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令和2年度 市政執行方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年2月25日更新

 

 

令和2年度市政執行方針

 

令和2年度市政執行方針
令和2年2月25日(火曜日)
令和2年第1回石狩市議会定例会

令和2年第1回石狩市議会定例会の開会に当たり、市政運営の基本的な考え方と施策の大要を申し上げます。

はじめに

財務省が先月23日に発表した2019年の貿易統計速報によると、

輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、1兆6,438億円の赤字でした。米中貿易摩擦の長期化により、中国向けなどの輸出が減少したことが響き、年間での貿易赤字は2年連続となりました。

 政府の2020年度一般会計予算案は、2年連続で100兆円を超え、高齢化に伴う医療や介護費用の増加に加え、消費税の増収分を活用した高等教育無償化費用などが新たに計上され、社会保障関係費は5.1%増と大きく伸びております。一方で、消費税増税後の景気悪化を防ぐ観点から歳出圧力が高まり、一般会計における基礎的財政収支(プライマリーバランス)は、当初予算ベースで3年ぶりに悪化に転じるなど、消費税を増税しても収支は改善されない事態となっております。

2019年に国内で出生した、日本国籍の子どもの数が86万4000人と、1899年の統計開始以来、初めて90万人を割り込む見通しとなり、死亡数は137万6,000人と戦後最多で、自然減は51万2,000人と初めて50万人を超えました。

 「少子高齢化の流れに歯止めをかけ、誰もが家庭、職場、地域、それぞれの場で充実した生活を送ることができる社会を創り上げるとともに、50年後も人口1億人を維持すること」を目指し、昨年4月より働き方改革関連法案の一部が施行されましたが、急速に進む少子化は長期的には本市だけでなく、わが国にとって最大の国難となることに間違いありません。

新年度における地方財政対策について、国は必要な一般財源の確保と臨時財政対策債の抑制を行い、地方財政全体の健全化に資する方策を講じたところであります。

本市におきましても、旺盛な企業活動に支えられて、引き続き市税の伸びは堅調に推移するものと見込んでおりますが、多様化する市民ニーズや、近年発生している災害などの突発的な事案にも対応するためには、安定した財政基盤が不可欠であり、今後も財政規律を踏まえた堅実な行政運営が必要であることに変わりありません。

こうした点を踏まえ、収支バランスを確保しつつ、新しい時代に対応すべく、各分野における行政課題への迅速かつ的確な対応を行うため、新規50事業を盛り込んだ「新しい時代を切り拓く未来予算」を編成しました。

 以上を踏まえ、令和2年度の行政執行にかかる基本的な考え方と主要な事業について申し上げます。

(1) 石狩の未来を担う子ども施策の展開

 急激な少子高齢化により、家庭や地域を取り巻く環境が大きく変化する中、次代を担う子どもが健やかに生まれ、育まれるためにも、子育て世代が希望を持ち、将来にわたってこの石狩の地で安心して暮らせることが肝要です。

 本市の人口増加を図るためには定住人口の維持とともに、新たな居住者を本市に誘導することが不可欠であることから、本年度に引き続き、空家購入助成を通じて子育て世代や市外からの転入者への助成、新婚世帯への支援などの施策を展開することで、現役世代の移住・定住を促進して参ります。

 子ども医療費については、医療機関への受診機会が経済面などの社会的環境によって抑制されることのないよう、早期治療の促進と心身の健全な育成に資する環境を整えていくため、通院にかかる医療費助成を小学6年生まで拡充し、中学生の入院助成については受給に関する保護者の所得制限を撤廃いたします。

 妊産婦支援の観点からは、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を強化するため、産後間もない産婦の育児不安や体調確認を行うことで、産後うつ予防や新生児への虐待防止を図り、子育て世代の包括的な支援を充実して参ります。

 また、子どもの居場所対策として、これまで検討を進めてきた「(仮称)ふれあいの杜子ども館」の実施設計に着手するほか、増え続ける保育需要に対しましては、人材の確保の観点から、新たに就職奨励金の交付や、保育業務の負担を軽減するための支援者を配置することで、保育士の就労環境を整備して参ります。

 こうした総合的な子ども・子育て支援を家庭、地域、事業者と一体となって推進することにより、新年度からスタートする「子どもビジョン」が目指す「子どもの権利を尊重し、子育ち子育てを地域全体で見守り支え合うまち」の実現を目指して参りたいと存じます。

(2) 豊富な自然資源を活用したまちづくり

 優れた自然環境を有する本市において、海や川、山や森といった自然環境は、市民の大切な財産の一つです。

 これらを地域資源として有効に活用するため、石狩市全域で自然環境調査を引き続き実施して参ります。

 自然環境情報については、観光案内への利用や、海浜植物等の保護に向けた活用、厚田区においては道の駅を核とした周遊プログラムの検討、浜益区においては環境資源を活かした地域づくりの取組などに活用して参ります。

 本市における環境の保全および創造に関する施策を、総合的かつ計画的に進めるため、現行の「第2次石狩市環境基本計画」の成果目標の達成状況を検証・評価するとともに、SDGs(持続可能な開発目標)や国の方針および社会情勢の変化等を踏まえ「第3次石狩市環境基本計画」を策定いたします。

 開業3年目を迎える道の駅石狩「あいろーど厚田」は、100万人を超えるお客さまに足を運んでいただいております。石狩湾が一望でき、海と潮風を感じる開放的な展望デッキから見る、日本海に沈みゆく夕日の美しさは絶景の一言に尽きます。

 こうした景観を楽しみに来館されるお客さまや、地域の皆さまに対して、道の駅を核とした石狩北部地域観光のさらなる充実、また広域周遊促進を図るため、魅力をPRするイベントを開催するほか、あいろーどパーク内の厚田キャンプ場の遊具更新等、地域力を活かした「着地型観光」の開発に向けた事業展開を着実に進めて参ります。

 また、北海道の雄大な自然景観を求めて、国内外からサイクルツーリストが多数来道しておりますことから、自転車が安全で快適に走行できる通行空間の確保や、受け入れ環境の充実に向けた整備を引き続き進めて参ります。

 内在する自然資源を掘り起こし、集客施設や着地型観光と有機的に結びつけることにより、本市のさらなる魅力発掘を取り進めて参りたいと存じます。

(3) 石狩湾新港の播種的政策

 石狩湾新港地域は、北海道を代表する産業拠点として、物流やエネルギー供給の拠点的な役割を担うと同時に、産業の集積に伴い、ヒトやモノ、さらに情報が行き交い、新たな産業の創出も期待される北海道経済の推進力を有しております。

 石狩湾新港地域の未来に向け、新たな種を播く施策の一つとして、現在、この地域に集積が進む再生可能エネルギー(再エネ)を地域経済の活力として取り込むことを目的とした事業を推進しております。地域内の一部エリアに、全量再エネを供給することを可能とするRE100ゾーンの創出、さらに、この取組を港湾や厚田地区などその他の場所において、再エネを活用した電力供給の仕組み構築を目指した事業を引き続き進めて参ります。

 2015年に国連が採択したSDGs(持続可能な開発目標)の目標達成に向け、近年は企業においても、環境、社会、ガバナンスを意識したESG投資の規模が増大しております。

 世界経済においても大きな時代の潮流となっていることを踏まえ、再エネの活用ができる仕組みの構築を通じた企業誘致を展開し、再エネの地産地消を進めることはもとより、地域内において新たなビジネスモデルの創出、また、自立・分散型の社会を形成し地域資源等を補完し支え合う「石狩版地域循環共生圏」を創造し、社会的課題の解決と経済発展を両立する「Society5.0」の実現を目指して参ります。

 また、本市経済の持続的な成長の実現には、本市の努力のみならず、民間の取組が不可欠です。地域の働きやすい環境づくりと雇用確保のため、公共交通による通勤手段の確保に向けた実証実験を行うとともに、産業空間としてさらなる進化を図るため、再エネなどの地域の個性を活かし、企業などの事業環境を整えることによって投資を促します。また、地域企業のさらなる成長に向けたイノベーションの喚起など、生産性の向上、さらに企業収益の拡大などにつなげ、民需を中心とした地域活力にあふれる石狩らしい「民需主導の持続的な経済成長の実現」につなげて参ります。

(4) 共生・協働社会の構築

 誰もが、住み慣れた地域で互いに支え合い、その人らしく心豊かに安心して暮らし続けることができる社会の実現が、共生のまちづくりを進めていくための一歩となります。

 本年、「北海道障がい者スポーツ大会」と「全道ろうあ者夏季体育大会」の競技の一部を本市において開催します。

 これらの大会を通じて、障がい者スポーツの振興や、障がい者の社会参加の促進を図るとともに、障がいのある人もない人も、全ての人が助け合いながら、互いの個性を尊重することにより、真の共生社会の実現を引き続き目指して参ります。

 石狩市の在住外国人は増加傾向にあり、日本語によるコミュニケーションが困難な方も少なくない状況です。

 その中で、在住外国人を「地域でともに暮らす隣人」として受け入れるべく、地域のイベントに招き、日本の文化に触れていただきながら交流するなど、共生社会の構築に自ら取り組む地域もあります。

 一方で、生産年齢人口の減少による深刻な働き手の不足を背景に、石狩湾新港地域で操業する企業を中心に、外国人労働者の受け入れに高い関心を示していることから、就労実態に関する調査を進めて参ります。

 また、過疎地域における福祉事業の人材確保が喫緊の課題となっていることから、事業者が新たに雇用する従業員にかかる経費や外国人技能実習生受け入れ経費の一部助成を行い、地域福祉を担う人材の確保に努めて参ります。

 さらに、外国語による情報ニーズに対応するため、在住外国人などが必要な情報をタイムリーに入手できる配信媒体として、多言語ユニバーサル情報配信を導入し、市政情報の発信力強化を図って参ります

 ひきこもり支援については、深刻化する「8050問題」に対応するため、「(仮称)石狩市ひきこもりサポートセンター」を開設し、若者世代のみならず、中高年のひきこもり状態にある方についても支援を拡大し、居場所支援の継続と、ひきこもり家庭を対象とした相談会を実施するなど、市民の皆さまから相談しやすいセンター機能を拡充して参ります。

 近年、高齢化や人口減少が進む一方で、都市化の進展や個人主義の台頭により、地域、家庭、職場といった生活領域における支え合いの基盤が弱まってきております。

 地域に住む人々がそれぞれの領域を超えて密接につながり、地域社会全体を支えていくことが、これまでにも増して重要となってきます。  

 誰もが社会に参加でき、自分らしく生きていくことのできる全員参加型の社会構築を目指し、「第4次石狩市地域福祉計画」に基づき、地域力を活かしながら、生活困窮者の自立支援施策や地域包括支援センターの強化等、地域福祉施策を推進して参ります。

(5) 健康づくりに関心を持つまちづくり

近年の高齢化の進行により、社会保障費は増加の一途をたどっております。国民健康保険事業に関しては広域化によるスケールメリットを活かし、新年度の税率は現行水準を保てる見込みとなっております。今後においても、医療費の適正化を図るためには「病気の予防」に向けた健康づくりを一人ひとり心がけることが大切です。

健康は人生の全ての基盤です。

人生100年時代となり、心身ともに豊かに暮らすには、いかに健康寿命を延ばすかが重要となります。

運動指導等による支援により無理なく運動することを習慣化し、もって健康を増進し、怪我や病気の予防対策に対する取組を進めて参ります。

「スポーツ」は誰もが楽しむことができるように、ルールが変更され作り出されてきた背景がありますことから、多くの方が参加でき、楽しみながら生涯にわたってスポーツに親しめる環境づくりが大切です。

「スポーツ・健康都市宣言」のまちとして、市民一人ひとりが健康づくりに取り組み、明るく豊かで活力あるまちづくりを進めて参ります。

 また、昨年12月以降、中華人民共和国湖北省武漢市において発見された新型コロナウイルス感染症に関しましては、各関係機関と連携を密にし、正確な情報を速やかに発信して参りたいと存じます。

(6) 社会資産の有効活用と新たな公共的空間の整備

 1970年代以降の急速な経済成長に併せ、集中的に整備された道路、橋りょう、公園などの社会資本ストックは老朽化が進んでおり、適正に維持管理更新することが求められております。

 道路に関しましては、将来にわたり安全・安心な道路網の確保を目的とした整備と、花川南地区の舗装補修や道路橋長寿命化のための橋りょう補修を戦略的に実施して参ります。

 また、公園に関しましても老朽化の著しい木製遊具の改築を優先して行い、公園施設の長寿命化を図るとともに、安定した都市基盤の整備に努めて参ります。

 統廃合後の空校舎や用途廃止した公共施設については、地域住民との充分なコンセンサスを踏まえ、有効活用を視野に検討を進めて参ります。

 また、厚田区・浜益区につきましては、居住環境向上のため、民間が建設・運営するアパート整備を支援し、定住促進や地域の雇用環境の改善を図って参ります。

 人口減少社会において、空家、空地、所有者不明土地などの問題は本市においても顕在化しており、今後も増加が見込まれる空家などを有効活用することは、人口減少の抑制に効果があると考えております。市内に点在する所有者不明の「危険な空家」や「その予備軍」が建つ土地について、官民連携した事業スキームを確立し、建て替えを進めて参ります。

 そのためには、住宅購入希望者が空家を安心して購入できる環境整備を目的に、更地化した土地または大幅リニューアルした空家の販売を行う事業者に対しての補助制度を創設し、既存の移住・定住促進補助制度との連携を図ることにより、全国的にみても極めて先進性の高い「空家宝化プロジェクト事業」を取り進めて参ります。

 こうした資本ストックに対する公共投資については「ワイズスペンディング(賢い支出)」の考え方を重視しつつ、生産性の向上や民間投資の誘発、雇用の増加などストック効果が最大限発揮されるよう必要な社会資本整備を進め、住民の安全・安心、生活の質の向上につなげて参りたいと存じます。

(7) 一次産業の推進

 わが国の一次産業は、働き手の高齢化や後継者不足が依然として深刻な状況にあり、本市においても農家数の減少と高齢化は、確実に進んでおり、抜本的な改革と担い手の確保は喫緊の課題となっております。

 新規就農者の積極的な受け入れに向け、農業協同組合と連携し、就農参入予定者の研修期間中の支援に取り組むとともに、「第4期石狩市農業振興計画」に基づき、ICTを活用したスマート農業の推進を図りながら、さらなる農業発展と地域活性化を目指して参ります。

 南北に約80キロメートルに及ぶ海岸線を有する本市において、漁業は古くから営まれた基幹産業であります。しかし、近年は秋サケ定置網漁での漁獲量の低迷や、ニシンの価格が低下傾向になるなど、漁業経営は不安定な状況が続いております。こうした水産業を取り巻く環境の変化に対応するため、「第2次石狩市漁業振興計画」に基づき、限りある水産資源を守り育てる資源管理型栽培漁業を基本に、より一層「つくり育てる」漁業を推進することが重要となっております。

 漁業経営の安定化に向けた取組として、水産物の鮮度向上と作業の効率化を図るため、自動施氷機器の導入を支援するなど、石狩湾漁業協同組合との連携を強化して参ります。

 国は自由貿易を進めるために経済連携協定を結び、次々と発効しております。これらの協定は農林水産業を基幹産業とする北海道に深刻な影響を与えるものと危惧されております。本市としても、次代を担う労働力確保に向けた努力をしながら、北海道市長会を通じ本道農林水産業の振興・体質強化に万全を期するよう引き続き要請を続けて参りたいと存じます。

(8) 災害に強いまちづくり

 阪神・淡路、東日本といった二つの大震災や北海道胆振東部地震の発生、相次いで上陸・接近した台風により、大規模災害が頻発した平成の30年間は「災害の時代」といっても過言ではありません。

 これら自然災害は国内や道内に甚大な被害をもたらし、その都度さまざまな対策を講じてはいるものの、復旧・復興には長い時間を要します。災害発生時には、とにかく人命を守ることを最優先としなければなりません。また一方で、経済社会への被害が致命的なものにならず、迅速に回復する「強さとしなやかさ」を備えたシステムを平時から構築し、継続的な対策に取り組んでいく必要があります。

 一昨年に発生した北海道胆振東部地震とそれに伴うブラックアウトは記憶に新しいところであり、自然災害はどこでも起こりうることを念頭に、一層の緊張感を持って災害に備えなければなりません。

 そのため、本市における災害対策上の重要な公共施設である本庁舎の停電対策として、非常用自家用発電装置の更新と燃料備蓄タンクの整備を行うとともに、指定緊急避難場所標識の更新や指定避難所の生活環境の向上に資する防災備蓄品の整備を進めて参ります。

 災害に伴い発生する廃棄物につきましては、適正かつ円滑・迅速に処理するため、国が定める指針に基づき、「災害廃棄物処理計画」を策定して参ります。

 また、多様化・複雑化する災害への対応や市民の安心・安全を守るため、消防署に配備されている大型水槽車や、高度な救急救命処置を施す上で欠かすことができない高規格救急自動車を更新整備します。災害に強い地域づくりを目的として、厚田地区をモデル地域として小規模な集落におけるマイクログリッドを形成し、再エネの地産地消による、新たな電力供給モデルの構築について引き続き検討して参ります。

 事前防災・減災と、迅速な復旧・復興に資する施策を総合的・計画的に実施し、市民や本市を訪れる方々の生命と財産を守り、社会経済社会活動を安全に営むことができるよう、国土強靭化基本法に基づき、強靭な地域づくりを推進するための計画を策定し、本市のレジリエンスを高めて参りたいと存じます。

おわりに

 本年は、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。

 日本で夏季オリンピックが開催されるのは、1964年東京オリンピック以来56年ぶりとなります。前回大会での聖火は、ヤンゴン、バンコク、クアラルンプール、マニラ、香港、台北、そして返還前の沖縄を回って日本にやってきました。

 太平洋戦争で戦場になり、多くの尊い命が犠牲になった地を巡って日本に到着したのです。

 この時最終ランナーを務めたのは、広島への原爆投下の日に生まれた19歳の少年でした。

 あれから56年、日本を取り巻く状況は大きく変わりました。

 公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、「全員が自己ベスト」、「多様性と調和」、「未来への継承」の3点をコンセプトとして掲げ「スポーツには世界と未来を変える力がある」と謳っています。

 本市におきましても、東京パラリンピック聖火の採火式を8月14日に行う予定となっております。

 東京2020大会におけるパラリンピック聖火リレーのコンセプトは「Share your Light ~あなたは、きっと、誰かの光だ~」です。このコンセプトは、パラリンピック聖火リレーを通じて、社会の中で誰かの光(人)が集まり、出会うことで、共生社会を照らす力としよう、という想いを表現しています。

 本市ではこれまで、平成25年12月に全国の市町村で初となる「石狩市手話に関する基本条例」を制定するなど、共生社会構築に向けた取組を進めてきました。昨年10月には「第10回ジャパンカップ・デフ・ソフトボール北海道大会」を開催し、会場にお越しいただいた多くの方が手話で交流している様子は、これまで進めてきた共生社会の構築に向けた確実な歩みを感じることができました。

これまでの共生社会構築に向けた取組の中で、「人」と「人」のつながりが、大きな力を生むことを、あらためて深く学びました。

 私たちが目指すまちづくりは、行政だけでは決して成しえません。重要なのはコミュニティー、そして地域力です。市民、企業や団体、職員を含めて地域社会の中で各々が各々の役割を果たし、共通の目標に向かって連携・協働することで、より良いまちづくりが実現すると考えております。

 今後、待ち受けるさまざまな課題に関して、果敢に取り組み、市民の皆さまと、持続可能な未来を築き上げて参りたいと存じます。以上、令和2年度の市政運営の基本的な考え方や、主要な施策について説明させていただきました。市民の皆さま、ならびに議員各位のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。