令和8年度 市政執行方針

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ページID 1003722  更新日 2026年2月19日

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令和8年度市政執行方針
令和8年2月19日(木曜日)
令和8年第1回石狩市議会定例会

令和8年第1回石狩市議会定例会の開会に当たり、市政運営の基本的な考え方と施策の大要を申し上げます。

はじめに

 我が国においては、安定的な物価上昇とそれを上回る持続的な賃金上昇が実現する成長型経済への転換を図るため、責任ある積極財政の下、暮らしの安全・安心を確保するとともに、雇用と所得を増やし、潜在成長力を引き上げ、強い経済を実現していくとしています。

 また、昨年11月には、生活の安全保障・物価高への対応をはじめとする3つの柱を掲げた総合経済対策を策定し、その裏付けとなる令和7年度補正予算を迅速かつ着実に執行し、物価高への対応を図るなど、総合経済対策の効果を広く波及させるとしています。

 本市においては、人口減少や地域公共交通の課題、賃上げ・物価高に伴う影響など、市民生活や企業活動を取り巻く環境変化や社会変容に対応するための施策を推進していく必要があります。

 本市における物価高対策としましては、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、速やかに市民や事業者の支援を行うため、昨年12月の第3回臨時会における補正予算により、プレミアム付商品券の発行、水道の基本料金4か月無償化、保育施設等や地域公共交通事業者への支援など20項目の事業を実施してまいります。

 昨年は、本市がビジネスと観光の拠点として高い潜在能力を有している点が評価され、10月に長期滞在型ホテルが花川地区に開業されました。また、12月には、花川通の延伸区間が供用開始となりました。この開通により、札幌市と石狩湾新港地域のアクセスが強化され、渋滞緩和や物流の効率化など、経済活動を支える交通基盤の強化が図られます。

 近年、生成AIの普及や通信トラフィックの増加に伴い、データセンターの需要が急速に拡大しております。本市では、再生可能エネルギー電源の近接地にデータセンターが立地しています。このことは、国が進めるワット・ビット連携や地方拠点型データセンターのモデルケースとされており、企業と行政が連携した先駆的な取組として、広く注目を集めております。

 令和8年度一般会計予算の総額は388億円、前年度対比2.3パーセントの減となりましたが、令和7年度当初予算における特殊要素である花川地区のホテル開業に伴う貸付金を除いた場合は、前年度対比プラス2.0パーセント、7億5,000万円の増となります。

 市税収入は、個人市民税、固定資産税等の増加により、107億円を超え、前年度対比プラス3.6パーセント、3億7,000万円の増となり、昨年に引き続き、7年連続で過去最大を更新することとなりました。

 一方で、賃金上昇や物価高などに伴う人件費・扶助費などの義務的経費や、施設の維持管理費といった経常経費の増加が続いているとともに、社会インフラの計画的・重点的な整備に伴い、今後、経常収支への影響や将来負担の増加が見込まれることから、引き続き、市民サービスの向上と健全財政の保持を念頭に、持続可能な市政運営に当たってまいります。

 次に、令和8年度市政執行に係る基本的な考え方と主要な事業について申し上げます。

こどもまんなかまちづくり

 こどもが将来にわたり安心して過ごせる社会を目指し、こどもにとって大切な権利が守られ、自分らしく健やかに成長できるための環境をつくっていくとともに、子育て支援、ひとり親家庭支援、保育、教育の充実を図ることが重要です。

 こどもの権利を保障するため、権利の普及啓発、権利救済、意見表明や参加などの取組を実施してまいります。

 本年4月、浜益に小中一貫教育を行う義務教育学校と保育園を併設した総合的な教育・保育施設を新たに開設いたします。はまます保育園を小規模保育事業所に移行し、0歳児からの保育を開始するなど、保育の充実を図ってまいります。あわせて、妊娠期から子育て期まで切れ目のない包括的な相談体制を強化するため、児童福祉機能と母子保健機能を統合したこども家庭センターを開設し、支援の相乗効果を高めてまいります。

 全てのこどもの育ちを応援し、良質な成育環境を整備するとともに、全ての子育て家庭に対して、多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形での支援を強化するため、3歳未満の未就園児を対象に令和7年度からモデル事業として実施している「こども誰でも通園制度」については、受け入れる認定こども園を拡大して本格実施するほか、厚田と浜益におけるこどもの健全育成を図るため、地域住民が運営の担い手として中心的な役割を果たす子どもの居場所を整備・運営してまいります。また、保護者の経済的負担の軽減を図るため、訪問看護に係る利用者の自己負担額を新たに無償化し、子ども医療費助成制度の拡充を図ります。

 さらに、生活の安定と自立の促進につなげるため、児童扶養手当の受給者等を対象に、所得向上や生活改善に向けたセミナーを実施し、ひとり親家庭の支援をしてまいります。

 教育環境につきましても、学校校舎や体育館の改修、中学校や公民館の冷房設備の整備、不登校児童生徒支援の充実、小学校の給食費を無償とすることなどを進めてまいります。

 これらの取組により、こどもの権利の保障、子育て支援、ひとり親家庭支援、教育施策を充実させ、こどもまんなかまちづくりを推進してまいりたいと存じます。

脱炭素で拓く地域創生

 国の第7次エネルギー基本計画において、DXやGXの進展に伴い電力需要の増加が見込まれる中、再生可能エネルギーなどの脱炭素電源の拡大を図り、活用していくことが必要不可欠とされています。再生可能エネルギーは、地域との共生や国民負担の抑制を図りながら最大限の導入を促すとされており、特に洋上風力発電については、再生可能エネルギーの主力電源化に向けて大きく期待されているところです。

 海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律に基づき、本年2月6日、経済産業省などにより「北海道石狩市沖における協議会」が組織されました。本市は、促進区域の指定に向けた協議に参画し、地域との共生として、漁業との共存はもとより、再生可能エネルギーの地域活用や産業振興など、地域の将来像について広範な議論を重ねてまいります。

 また、石狩市沖における洋上風力発電事業は長期で多岐にわたるフェーズが存在し、地元企業にとって大きなビジネスチャンスになることが期待されます。この好機を逃すことなく、地元企業が洋上風力関連産業への参入を実現できるよう、関連産業とのマッチングや対外的な情報発信などの支援を行ってまいります。

 市役所本庁舎をはじめとした周辺5つの公共施設において、太陽光発電設備を設置して、自家消費するとともに、不足する電力についても市内の再生可能エネルギーを活用する「再エネの地産地活」を進めることで、各施設が利用する電力分のCO2排出量をゼロにします。さらに、そのうち3施設間に自営線及び蓄電池を整備し、施設間の電力融通を可能とするマイクログリッドを構築することにより、再生可能エネルギーの有効活用と停電時におけるエネルギー供給の強靭化につなげてまいります。

 石狩湾新港地域における、REゾーンへの再生可能エネルギーの地域供給を実現するため、引き続き、再生可能エネルギーの設備を整備する事業者を支援し、REゾーン内の脱炭素化に向けた取組を推進してまいります。

 本市は、再生可能エネルギーの地産地活をはじめ、地域のエネルギーマネジメントなどを目的としたプラットフォーマーとしての事業展開を視野に、石狩地域エネルギー合同会社へ参画しており、合同会社の新たな役割やその具現化に向けた課題を整理し、再生可能エネルギーの地産地活の高度化に向けた検討を進めてまいります。

 これらの取組により、地域の脱炭素化を実現し、脱炭素を地域の新たな付加価値とした産業集積を図り、活力ある地域社会を形成してまいりたいと存じます。

自治体DXによる行政サービス改革

 住民のライフスタイルや行政サービスへのニーズが多様化する中、行政手続のオンライン化を着実に推進するとともに、住民と行政の接点となるフロントヤードを総合的に見直し、自治体内で保有する情報の連携や活用により、市民目線に立った利便性の改善を確実に進めていくことが重要です。

 行政手続の簡素化として、市役所の来庁者が申請書類を記載する際の負担の軽減を図るため、必要な仕組みや運用方法、庁内体制を確立し、各種証明書の発行や届出等の手続を円滑に行うことができる「書かない窓口」の導入を実現してまいります。

 また、行政機関が保有するデータを複数のシステムで利用可能にする情報連携基盤を整備し、デジタルの力で、支援を必要とする方へ必要な情報が届く行政サービスを確立してまいります。具体的には、「いしかりっ子の未来応援ギフト」について、市からのプッシュ型通知を活用し、対象となる市民へ個別に案内・給付に関する情報をお知らせすることで、申請の手間や見落としの防止につなげ、適切な行政サービスの提供を進めてまいります。さらに、プッシュ型通知による行政サービスの対象項目についても、拡大を図ってまいります。

 これらの取組により、行政サービスの利便性向上と業務の効率化を同時に進め、DXによる行政サービス改革を順次進めてまいりたいと存じます。

まちなかふれあい拠点づくり

 市役所本庁舎周辺におけるふれあい拠点施設の検討において、新たな市民のふれあいや交流を生み出す都市機能として求められるのは、文化ホールであり、これを軸とした整備の検討を引き続き進めていくとともに、適切な事業規模、事業費及び財源等を検討し、その具体的な内容を取りまとめ、基本構想を策定してまいります。

 今後も、市教育委員会などとの連携を図り、広く市民の方々の声をお聴きするとともに、文化団体などの関係者と議論を深めながら、本市にふさわしいふれあい拠点施設の実現に向けて取組を進めてまいりたいと存じます。

次世代へ続く地域社会

 本市における地域課題は、人口減少、高齢化、交通、産業の担い手不足など複雑化・多様化しています。本市の経済、社会、これらを支える人材を最大限に活かし、人口規模が縮小しても持続可能な地域社会を形成することが重要です。

 本市の総合的かつ計画的な行政運営を図るための最上位計画である第5期石狩市総合計画の期間が最終年度となることから、「このまちに住み続けたい・住みたいと思うまち」の実現に向け「協働」の理念を念頭に、市民との対話を通じて、第6期総合計画を策定してまいります。

 本年は、市制施行30周年を迎えることから、記念事業の実施や各種イベントとの連携を通じて、市政の更なる発展と未来への継承につなげてまいります。

 安心して暮らせる生活環境を実現するため、がん患者の社会生活と治療の両立を支援し、療養生活の質の向上を図るため、がん治療による外見の変化に対応する補整具などの購入費用に対して助成をしてまいります。また、厚田と浜益における介護保険の在宅サービスの安定的な提供に向け、訪問看護サービスを提供する事業所を新たに支援し、事業の拡充を図ってまいります。

 地域課題である、バスの運転手の担い手不足を背景に生じた交通空白地の解消に向けた取組として、本格的にAIデマンド交通による公共交通手段を確保してまいります。持続可能な火葬場の管理運営のため、厚田斎場と浜益斎場を石狩斎場へ統合するとともに、石狩斎場の改修を実施してまいります。また、昨年、本市において出没が頻発化したヒグマへの対策では、市民の安全・安心の確保を図るため、ヒグマの防除と駆除を実施するほか、地元猟友会などの関係者と連携して対策を講ずるとともに、出没抑制と技術者の育成を目的とする春期管理捕獲や、日常生活圏にヒグマが出没した際の緊急銃猟を実施してまいります。

 廃棄物の安定処理を目的として、最適な処理システムを検討し、施設整備内容を定める一般廃棄物処理施設整備基本計画を策定してまいります。

 産業振興に関する取組については、持続可能な地域農業の基幹作物であるミニトマトにおける、安定生産体制の確立を目的に施設の効率化を図るため、集出荷施設の新設や選果設備の導入に対する支援を行うほか、石狩市森林整備計画及び森林経営計画に基づき、森林の持つ多面的機能の発揮と木材の安定供給に向けて、森林整備の促進を図ってまいります。また、漁業者が安心して操業できる漁業基盤の維持・強化が重要となっており、漁船作業の効率化と安全性向上を図るための設備導入への支援を行ってまいります。

 これらの取組により、多様化する行政ニーズや地域課題に柔軟に対応し、次世代へ続く地域社会の形成を図ってまいりたいと存じます。

まちの都市価値の共創

 地域が自律的に成長していくためには、暮らしやすさや地域の魅力と価値を高めていくことが求められています。地域資源の磨き上げや官民連携による価値創造、都市ブランド力の向上が重要視されており、本市においても、自然・産業・文化など多様な地域資源を活かした都市価値の向上が重要です。

 市民がまちの魅力を再発見するとともに、市外の方や企業の本市に対する認知や関心を高め、観光や移住、企業誘致の促進につなげるため、市勢要覧を作成し、シティプロモーション等に活用してまいります。

 市内の魅力的な観光スポットなどを発掘するためフォトコンテストを開催し、新たな魅力を発掘・発信するとともに、デジタルマップやSNS等を活用して本市の魅力を発信してまいります。

 全国のスタートアップとのつながりを構築し、市内の一次産業等が抱える課題解決と新たな産業の創出を推進してまいります。また、本市をフィールドとしたスタートアップの実証実験や事業化を通じて、石狩湾新港地域内に集積が進むデータセンターの需要創出を図ってまいります。

 地域資源を活かした新たな価値創出や都市ブランド力の強化は、石狩市の未来に向けた重要な課題です。官民が連携した多様な取組を進めることにより、魅力ある、選ばれるまちとして発展させてまいりたいと存じます。

社会インフラの強靭化

 長期的視点に立って、安全・安心・快適な市民の暮らしを持続するため、基盤となる生活環境やインフラの確保、公共施設の維持管理、地域防災力の強化、消防力の体制維持を図っていくことが重要です。

 道路事業については、宅地造成が進む緑苑台地区と札幌市北区を結ぶ屯田・紅葉山通や新港地区の花畔中央通の整備に新たに着手するほか、花川南地区の生活道路の舗装整備を引き続き促進させてまいります。

 公園事業については、紅葉山公園に新たに幼児用遊具や水遊び場を一体的に整備するほか、既存公園の遊具の更新作業を行うなど、公園の新たな魅力づくりを進めてまいります。

 河川事業については、厚田キャンプ場内を流れる牧(ぼく)佐(さ)内川(ないがわ)の護岸の補修整備を継続して行い、利用者がより安心して楽しむことができる環境を提供してまいります。

 除排雪事業については、冬期間の道路環境を確保するため、除排雪車両を増強するなど、持続可能な除排雪体制の構築を図ってまいります。

 上下水道については、地震などの自然災害における機能保持の観点も踏まえ、計画的に施設整備を行い、市民生活に不可欠なライフラインの強靭化を確実に進めてまいります。

 災害対策については、冬期の災害に備え避難所運営に必要な備蓄資材の拡充を図るほか、各種訓練や防災に関するイベントの開催を通じて、地域防災力の向上に努めてまいります。

 消防・救急体制については、石狩消防団浜益北分団詰所を新築するほか、高規格救急車の更新や大型高所放水車の整備を行うなど、消防力の一層の充実に努めてまいります。

 これらの取組により、市民生活の安全・安心を守るとともに、重点的な整備により、社会インフラの強靭化に取り組んでまいりたいと存じます。

終わりに

 本市は、平成8年9月に市制を施行してから30年という節目を迎えます。この間、平成17年には厚田村・浜益村との合併を経て、豊かな自然環境と都市機能が調和するまちづくりを進めてまいりました。また、石狩湾新港地域の発展は、私たちに未来への希望を与えてくれます。札幌圏の生産物流拠点を担ってきた新港地域は、データセンターや商業施設、宿泊施設が立地され、再生可能エネルギー電源の集積地となるなど、情報通信、商業、エネルギー等の多様な産業が集積する地域へと発展を続けています。

 新たな時代の潮流を読み、種をまき、未来を切り拓くといった過程には幾多の困難もありましたが、先人たちはまちづくりへの夢と決意を胸に、新たな時代への挑戦を続けてまいりました。30年の歴史は、市民の皆様をはじめ、多くの方のご尽力の賜物であり、この歴史をしっかりと受け継いでまいります。

 先ほど、施策の大要で申し上げましたように、本年は、石狩市沖における洋上風力発電に関する協議、まちなかふれあい拠点づくりにおける文化ホール機能を有する施設のあり方の検討が始まります。これらのことは、「脱炭素と産業の成長」と「本庁舎周辺におけるまちづくり」に関し、今後のまちの将来を描いていく上で重要な一歩となるものです。地域の特性と強みを活かしながら環境と経済の好循環を生み出し、世代を超えて誇れるまちの未来像は何なのかということを市民の皆様と一緒に考えてまいります。

 次代につなぐために、未来への投資を重ね、持続可能で選ばれるまちづくりを力強く進めてまいりたいと存じます。

 市民の皆さま並びに市議会議員各位の一層のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、令和8年度の市政執行方針といたします。

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