市民参加手続の内容と実施時期に関する原則を示すこととしました。
 第1項では、市民参加手続の内容は、その対象となる行政活動自体の内容と、それに対する市民の関心の高さを考慮して決めることとしています。規定中の「行政活動の性質」とは、主として市民を規制するものか、市の活動の指針を示すものか、税金の支出としての側面が強いかなどという点を指し、「影響」とはどの範囲の市民にどれだけの効果がどれぐらいの期間続くのかなどといったことを指すものですが、行政活動の内容に関する事項としては、これらの他にもその対象となる行政活動の背景がどの程度複雑かなどということも考慮する必要があると思われます。
 第2項では市民参加手続の実施時期について定めています。市民の意見を真摯に検討して行政活動に反映させるためには、正確で十分な情報を市民に提供できる範囲で、できるだけ早い時期に市民参加手続を行う必要があります。しかし、ほとんど白紙の状態から市民参加手続を行ったほうがいいのか、市の機関が提示する原案に対して市民参加手続を行ったほうがより効果的か、などは案件ごとに異なってくるものと思われるので、そうしたことも考慮した上で、適切な時期に行うこととしています。

・ 第3項及び第4項関係
 第1項と第2項では市民参加手続の内容や時期を決める際の原則を示しましたが、これだけでは抽象的であり、それぞれの担当部署の解釈によっては市民参加手続の内容や実施時期にばらつきが生じるおそれもあります。このため、第3項ではガイドライン的な細目を作ることとして、各担当部署はこれを考慮しながら市民参加手続を行うこととしました。このガイドラインは行政活動への市民参加に対する市民の考え方を反映して刻々と変わることも予想されるので、機動的な修正ができるように、市民参加手続を経た上で規則で定めることとしました。なお、提言書では「市民参加手続の内容の最低基準」を定めることとしていましたが、最低基準を定めるためには異なる種類の市民参加手続のランク付けをする必要があり、これは実務的に難しいことから、ここでは「考慮すべき事項」を定めるものとしました。しかし、特別の事情がない限りはこのガイドラインに沿って市民参加手続が行われることとなるので、実質的な違いはほとんど生まれないものと考えられます。

 
第7 提出された意見等の取扱いについて
1 市民参加手続を経て市の機関に提出された意見、情報等(以下「提出された意見等」という。)については、市の機関は、これを総合的かつ多面的に検討しなければならない。
2 市の機関は、提出された意見等についての検討を終えたときは、速やかに、次の事項を公表するものとする。ただし、その公表により石狩市情報公開条例で定める不開示情報(以下「不開示情報」という。)が明らかになるときは、この限りでない。
 (1) 提出された意見等の内容
 (2) 提出された意見等に関する検討結果及びその理由

・ 第1項関係
 いくら市民参加手続で市民の意見を聴いても、その意見を市の機関が聞きっぱなしにしては何の意味もありません。このため、本項ではそれらの意見の実現可能性を真摯に検討することを市の機関に義務づけています。「総合的に検討」とは、市の機関の縦割りの組織を超えて、いわばオール市役所で検討することを、「多面的に検討」とは、市の規定方針に合わないような意見であっても簡単に切り捨てたりせず、その意見を行政活動に反映することができないかどうかをさまざまな角度から検討することを意味しています。

・ 第2項関係
 第1項で定めた意見の総合的・多面的な検討義務を市の機関が果たしているかどうかを確認できるようにするため、本項では意見の検討を終えたときに結果や理由を公表することとしています。またこのことは、市の機関内部での検討経過を明らかにして決定内容の妥当性を検討する材料を市民に提供したり、意見を提出した方の意欲や努力に応えるという意味もあります。公表する事項は「こういう意見があった」「その意見を検討した結果はこうなった」「その理由はこうである」の3点ですが、それらの中に個人情報や事業活動情報などの情報公開条例で定める不開示情報が含まれるときは、それらの部分は公表しないこととしています。

 
第8 公表の方法等について
1 この章の規定に基づいて市民参加手続に関する事項を公表するときは、次のすべての方法によるものとする。この場合において、第3号に規定する方法での公表については、やむを得ない理由があるときは、事後に行うことができる。
 (1) 市役所本庁舎及び担当窓口での供覧又は配布による必要事項の全部の公表
 (2) 市内に設置する掲示板への掲示による必要事項の全部又は概要の公表
 (3) 市広報紙への掲載による必要事項の全部又は概要の公表
 (4) インターネットを利用しての必要事項の全部又は概要の公表
2 前項の規定にかかわらず、その市民参加手続に関する事項を周知すべき者に対し、効果的かつ確実に必要事項を周知することができる方法が別にあると認められるときは、当該別の方法により周知すれば足りる。
3 市の機関は、市民参加手続に関する事項を公表したときは、あわせて、報道機関への情報提供その他の適当な方法により、公表した事項を市民に周知するよう努めるものとする。

・ 第1項関係
 市民参加手続について定めた本章では、「公表」という言葉がとても多く使われています。これは、情報の共有は行政活動への市民参加を進めるためのもっとも大切な要素のひとつであるとの考えに基づき、市民参加手続の実施やその結果についての情報をなるべく詳細に市民に伝えようとする姿勢を表したものです。また、市民参加手続は幅広い行政活動について行われることになるので、市民参加手続に関する情報を提供することにより、市民が行政活動の動向をより把握しやすくなるという効果もあります。
 本項ではこうしたことを踏まえ、どういう方法で情報を公表するかを定めています。公表方法は4種類とし、常にそのすべての方法によって公表することにより、希望すれば誰もがそれらのうちの少なくても1種類の方法で情報を知ることができるようにしています。第1号中の「市役所本庁舎」とは、本庁舎1階の情報公開コーナーとすることを予定しています。第2号の掲示板は、人が集まる公共施設や商業施設などに設置する予定です。また、第3号で定める広報紙による公表は即時性に欠ける面がありますが、たとえ事後公表になっても、市の動きを市民に周知する効果が高いと考え、必ず行う公表方法に含めています。なお、第2号から第4号までに掲げる方法で必要事項の概要を公表するときは、どこに行けば(何を見れば)全部の事項を知ることができるかということを同時に公表するような運用とすることを予定しています。
 提言書では、第2号の掲示板を設置したときは告示等をすることとしていましたが、告示等の形式をとるまでもなく現物を見れば掲示板が設置されたことが明らかなので、こうした規定は不要と判断しました。

・ 第2項関係
 市民参加手続を行うケースの中には、特定の市民にとっては重大な関心事であるが市民全体にとってはほとんど影響がないという場合があります。たとえば街区公園の設計概要などについて市民参加手続を行う場合には、通常はその公園を利用する区域に居住する市民の意見を聴けば足りると思われますが、こうした場合の市民参加手続に関する事項の周知は、町内会の回覧などを利用するのがもっとも確実にできると思われます。本項は、こうした場合には第1項で定める方法による公表に代えて、それらのもっとも確実な方法により周知すれば足りるとしたものです。

・ 第3項関係
 本項では、市民参加手続に関する事項をより広い範囲の市民に周知するため、第1項、第2項で必ず行うと定めている以外の方法でも積極的に情報を提供するよう努めることを定めています。「適当な方法」としては、報道機関への情報提供のほか、パンフレット類の配布、説明会の開催などが考えられます。

 
第9 制度の調整について
 この章に定めるところにより市民参加手続を行った場合に他の法令又は条例の規定に反することとなるときは、その反することとなる限りにおいて、この章の規定は、適用しない。
 行政活動の中には、既存の法令や条例などの規定により、審議会等や公聴会などの市民参加手続を経ることを義務付けられているものも多くあります。本章の規定は、これらの行政活動にも適用され、多くの場合は上乗せ規定として働くことが予想されます。例えば、他の法令等が公聴会を開くときは告示すると定めているときは、告示に加えて第8の第1項に定める4つの方法により公聴会の開催予定を公表するなどのケースです。しかし、中にはこの章の規定とそれら既存の法令等における市民参加手続に関する規定の内容が衝突する場合もあるかもしれません。例えば、第6の1項では、対象となる行政活動とそれに対する市民の関心に応じて適切な内容の市民参加手続を行うとしています。これは、市民の関心が特に高い場合などは、審議会等、パブリックコメント手続、公聴会など多様な市民参加手続を組み合わせて行うなどのことを義務付けたものですが、あらかじめ定められた以外の市民参加手続を行うことを禁止しているような既存の法令がもしあれば、そういう場合には既存の法令の規定が優先されることになることを定めています。

 
第2節 審議会等
 
第10 審議会等に関する原則について
 審議会等(附属機関及びそれに類する合議制の組織をいう。以下同じ。)に付議する方法により行う市民参加手続の進め方及びその審議会等の構成については、前節及びこの節に定めるところによる。
 「審議会等」とは、市の機関に置かれる合議制組織でそのメンバーに市職員以外の者が含まれるもののうち、市の機関から依頼された特定のテーマについて話し合い、その結論をもとに調停、審査、審議、審査等を行ったり意見を述べるなどの役割を担うものです。平成12年11月現在で、石狩市には表彰審査審査会をはじめとして50の審議会等が置かれています。第10では、審議会等に付議する方法で市民参加手続を行うときにはこの章のどの部分が適用になるかを明らかにしています。

 
第11 構成員について
1 審議会等の構成員には、正当な理由がある場合を除き、公募により選考された者を加えるものとする。この場合における公募及び選考の方法は、市の機関がその都度適切に定めるものとする。
2 前項に定めるもののほか、市の機関は、審議会等の構成員の選考に当たっては、その男女比に配慮する等の措置を講じることにより、審議会等における審議に市民の多様な意見が反映されるよう努めるものとする。
3 市の機関は、毎年、審議会等ごとの次の事項を公表するものとする。
 (1) 構成員の氏名、選任の区分及び肩書
 (2) 公募により選考された構成員がいない場合は、その理由

・ 第1項関係
 審議会等は、比較的少数の固定された市民をメンバーとし、特定課題について詳細な検討を行うために設置されているもので、一般にここで出された結論は行政活動に大きな影響を与えます。これまでもさまざまな場面で審議会等が活用されてきましたが、市役所が自分たちにとって都合の良い人選をして御用機関としているのではないかという批判を受けることもありました。行政活動への市民参加を進めるためには、こうした批判を受けないようにするとともに、審議会等での議論に多様な市民の考え方が反映されるようにすることが望ましいものと考えられます。
 本項では、こうした観点から、正当な理由があるときを除いては審議会等のメンバーに公募で選考する者を加えることとしました。「正当な理由」としては、公募しても応募者がいなかった場合や、その審議会が個人のプライバシーにかかわることを審議したり、高度に専門的な知識が審議に要求されるような、そもそもメンバー公募になじまない性格であったり、法令等でメンバー要件が定められていて公募メンバーを加える余地がない場合などを想定しています。
 また、どの範囲の市民を対象として公募するか、応募者の中からどのようにしてメンバーを選考するかなどの個別事項は、それぞれの審議会等の性格や公募メンバーにどのような発言を期待するかなどの個別の事情により左右される部分が大きいので、その都度適切に定めることとしました。

・ 第2項関係
 審議会等がこの条例で目指す行政活動への市民参加の推進のために機能するためには、さまざな立場の市民がメンバーに加わり、多様な立場からの意見をもとに審議がなされることが必要です。本項では、前項で定めるメンバー公募制のほかにも、このために必要な各種の配慮をすることを市の機関に義務付けています。配慮すべき事項としては、例示しているメンバーの男女比のほか、同じ人が複数の審議会のメンバーを掛け持ちすることや、度を越すような再任を避けるなどのことが考えられます。

・ 第3項関係
 第1項、第2項で定めた事項がきちんと守られているかどうかを市民がチェックできるようにするため、本項では、毎年、審議会等ごとの構成員の状況と公募メンバーがいないときはその理由を公表することを定めています。

 
第12 会議の公開等について
1 審議会等の会議は、不開示情報が明らかになることその他の正当な理由がある場合を除き、公開する。
2 市の機関は、前項の原則に基づき、審議会等の会議の運営方法を定める条例、規則等の中で、その審議会等の会議を公開するかどうかの区分を定めるものとする。
3 市の機関は、審議会等の会議を傍聴しようとする者に対し、適切な利便を提供するよう努めるものとする。

・ 第1項関係
 審議会等の会議を公開することは、その審議会等が御用機関となっていないか、あるいはどのような経過を経て結論が出されたのかなどということを市民に明らかにし、より良いまちの姿について考える契機を市民に提供する上で大きな意義があると思われます。このため、本項では、正当な理由がある場合以外は審議会等の会議を公開することとしています。なお、会議を非公開とすべき正当な理由として考えられるのは、例示のような不開示情報が明らかになる場合のほか、傍聴席が騒然として会議の運営に支障がある場合などが考えられます。

・ 第2項関係
 前項で定めた会議の公開の原則を担保するためには、審議会等が恣意的に会議の公開・非公開を判断するのではなく、それぞれの審議会等の審議内容に照らしてあらかじめ一定のルールを定めておくことが適当と考えられます。このため、本項では、審議会等の会議の運営方法を定める条例や規則等の中で、それぞれの会議を公開するかどうかを明示することとしました。

・ 第3項関係
 本項では、なるべく多くの市民に傍聴の機会を提供するとともに、会議での審議内容を理解していただくことが必要との観点から、審議会等の会議を傍聴しようとする者に対して適切な利便を提供することを定めています。具体例として考えられるのは、十分な傍聴席を確保できるような会場を設定したり、傍聴者に会議資料を配布することなどですが、審議会等メンバーに働きかけて休日や夜間など傍聴しやすい時間帯に会議を開催するなどのことも含むものと考えて良いと思われます。

 
第13 諮問事案等の公表について
1 市の機関は、審議会等にその意見の提出を求めるときは、原則としてその都度、その旨及び意見の提出を求める事案の内容を公表するものとする。
2 市の機関は、審議会等の会議の予定を公表するものとする。ただし、会議を公開しないとき及び緊急に会議を開催する必要があるときは、この限りでない。
3 市の機関は、審議会等の検討の経過及びその結果を、必要に応じて公表するよう努めるものとする。

・ 第1項、第2項関係
 審議会等は少数のメンバーで運営されることから、自分たちの知らない間に重要事項についての検討が進められているという印象を市民に与えるおそれがあります。このようなことにならないように、第1項及び第2項では、多くの市民にいつ、どのような案件を対象として会議が開かれるかなどの情報を提供することとしました。なお、第1項で「原則として」としているのは、介護認定審査会のように定型的な問題を頻繁に諮問するような審議会等については、その都度公表する意義が薄いと思われることに配慮したものです。

・ 第3項関係
 本項では、審議会等における検討が比較的長期にわたるときや審議会等から意見の提出を受けてからその具体化までに時間がかかる場合などを想定し、必要に応じて審議会等の検討経過や検討結果を公開するよう努めることとして、会議を傍聴することができない市民に対しても審議会等での検討経過をできるだけ周知することとしています。

 
第14 議事録の作成について
 市の機関は、審議会等の会議が開催されたときは、次の事項を明らかにした議事録を作成するものとする。
 (1) 会議の日時、場所、出席者氏名及び傍聴者数
 (2) 会議の議題
 (3) 会議での検討に使用した資料等の内容
 (4) 会議における発言内容又は議事の経過
 (5) 会議の結論
 (6) その他必要な事項
 審議会等の議事録を作成することは、その内容を開示するかどうかにかかわらず、どのような経過を経て審議会等の検討の結論が導かれたかを明らかにする上で必要不可欠と考えられますが、これまで石狩市には議事録の作成方法についての統一的なルールがありませんでした。このため、本項では、市の機関に審議会等の会議の議事録の作成を義務付けるとともにその記録内容を統一的に定めることとしました。なお、会議における発言内容については、いわゆるテープ起こしにより発言内容を逐一書き留める方法、録音テープをそのまま議事録として保存する方法、要点だけを記録する方法などのうちから、審議内容などに応じてもっとも適切な方法を選ぶような運用を予定しています。

 
第3節 パブリックコメント手続等
 
第15 パブリックコメント手続等に関する原則について
 パブリックコメント手続その他の書面等による意見を広く募集する方法により行う市民参加手続の進め方については、第1節及びこの節に定めるところによる。
 第15では、パブリックコメント手続など書面による意見を広く募集する方法で市民参加手続を行うときにはこの章のどの部分が適用になるかを明らかにしています。

 
第16 意見の提出方法等について
1 パブリックコメント手続における意見の提出方法は、その記録性を確保できる範囲で、可能な限り多様な方法を認めるものとする。
2 パブリックコメント手続における意見の提出期間は、1月以上とする。ただし、緊急その他やむを得ない理由があるときは、その理由を公表した上で、意見提出期間を1月未満とすることができる。

・ 第1項関係
 パブリックコメント手続は、行政活動の原案に対して市民が対案や意見などを提出することを内容とするものなので、この手続を通して行政活動への市民参加を進めるためには、できるだけ市民が意見等を提出しやすくすることが必要です。第1項では、意見の提出方法は、後日その意見の内容を確認できる範囲であれば、できるだけ多様な方法を認めるという原則を明らかにしています。具体例としては、書面、ファックス、電子メールなどのほか、視覚障害者であれば録音テープによる意見提出も認められるべきと考えます。

・ 第2項関係
 パブリックコメント手続に市民が意見等を提出しやすくするためには、意見の提出方法だけでなく、意見の提出期間を十分にとって市民が検討するための時間を確保することも必要です。意見の提出期間は、国や他の自治体の例を参考として、最低1月としましたが、どうしても1月を確保できないときは、その理由を公表することとしています。

 
第17 公表事項について
 市の機関は、パブリックコメント手続を行うときは、次の事項を公表するものとする。
 (1) 対象とする事案の内容
 (2) 対象とする事案の処理方針についての原案及び関連事項
 (3) 意見の提出先、提出方法及び提出期限
 (4) 意見を提出することができる者の範囲
 (5) 第7第2項により行う検討結果等の公表の予定時期
 (6) その他必要な事項
 第17では、パブリックコメント手続を行うときに公表する事項を定めています。第2号の「関連事項」としては、原案を作成した趣旨や目的、その事案を処理する根拠となる法令の規定、原案によりその事案を処理したときに生じる可能性がある市民生活への影響に関する事項などが考えられます。

 
第18 準用について
 市の機関が、その原案作成前の行政活動について、書面等による意見を広く募集する方法により市民参加手続を行うときの手続は、第16及び第17(第2号に定める事項の公表を除く。)の規定を準用する。
 パブリックコメント手続は市の機関が作成した原案を示した上で行うものですが、行政活動に市民意見を反映させるためには、原案作成前の段階で広く市民に意見等の提出を求めることが効果的である場合も考えられます。こうした場合の意見の提出方法、提出期間、公表すべき事項などについては、一部を除き、パブリックコメント手続に準じることとしています。

 
第4節 公聴会
 
第19 公聴会等に関する原則について
 公聴会を開催する方法により行う市民参加手続の進め方については、第1節及びこの節に定めるところによる。
 第19では、公聴会を開催する方法で市民参加手続を行うときにはこの章のどの部分が適用になるかを明らかにしています。

 
第20 公聴会開催の公表について
1 公聴会を開催するときは、市の機関は、第4号により定める期限の1月前までに、次の事項を公表するものとする。
 (1) 公聴会の開催日時及び開催場所
 (2) 対象とする事案の内容
 (3) 対象とする事案の処理方針についての原案を作成したときは、その原案及び関連事項
 (4) 公述人となることができる者の範囲及び意見の提出期限
 (5) 第7第2項により行う検討結果等の公表の予定時期
 (6) その他必要な事項
2 市の機関は、前項第4号により定める期限までに意見の提出がなかったときは、公聴会を中止し、その旨を公表する。

・ 第1項関係
 この条例でいう公聴会とは、名称のいかんを問わず、公開の場所で、所定の方法により、特定の行政活動について口頭で意見を表明することをいいます。パブリックコメント手続が書面等による市民参加手続であるのに対し、公聴会は口頭での意見表明という方法で行う市民参加手続であるといえます。公聴会は、(1)公聴会開催の公表と公述人の募集、(2)公述人の決定、(3)公聴会開催という順序で開催されるのが一般的ですが、本項では、既存法令の公聴会に関する規定やパブリックコメント手続における意見募集期間を参考として、公述人の募集期間を1月以上とし、同時に公表すべき事項を定めたものです。

・ 第2項関係
 市民参加手続が形式的に行われることは、行政活動への市民参加を進める上で望ましいものではありません。こうした観点から、本項では、公述希望者がいないときは公聴会を中止し、その旨を公表することとしています。

 
第21 公聴会の運営について
1 公聴会は、市の機関の長が指名する者が議長となり、主宰する。
2 公聴会の参加者は、公聴会の円滑な進行を図るために議長が発する指示に従わなければならない。
3 前2項に定めるもののほか、公聴会の運営に関する事項は、規則で定める。
 公聴会の進め方は詳細に定めることが必要になる場合もありますが、第18ではそのうち最低限必要と思われる事項を第1項と第2項で定め、その他の事項は規則で定めることとしています。なお、この規則を定めるときは、第27の規定に基づき市民参加推進協議会に諮問することになります。

 
第22 調書の作成等について
1 議長は、公聴会を開催した都度、次の事項を記録した調書を作成し、市の機関の長に提出するものとする。
 (1) 公聴会の開催日時及び開催場所
 (2) 公述人その他の参加者の氏名及び傍聴者数
 (3) 対象とした事案の内容
 (4) 公聴会で配布された資料等の内容
 (5) 公述人の発言の内容及び質疑の内容
 (6) その他必要な事項
2 市の機関は、公聴会が終結したときは、必要に応じ、前項により提出された調書を公表するよう努めるものとする。
 審議会等における議事録と同様に、公聴会の内容は調書として記録される必要があります。このため、第1項では審議会等の議事録に準じて調書の記録内容を定めたものです。また、第2項では、必要に応じて調書を公表するよう努めることとしていますが、これは第13(諮問事案等の公表)の第3項と同じ考え方に基づく規定です。

 
第5節 その他の市民参加手続
 
第23 その他の市民参加手続に関する原則について
 前3節に定める方法以外の方法により行う市民参加手続(以下「その他の市民参加手続」という。)の進め方については、第1節及びこの節に定めるところによる。
 第23では、第2節から第4節までに定める審議会等への付議、パブリックコメント手続の実施及び公聴会の開催以外の方法で市民参加手続を行うときにはこの章のどの部分が適用になるかを明らかにしています。

 
第24 その他の市民参加手続実施の公表について
1 市の機関は、その他の市民参加手続を行うときは、次の事項を公表するものとする。
 (1) 対象とする事案の内容
 (2) その他の市民参加手続の内容
 (3) 日時及び場所を定めてその他の市民参加手続を行うときは、その日時及び場所
 (4) 対象とする事案の処理方針についての原案を作成した場合には、その内容及び関連事項
 (5) その他の市民参加手続に参加することができる者の範囲
 (6) 第7第2項により行う検討結果等の公表の予定時期
 (7) その他必要な事項
2 前項の規定による公表は、急を要することその他特別の理由があるときを除き、その市民参加手続の期日の1月前までに行うものとする。
 その他の市民参加手続としては、ワークショップ、意見交換会、特定案件についてのアンケートなどさまざまな方法があります。これらの市民参加手続を行うときにも、基本的には事前に必要事項を公表し、市民が検討する期間を確保することが必要と考えられるため、第24ではこれらの事項について、第2節から第4節までの規定に準じて公表事項と公表時期を定めたものです。

 

第3章 市民参加手続の実施以外の方法による行政活動への市民参加の推進

 

第25 市民意見の積極的な把握について
 市の機関は、市民を対象とした継続的な意識調査を実施すること、市民と市職員との対話の機会を設けることその他適切な方法により、行政活動に関する市民の意見を積極的に把握するよう努めるものとする。
 行政活動に対して意見や対案などを持っていても、さまざまな理由によりそれを表明しない市民も多数いることが想像されますが、このような市民の考えは、市民参加手続を行うだけでは十分に把握することが難しいのが事実です。しかし、行政活動への市民参加を進め、いろいろな案件について市民の知恵を集めて石狩市にとって最も良い選択をしていくためには、これらの埋もれがちな市民の意見を掘り起こし、市の機関の決定に反映させることが欠かせません。第25ではこうした実情に目を向け、市民参加手続の実施だけでなく、市の機関がみずから積極的なアクションを起こすことにより、市民の考えを把握するよう努めることを定めています。

 
第26 市民が自発的に提出した意見の取扱いについて
 市の機関は、市民参加手続を経ずに提出された市民からの提案、要望、苦情等についても、その趣旨及び内容がこの条例の目的に合致すると認められるものについては、第7の例により検討し、その結果等を公表するよう努めるものとする。
 この条例の大きな柱は、第2章で定めるように、行政活動の幅広い分野で市民参加手続を行うことにより市の機関がみずから市民の意見を聴く機会を設定することですが、市民参加手続はその性質上、市の機関が何らかの行政活動をしようとするときにしか行われません。しかし、市民は、市民参加手続のテーマとされている行政活動について以外にも、市の機関に対してさまざまな意見、疑問、提案などがあり、こうした意見がきちんと行政活動に生かされることを望んでいます。このため、第26では、市民参加手続以外の場合に市民から自発的に提出される提案等についても、この条例の目的-まちづくりに市民の知識、経験等を活かし、市民と市が協働するような地域社会の実現を目指すこと-に合致すると認められるものは、市民参加手続で提出された意見と同じように、総合的・多面的に検討し、検討結果や理由を公表するよう努めることとしました。

 

第4章 市民参加推進協議会


 
第27 設置について
 次に掲げる事項について市の機関の諮問に応じ、又は市の機関に建議するため、石狩市市民参加推進協議会(以下「協議会」という。)を置く。
 (1) この条例の改正又は廃止に関する事項
 (2) この条例に基づく規則等の制定、改正又は廃止に関する事項
 (3) 市民参加手続の実施及び運用の状況の評価に関する事項
 (4) 前3号に掲げるもののほか、行政活動への市民参加の推進に関し必要な事項
 この条例は、広い範囲にわたる市の行政活動を対象とした市民参加の制度を定めることにより行政活動への市民参加を推進しようとするものですが、この制度は今後、市民のニーズなどを反映してどんどん改良していかなければならないものと思われます。しかし、「行政活動への市民参加を進めるためにはこれがベストの制度だ」という答えがどこかに用意されているものでもないため、制度を改良するに当たっては、石狩市にとってはどのような市民参加制度が望ましいかという観点から市民と市職員が率直に話し合い、制度の運用状況や市民の関心のあり方などを不断にチェックして、改めるべき点は改めていくといった作業の中からその答えを見つけていかなければならないものと思われます。このような作業を行う場として、新たに市民参加制度推進協議会を設置するものです。
 協議会は、(1)この条例の改正・廃止、(2)この条例に基づく規則その他の規程(市民参加手続の運用細目(第6の2項)、公聴会の運営に関する規則(第17の3項)、市民参加手続の実施基準の細目(別表)など)の制定改廃、(3)必要な案件について十分な内容の市民参加手続が実施されたかなどの点についての評価、(4)その他行政活動への市民参加の推進に関し必要な事項について検討しますが、市の機関からの諮問に応じるだけでなく、協議会の発意により市の機関に建議する機能も持つものとしています。

 
第28 委員について
1 協議会は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する委員15人以内で組織する。
 (1) 学識経験者
 (2) 市内において活動する団体が推薦する者
 (3) 市内に居住し、又は通勤し、若しくは通学する者であって市長が行う公募に応じたもの
 (4) 市職員
2 委員の男女別の数は、そのいずれもが委員総数の4割を下回らないようにするものとする。
3 市長は、第1項第3号に掲げる委員の数が5人を下回らないこととなるよう努めるものとする。
4 市職員である委員の数は、2人を超えることはできない。
 協議会での検討は、市民の健全で多様な感覚に基づいて行う必要があると考えられることから、委員の上限は市の附属機関としては比較的多い15人とした上で、公募委員は5人以上とするよう努めることとしました。また、石狩市では市職員は附属機関の構成員から除外するのを原則としていますが、協議会は市民と市職員が率直に議論する場として位置付けられていることから、例外的に2人を上限として市職員も委員に加えることとしています。なお、提言書では協議会事務局の意向が協議会での議論を左右するのを防ぐため、市職員である委員は事務局担当部局以外から選任することとされていましたが、協議会での検討を中身の濃いものにするためには、事務局担当部局に所属していたとしても行政活動への市民参加を進めることに関連する業務に就いている職員をメンバーとすることがより望ましいものと判断し、こうした規定は設けないこととしました。
 また、第2項では委員の男女比はともに4割以上とすることを明記し、第11第2項の趣旨をこの協議会にも生かすとともに男女共同参画社会の形成を目指す市の方針との整合も図っています。

 
第29 任期について
1 協議会の委員(市職員である委員を除く。)の任期は、2年とし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、2期を超えて連続して再任されることはできない。
 委員の任期は他の一般的な例にならって2年としましたが、市職員である委員はいわゆる「充て職」となることが予想されるので、特に任期を定めないこととしました。また、第2項で再任制限を設けて、第11第2項の趣旨をこの協議会の運営に具体的に反映することとしています。

 
第30 会長及び副会長について
1 協議会に会長及び副会長各1人を置く。
2 会長及び副会長は、市職員である委員を除く委員のうちから、委員の互選により定める。
3 会長は、協議会を代表し、協議会の会議(以下「会議」という。)の議長となる。
4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。
 会長及び副会長に関する規定は、市の類似組織の例にならって定めていますが、市民と市職員が対等の立場で議論をするためには、会長及び副会長は市職員以外の委員が務めることが適当と考えられることから、その旨を定めることとしました。

第31 会議について
1 会議は、会長が招集する。
2 会議は、委員の過半数の出席をもって成立する。
3 会議の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長が決するものとする。
4 会長は、必要に応じ、会議に参考人の出席を求めることができる。
5 会議は、公開する。
 会議に関する規定も、市の類似組織の例にならって定めています。

 
第32 庶務
 協議会の庶務は、企画財政部が処理する。

 
第33 委任について
 この章に定めるもののほか協議会の運営に関し必要な事項は、会長が会議に諮って定める。
 第27から第32までに定める事項のほかにも協議会の運営を円滑に進めるためのルールが必要になるものと思われますが、それらは協議会の自主性を尊重し、会長が協議会の会議に諮った上で定めることとしています。

 
附則
 
1 施行期日について
 この条例は、平成14年4月1日から施行する。ただし、第4章の規定は、公布の日から施行する。
 この条例を施行するためには、条例の施行のために必要な規則等を定めたり、掲示板を設置するなどの準備をする必要があることから、このために必要な期間を考慮し、平成14年4月1日から施行することとしましたが、第27により条例の施行のための規則等を定めるときには市民参加推進協議会に諮ることとなるので、協議会に関する部分だけは公布日から施行することとしています。

 
2 経過措置について
 この条例の施行の際既に着手され、又は着手のための準備が進められている行政活動であって、時間的な制約その他の理由により第2章に定めるところにより市民参加手続を行うことが困難と認められるものについては、同章の規定は、適用しない。
 この条例が施行された時点で既に着手されていたり、着手のための準備が進められている行政活動についても第2章で定めるところにより市民参加手続を行うこととすると、業務スケジュールの大幅な修正が必要になるなど円滑な行政運営に支障が生じる場合も予想されることから、経過措置として、このような事情がある行政活動については同章の規定は適用しないこととしています。

 
3 石狩市情報公開条例の一部改正について
 この条例と規定内容が重複しないようにするために、石狩市情報公開条例第20条(会議の公開)を改正する。
 この条例で審議会等の運営に関する共通ルールの一部として審議会等の会議の公開、会議予定等の公表及び傍聴者への利便提供などについて定めることに伴い、既に附属機関等の会議の公開等について規定している石狩市情報公開条例第20条の規定との調整を図ることとしています。

別表1の項について
1条例、規則等の規定のうち次に掲げる規定の制定又は改廃。ただし、常に市民参加手続を行うことは困難又は不適当であるものとして規則で定める場合を除く。
(1)分担金、使用料、加入金、手数料その他これらに類する料金の額、市税の税率及び介護保険料の料率並びにそれらの減免等について定める規定
(2)権利の制限又は義務の付加について定める規定
(3)前2号に掲げるもののほか、公益上の見地から市民がその活動を行うに当たり遵守すべき事項、果たすべき役割等について定める規定
(4)公の施設の利用方法について定める規定
(5)市政に関する情報開示、説明等を請求する権利について定める規定
 条例や規則などは、石狩市を動かすための基本ルールであり、場合によっては市民に対する強制として働くものでもあるので、市民の意見を十分に考慮しながらその内容を定めることが必要と考えられます。このため、本項では条例や規則などの内容のうち、市民に大きな影響が及ぶもの、一般に市民の関心が高いと思われるもの、市民の理解と協力を必要とするもの、行政活動への市民参加を進める上で特に重要と考えられるものをピックアップしています。なお、「条例、規則等」とは、条例、規則のほか、行政委員会が定める規程やこれらからの委任を受けて定められる訓令、要綱などの内部規程を指します。また、通常、条例の制定改廃には議会の議決が必要になりますが、市民参加手続は市長が議会に提出する条例案の内容を決定する前に行うことになります。

・第1号関係
 市が行う金銭の賦課徴収については、多くの市民が多大な関心を持っていると考えられます。このため、市税を始めとする公法上の金銭徴収に関する事項のうちの金額と減免、徴収猶予等について定める規定の制定改廃を市民参加手続の対象とすることとしています。なお、「その他これらに類する料金」とは、市が維持管理している物の利用の対価としての性格を持つ公法上の徴収金(占用料、土砂採取料など)を指すものです。

・第2号関係
 条例や規則では、公益上必要があるときは、市民の権利を制限したり市民に義務を課すことができます。こうした内容を定めるときは、それにより実現しようとする公益の内容や程度に照らして、権利制限の程度や課される義務の内容などのバランスが妥当かどうかなどという観点からの検討が必要になります。このため、こうした場合は市民参加手続を経ることとして、利害関係を持つ市民などから意見を聴き、その内容を十分に考慮しながら検討を行うこととしています。

・第3号関係
 いわゆる「基本条例」などを中心として、市民の責務や役割などが定められることがあります。これらは、義務付けではないが、たとえば環境美化などの公益を実現するためにその内容に従った自発的な行動を求める趣旨のものだと思われます。こうした規定が機能するためには、市民の健全な感覚に照らして妥当な内容とする必要があることから、市民参加手続の対象としました。なお、ここでいう「市民」とは、個人に限らず、法人や団体なども含むものです。

・第4号関係
 公の施設は、多くの市民が活用するものであり、その利用条件を定める際には、より便利に使いたいという市民ニーズと、妥当なコストのもとで施設を良好に維持運営するという管理面からの要請のバランスを考慮することが必要との観点から市民参加手続の対象としました。

・第5号関係
 市政に関する情報の開示や市政に関する説明を求める権利を保障する規定は、市民参加手続に関する情報を公表することを定めるこの条例の内容とあいまって、市政に関する情報を市民と市が共有するために大きな役割を果たしています。情報の共有は行政活動への市民参加を進めるための基本ともなる条件なので、こうした規定内容を新設改廃するときには市民参加手続を行い、市民がどのような内容の権利を求めているのかなどを十分に考慮することが必要と判断しました。

・規則について
 第1号から第5号までのいずれかに該当する条例等の規定を制定改廃するときは、基本的には必ず市民参加手続を行うことになりますが、中には法令による縛りなどがあって提出された意見を行政活動に反映させる余地がほとんどないものや極めて軽微なものであり市民参加手続を行うまでもないと考えられる場合もあるため、そうしたものは規則で指定し、市民参加手続の対象から除外することとしています。なお、この規則を定めるときは、市民参加推進協議会に付議することとなります。

 
別表2の項について
2市の計画(人事、財政及びもっぱら市の機関内部の事務処理に関する計画を除く。)の策定、改定(規則で定める軽微なものを除く。)又は廃止
 市の機関は、多くの分野で、長期的な政策目標のもとに、その実現を目指して各種の施策を展開していますが、この政策目標とそのための達成手段となる施策のプログラムなどを総合的・網羅的に示したものが「計画」です。計画の策定根拠には、法令に基づくものと市が任意で策定するものがありますが、いずれも市行政の将来のあるべき指針として大切な役割を持つだけでなく、根拠法令と結びついて市民生活を規制する機能を持ったり、その達成のためには市民の理解や協力が必要になるものもあることなどから、基本的に、すべての計画について、その策定改廃をするときは市民参加手続を経ることとしました。
 しかし、市の機関の人事、市の財政及びもっぱら市の機関内部の事務処理に関する計画は、市民の意見を聴くことになじまなかったり、極めて専門的な行政的事項にかかわるなどの特殊要因があるため、例外的に市民参加手続の対象としないこととしました。また、軽微な計画変更などは市民参加手続を行うまでもないと考えられるため、その要件を規則で明示した上で市民参加手続の対象外とすることとしています。
 なお、市の機関内部では、「計画」という言葉がさまざまな意味で使われていますが、例えばその年度に行う施策のスケジュールや予算等をまとめたものや、単一施策についての将来の展開方向を示したものは、「長期性」「施策の総合性」という要素を欠いており、ここでいう計画には含まれません。逆に、「指針」「構想」などという名称のものであっても、これらの要素を持っているものは計画に当たることになります。

 
別表3の項について
3公の施設の設計の概要の決定。ただし、常に市民参加手続を行うことは困難又は不適当であるものとして規則で定める場合を除く。
 公の施設を新たに設置したり、大規模改修をするような場合には、限られた財源を有効に活用するとともに、市民が利用しやすいように施設の内容を定めるという観点から、市民参加手続をする必要があるものと考えました。ただし、施設の利用形態が特殊で市民参加になじまないものや財源制度などの制約により市民意見を反映する余地が小さいと判断されるものについてまで市民参加手続を義務付けることは意味がないと考えられることから、それらは規則で除外することとしています。

 
別表4の項について
4良好な環境の保全その他公益上の必要により行う行政指導の内容となるべき事項の決定又は改廃
 中高層建築物の建築や宅地開発事業などに対して、良好な環境の保全など市民共通の利益を確保する目的で行う行政指導は、法令では容認されている私権の行使の自重を求めるなどの内容となることが多いので、こうした行政指導の内容となるべき事項(一般には指導要綱という形でまとめられることが多い。)を定め、改め、又は廃止する際には、そうした指導等の内容と、それによって得られる公益上のメリットを比較しながら検討することが必要になります。こうした検討を、指導を受ける側の意見と行政指導により利益を得る市民の意見の両方を十分に考慮しながら行うため、市民参加手続の対象とすることとしました。なお、行政指導の中には、申請の審査などを円滑に行う目的で、事前申請や書類の補正、追加提出等を求めるようなものもありますが、こうした行政指導は公益上の必要により行うものではないので、市民参加手続の対象とはなりません。

 
別表5の項について
5次のいずれかに該当する法人に対する出資について定める予算の立案
(1)市の出資の総額がその資本金、基本金等の総額の2分の1以上となることとなる法人
(2)市の出資の総額が規則で定める額を超えることとなる法人
 第三セクターや公益法人のあり方に対して市民の関心が高まっていることから、市がこれらのものに出資という形で関与する際には、それらの法人の必要性や市のかかわりかた、あるいは公金を支出することの是非などを市民の意見も考慮しながら決定することが必要と思われます。このため、市が支配権を持つ法人に対する出資や規則で定める額を超えるような多額の出資を市が行おうとする場合は市民参加手続を行うこととしました。なお、予算についても条例と同様に、通常は、議会の議決が必要になりますが、市民参加手続は市長が議会に提出する予算案の内容を決定する前に行うことになります。また、数次にわたる出資を行った結果、第1号又は第2号に定める要件に該当することとなる場合は、その要件に該当することとなる出資を行うときから市民参加手続の対象となります。

 
別表6の項について
6市の区域に適用される規制(市の条例、規則等に基づくものを除く。)の設定又は改廃に際し、市の機関が権原により行う意見の表明。ただし、市民が意見を述べる機会が別に設けられる場合を除く。
 国や北海道などが市内全域又は市内の相当程度の区域において新たな規制をかけたり、規制の内容を変更したり、規制を撤廃する場合には、利害関係自治体である市の機関がそのことについての意見を提出する場合があります。こうした規制は多くの場合、市民生活や事業活動などに大きな影響を及ぼすので、その意見の内容を決める際に市民参加手続を行うこととしました。ただし、市民がその意見を表明する機会が別途設けられているときは、市民参加手続を行う実益がないことから適用除外としています。なお、「権原により」とは、法令の規定に基づく場合や国等から求められた場合などを指します。
 「規制」とは、ある行為が禁止(又は義務付け)されたり、ある行為をするためには免許、許認可、届出、資格等が必要になるようなことを指します。

 
別表7の項について
7その他市民の関心が高いこと、市民生活に大きな影響があること等の事情により市民参加手続を行う必要があると認められる行政活動
 別表1の項から6の項までは、一般に市民生活に大きな影響を及ぼしたり、市の施策の方向を定めたり、市民の関心が比較的高いと考えられるような行政活動については必ず市民参加手続を行うという考え方で基準を定めていますが、これは市民参加手続を行う場合の最低基準であり、第3の1項に定める原則に照らせば、これらの基準に該当しない行政活動であっても、それに対する市民の関心やそれによる市民生活への影響などに注意を払い、必要があれば積極的に市民の意見を聴くことが必要です。本項は、こうした趣旨を明確にするために設けたものです。