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検討委員会議事録

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年7月31日更新


第3回市民参加制度検討委員会議事要旨(平成12年8月18日 開催)

(主要議題)市民参加を進めるに市が検討すべき施策の大綱

議事

前回の検討委員会で、各委員が条例に盛り込みたいと思う事項をまとめることに決まったことを受け、冒頭で委員が各自の意見を述べた。
  • 小杉委員 前回も話したように市民投票は条例に市民の関心を集めるための目玉である。市民参加条例を制定している箕面市、小長井町も規定している。オンブズマン制度も入れたいが、費用や検討期間の問題もあるので、これは将来の課題ということにして、とりあえず住民投票だけでも石狩市の条例の中に盛りこみたい。
  • 藤原、柏野委員 試案にある最終目的を一番の理念ということで条例を作るべきとの考えで書き連ねた。市民投票についても、代表民主制を補うもので、市民のために持っていたいということで入れた。試案に参加推進協議会というものがあるが、条例が適切に運営されているかを評価する機関がほしいということで、評価機関の設置を入れました。
  • 駒井委員 市民参加の範囲について、前回までにも議論があったが、京都市・箕面市・小長井町・道の状況をみて、より広義に捉えた方がいいと考えた。市民参加がなぜ必要か、市民参加というのはどのようなことなのか、それらが合意に達するまで時間をかけて、3月までに終らせると考えずに、必要ならば時間をかけることも考えに入れて進めて行けたらいい。また、試案の表現は非常に難しいので、文章の表現は分かりやすくしてほしい。代議制の議会は尊重するが、市民投票も良く考え、必要ならば条例に盛り込んでいただきたい。

市民投票の制度化について


  • 佐藤会長 どの程度の市民投票を想定しているのか。規定のある2自治体は、ともに長が必要と認めるとき、必要な手続を別個に条例を作って議会を通さなければ住民投票はできない。この程度だと、条例もつくりやすいし、議会も通りやすいと思う。もっと実効性を追求するなら、何らかの条件で、必ず住民投票をしなければならないとか、こういう場合は住民投票をしてはいけないという決め方もあるが、こうした一般条例は他に例がなく、非常に困難な検討になる。
  • 駒井委員 先の2自治体とは違い、長ではなく、市民が発議する住民投票は無理か。
  • 佐藤会長 地方自治法の規定で有権者の50分の1以上の署名により条例の制定・改廃請求が出来るようになっている。これで住民投票条例の制定を請求すれば、市長は意見を付して議会にかけなければならない。
  • 佐藤(豊)委員 法律で決まっているのなら、それを条例に入れる必要はない。
  • 駒井委員 市民参加条例がなくても、単体の市民投票条例をつくって実施したところはあるものか。
  • 事務局 徳島の吉野川可動堰。
  • 佐藤会長 巻町の原発もそう。
  • 佐藤(豊)委員 南三条通りでは、15年ぐらい前に道路の高さを60cmほど上げたが、現在それを下げる工事をしている。どうして、こんなことになったのか。住民投票のような議論ではなく、市と市民が話し合える機会を作ってほしいというのが、市民参加への私の願い。
  • 佐藤会長 この試案も、市民が行政に対して声を出せるようにしてあり、行政の決定に市民の声を反映することを目指した試案になっている。
  • 樋口委員 条例は、目的があって、それを実現するために定めるのが筋。別に条例を作らなければ住民投票ができないような実効性がない規定を今入れるより、国が制度化するのを待って、その後対応することで十分だと思う。
  • 佐藤会長 確かにこういう規定では象徴的な意味はあるが実効性は高くない。国で制度化するのを待って、市民参加条例とは切り離した単体の条例を定めることになると、また別にいろいろな検討する時間がとれると思う。
  • 小杉委員 結果が来年度出てくるかどうか保証はないのでは。市民には住民投票を望む声が強いと思う。
  • 駒井委員 せっかく先んじて条例を作ろうとしているのだから、市民投票も入れた方がいいと思う。あれば中身を宣伝することで、市民の意識や関心が高まるのでは。
  • 山崎委員 これまでにあるような規定を入れるのはともかく、住民投票について詳細にわたって条例で決めてしまうと、後で法律に抵触するというおそれもある。
  • 藤原委員 行政のややこしさはさて置き、市の考え方を示す意味で入れたい。
  • 樋口委員 ステータスとして住民投票規定を仮に入れたとしても、具体的な部分がないと作った側の意識が逆に問われるのではないか。(具体性のない住民投票のような規定を入れるより)市民参加のために市と市民は何をすべきか、ということを具体的に定めることが重要と思う。
  • 藤原委員 市民投票が盛り込まれているのと、いざ必要なときに条例から作らなければならないような状況を考えると、今盛り込むことに意味がある気がする。
  • 樋口委員 「市長が必要と認める」とき実施する住民投票は市民参加条例とは違う気がする。法律で直接請求ができるのだから必要ないのではないか。実効性のある手続的な条例の方が職員としては嫌なものなので、市民にとってはいい条例とうことになると思う。
  • 野委員 市民投票を否定はしないが、条例に規定する意義などを市民や議会に対して説明するには2行ぐらいの実効性が低い規定では難しいと思う。この条例に住民投票もいれるのか、それとも別枠で条例を定める方向で検討していく方法もあると思う。
  • 佐藤会長 二通りあると思う。先の2自治体のようなものをいれる。市役所の方々は、実効性が伴わないし、真似していれたに過ぎないと言われるのを心配していると思う。議会に提案するときには国の検討との整合性についても理論武装が必要となるが、それも、大変になるかなと思う。条例に実効性を求める立場から考えると、時期をずらして住民投票条例を将来的には作るべきだという提案の仕方もあるということか。
  • 佐藤(豊)委員 住民投票よりも、今石狩をどうするか、市民がどういう形で市と協働できるかというような条例を考えるべきだと思う。
  • 三島委員 2自治体のような盛り込み方でも、それが絵にかいたもちになるかどうかも一般市民にはわからないと思う。だから、こういうこともできるということを示すためにも市民投票が入ったほうがいいのでは。「市長が決める」というのはどうにかならないか。
  • 川中委員 市の機関が関与しない、市民の自主的な投票とか意見の集約の方法は盛り込めないか。単なる意見表明としての効果しか持たないが、何か聞いてもらいたい、意見を表明したいという願いに応えることができるのではないか。
  • 佐藤会長 そのあたりのことは、積極的な市民意識の把握とかパブリックコメントなど意見の聞き方の手続規定も試案にある。住民投票のことは今日結論を出すのではなく、後日に持ち越すこととする。

オンブズマン制度について


  • 佐藤会長 道が、都道府県レベルで最初に条例を作った。苦情処理機関をつくったことによって「たらい回し」を防ぐことになった。実際の運用では、オンブズパーソンが検討した結果は行政のやり方は正しかったというケースが多い。良くなかったやり方の場合は、多くが説明をきちんとしていなかったケース。こういうデータや資料を示して説明することによって、多くの人が納得するという効果がある。
  • 樋口委員 オンブズマンは苦情処理の性格が強く、市民参加とは根本が異なる。

理念的な条例を考える案について


  • 佐藤会長 藤原・柏野委員の考え方は理念的な性格の案だと思うが、条例としては実効性を追求すべきではないか。市長の責務や審議会等の公開については試案のほうが詳細に定めている。試案の手続的部分を規則で定めることをイメージしているが、規則というのは条例と違い、議会も通さずに行政が決めることになるのだから、行政の都合のいいようになってしまうという可能性があるのでは。
  • 藤原委員 私は理念をきちんと打ち出した上で、細かい縛りがその次に出てくるべきだと思うので、理念を前面に出した。
  • 川中委員 おそらくこの案は、規則と条例という法形式にとらわれずに考えたのだと思う。試案のほかの部分を削ってこれだけにしてくださいということではない。
  • 佐藤会長 委員の公募原則を明確にするとか、市民参加推進協議会に評価機能を持たせるというのは指摘のとおりだと思うが、理念については、この試案でも基本理念というところできちんと書いてあるし、前文でも何でこういう条例をつくるか示した上で、(手続に入っていく)構造になっていると思うが。
  • 石黒委員 これは、試案が市民参加の範囲を限定しているところに引っかかるところがあるから、いわば憲法のような全部をカバーする理念中心の条例をまず作り、次に試案のような細かなものを作った方がいいという考えか。
  • 柏野委員 おっしゃるとおり。
  • 佐藤会長 アメリカのチャーターのようなものを自治基本条例として日本でも作ろうという動きがあるが、それには市民参加だけではなくてかなり幅広い自治体運営の基本理念のようなものも含めている。それをつくるとなると、それに対して別に検討が必要になる。市民参加の理念が必要であれば、そういうものがなくても、この試案の理念でかなりの程度入れ込んでいけるのではないかと思う。市民団体への支援については試案で触れていないので、これについては検討したい。
  • 川中委員 市民が政治に参加したがっている。集団的大衆的に意見を表明したいという市民の願いを活かすような条例にする必要があると思う。パートナーとしての市民を強化する必要がある。そして以上を踏まえると、市の責務はパートナーシップ型の市民参加を可能にするために市民をエンパワーメントしてやることではないか。
  • 佐藤会長 試案のなかにも市民参加を行おうとする市民に対する支援や市民意識の啓発などの、市民参加を推進するために必要な施策を総合的に講じること(2-1)や、市民参加手続をより効果的に運営するために調査研究、職員の研修などの措置を講じること(2-3)、さらに市民意見の積極的な把握(2-3)について定めている。また、3-3では、市民参加手続を経て提出された意見は総合的かつ多面的に検討することや市民参加手続を経ないで出された意見であっても条例の理念に合致するものについては手続を経て出された意見に準じて扱うように努めなければならないなどとしている。これらは理念やパートナーシップということを意識していると思うが、こういう内容では足りないということか。
  • 藤原委員 手続を経た人というのが強調されている。言葉づかいから、お上的な発想が感じられる。だから、市民と行政が対等な立場でやっていくというのが感じられない。
  • 佐藤会長 研究班は市役所側の責任放棄を出さないようにした。協働・協力、パートナーシップを強調し過ぎると原則がかすむと考えた。行政は、(最終的に)市長の判断に従って責任を持って行政を運営して行かなければならない。その部分を放棄するわけにはいかないだろう。市民の意見を当然聞きながら、なおかつ市民参加を広めていかなければならないことを意識している。
     市と市民が協働するということが決して無視されているわけではないが、支援に努めるという部分を、具体的にこの条文の中に入れるということであれば、それは一つの意見としてわかる。
  • 柏野委員 市民参加という言葉を聞いたときのイメージはやはり大事にしていかければということとで、最終目的を中心にして考えた案をつくった。
  • 川中委員 具体的な実効性が期待できる範囲で目的を設定するか、ピュアに目的を掲げていけば、そこに到達できるというその市民の確信を信頼するか。両方の立場が分かるだけに苦しいところ。
  • 野委員 試案が、行政の問題提起に市民が答えるというトーンで構成されている点は気になる。また、市民の取り組みに対する市の支援というのはやはり必要ではないかという気はする。それをどう条例の中に取り込んでいくかとなると、理念条例をつくり、そののち具体的な縛りをかけていくというような組み立てが自然というイメージを持っている。市民が行政の支援を受けずに自主的に活動することについて条例で規定するとすれば、理念的にならざるを得ない。
  • 佐藤会長 柏野さんの意見は、まちづくり基本条例をつくるというイメージ。こうしたものは石狩にはない。他の自治体でもようやくそういうものを作ろうという動きが出てきた段階。
  • 野委員 現在、石狩には審議会に市民を入れる単品の規則や条例があるが、それを束ねるという意味でも基本条例は必要という意識を、個人的には持っている。
  • 柏野委員 箕面市では最初にまちづくり理念条例があった。石狩はまちづくりの理念がぽかんと空いている。
  • 野委員 この機会にそれを埋められないかなという気持ちも多少はあるが、ただ理念だけだと、空回りになってしまう。その組み立てをしていかなくてはいけない。そういう意味では、今の条例の素案というのは非常にまとまっていて、市役所の職員から見てかなり厄介な仕掛けになっているという印象を受けた。
  • 佐藤会長 市役所の中で試案どおりにをやるぞと言われたら、相当数の職員は「ちょっと」という印象を持つのでないか。インターネットで既に公表されているが、市民参加をやろうと思っている行政のプロたちにとっては、これはすごいことやれそうだと思って見られていることは間違いない。
  • 三島委員 試案がきちんと条例として生きてくると、市民が参加するとかしないとかということを行政が一方的に決められなくなるということだが、市民側がそれを自覚しなければ、幾ら行政がいってもだめということか。
  • 佐藤会長 意見をいう途は開かれるが、意見を言う言わないは市民の自由。体系としては、自治基本条例のようなものがあって、その下に情報公開条例、市民参加条例とか住民投票条例やオンブズマン条例がぶらさがる形が一番良いと思う。ただ、今は「市民参加」という個別条例を先に作ろうとしているのであって、これができれば自治基本条例はルール化された方法での市民参加のもとで作られることになる。

駒井案について


  • 佐藤会長 試案では行政の立案段階への市民参加に留まっているが、これでは物足りないということだと思う。決定の過程に市民が参加していれば、(直接規定していなくても)執行段階でも関わらざるを得ないのではないかとも思うが、そこをどう評価するかということか。時間をかけるというのは非常に大切で、プロセスをきちんと踏んでというのは非常に大切なことだろうと思うが、どれぐらいを目処にするか。余り時間をかけ過ぎると、こんな立派な試案をつくったのにどうなっているのだというふうにもなりかねない。恐らく役所側からすれば、この条例の絶対の必要性というのはない。だから延びても構わない。それと、文章表現の問題だが、これも確かに条例をつくるかのようにかなり細かい言葉遣いにまで気を使ってつくった側面があるので、できるだけ簡単なわかりやすい言葉遣いで条例をつくっていくということは大事なことだと思う。

市民参加を進めるために市が検討すべき施策の大綱


  • 事務局 試案の2の説明。
  • 佐藤会長 アメリカでは、市民教育というのは力をかなり入れている。そうしないと、市民参加は進まないという自覚のもとにやっている。市役所が関与しない基金を作り、そこに民間企業が寄附をして、市民参加教育を行ったりしているところもある。この試案の中では余り触れられていないが、いわゆる企業の参加も視野に入れてもいいのかなと思う。試案は行政への市民参加を限定し、その論理を貫徹させようという考え方で作ったので、手続条例的な印象が強いが、2の部分は手続だけでは拾えない部分を規定している。だからここは広い意味での市民参加もカバーしていると思う。
  • 石黒委員 確かに試案は行政参加の側面では考えうる最先端と言えるが、市民参加の範囲を限定している点が、それぞれの不満や疑問の出発点であり、帰結点だという気がする。
  • 駒井委員 試案では「市民参加とは執行機関に対して意見を表明することをいう」という枠がある。説明の中では、もっと広い意味で考えているし、ゆくゆくはパートナーシップを確立するために見直しをかけていき、認識としては市民参加を広い意味でとらえているのだとしているが、文章を見るとこの条例での市民参加の枠は、これ以上広がらないといような印象を持つ。
  • 佐藤会長 法律とか条例の条文をつくるときの常套手段としては、「この条例の中でこの言葉を使うときにはこういう意味で使う」というふうに定義する。法構成上、ここで言う市民参加というのは何かというのは限定しておかないといけないという意識が(事務局に)あったと思う。しかし、彼らがそれだけが市民参加だというふうに考えてないということは、「初めに」の部分をよく読んでいただけるとわかると思う。
     究極の目的というのは、まさに自治基本条例のようなもので、みんなが参加して石狩市をよくしていこうということ。そのワンステップとして行政を縛っていくものをつくるということを意識した。条例というのは、市民も従うが、むしろ市役所の活動に縛りをかける意味がある。
  • 駒井委員 最終的な到達点としての地域づくり参加の実情も視野に入れるというふうに書いているが、これが条例の中のどこにあらわれているのか。
  • 佐藤会長 総則的事項の最終目的に書いてある。
  • 石黒委員 さっき会長が指摘されましたが、市民の意見、どういう意見であっても、それが1人から出たものでも、それをきちんと検討して、または出せる機会をちゃんと用意し、出てきたものについてもきちんと検討し、その結果どうなったかを出すとかいちいち決めているというのは、その理念の現われかと思う。
  • 駒井委員 全部読むと手続の中に丁寧に盛り込んでいるということが分かるが、やはり最初にその姿勢を打ち出しておくということが何かいいのでないかなと思ってしまう。
  • 事務局 つくった側としては、前文の後ろから二つ目の○に行政参加を通して地域づくり参加を実現させていきたいという思いを込めたつもりではある。ほかに2の目的の最終目的のところ、そして8ページ、基本理念の(3)、このあたりは直接的に書いた。
  • 佐藤会長 手続から抜けそうなところを、2のところで積極的にむしろ市民参加を進めるような方策もやっていくという構造にはなっている。
  • 川中委員 もうある程度地域づくりを推進している人たちを生かすコーディネーション能力を条例が持つ必要があるのでは。実施の部分、実行の部分まで協働していくような社会が世界中でごく普通に行われているときに、日本社会、石狩市の中はどうしたらいいのかというイメージで考えてみると、この施策がもう一つ広げられる気がする。
  • 佐藤会長 今民間と政府、市役所も含めて、政府が協働して何かを行うということが日本では存在しないかというと、決してそうではないと思う。町内会というのはかなりの程度行政に協力して、ほかの国だったら、税金払っているのだから役所がやるようなことまで引き受けてやったりしている。そう考えると、下地は多分あるのでないかと思う。

その他


  • 次回、9月14日金曜日18時から。