令和7年度 市政執行方針

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ページID 1005810  更新日 2025年3月13日

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令和7年度市政執行方針

令和7年度市政執行方針
令和7年2月19日(水曜日)
令和7年第1回石狩市議会定例会

令和7年第1回石狩市議会定例会の開会に当たり、市政運営の基本的な考え方と施策の大要を申し上げます。

はじめに

 昨今の国際情勢は、エネルギー問題や気候変動と密接に関わっており、世界の産業や経済に大きな影響を与えています。エネルギー価格の高騰や気候変動がもたらす自然災害は、私たちが直面する深刻な問題です。この状況を乗り越え、次世代により良い環境を引き継ぐため、カーボンニュートラルの実現に向けた取組を進めることが求められています。昨年、北海道と札幌市がGX金融・資産運用特区の対象地域となりました。北海道は、国内随一の再生可能エネルギーのポテンシャルを持つとされており、脱炭素と経済成長の両立を目指すGXの推進が期待されています。

 昨年は、石狩湾新港で洋上風力発電所の商業運転が始まったほか、地域でつくられた再生可能エネルギー100パーセントで稼働するデータセンターが開業するなど、民間活力により本市が目指す再生可能エネルギーの地産地活が大きく前進した1年でした。また、花川北地区でビジネスホテルの建設が始まったほか、花川北地区の旧市営住宅跡地や緑苑台ニュータウンの西地区で宅地販売が始まるなど、今後のまちの発展が益々期待されます。

 石狩のまちは、これまで本市が地道に行ってきた活動が実を結び発展を続けています。「過去の取組が今のまちをつくり、今の取組が未来のまちをつくっていく」のだと思います。我々は、未来を想像しながら、行動していくことが必要です。

 令和7年度の一般会計の予算総額は、新たな政策予算の重点化を図ることなどにより、前年度対比9.1パーセント増となる397億円となり、一般会計の当初予算としては、過去最大の予算となりました。歳入では、市税収入が初めて100億円の大台を超えることとなりました。一方で、扶助費など社会保障に要する費用や施設の維持管理費など、経常経費が増加するとともに、社会インフラの重点的な整備を進めることに伴い、将来負担の増加が見込まれ、財政の健全化を示す指標は、今後上昇に転じる見通しであることから、引き続き、市民の暮らしと地域経済を守る視点と健全財政の両輪を達成し、持続可能な市政運営に当たってまいります。

 以上を踏まえ、令和7年度市政執行に係る基本的な考え方と主要な事業について申し上げます。

こどもまんなかまちづくりの推進

 こどもの権利が保障され、こどもたちが安心して自分らしく健やかに成長していくための施策を総合的に推進することを目的に、昨年12月に「石狩市こどもの権利条例」を制定しました。この条例は、「こどもまんなかまちづくり」の理念のもと、こども施策を将来にわたって進めていく上での共通基盤となります。条例の施行に合わせた取組として、こどもの権利の周知啓発やこどもが意見を表明しやすい環境づくりを進めるとともに、こどもの権利救済委員会を設置するなど、こどもの権利を守るための施策を進めてまいります。

 子育て施策としましては、子育て世帯の経済的負担の軽減を図るため、放課後児童クラブの負担金や保育所等における副食費について、世帯の収入やきょうだいの年齢に関わらず、第2子以降の無償化を実施するほか、子ども医療費の助成対象を高校生年齢まで拡充いたします。

 子育て世帯が就労しながら安心して子どもを預けられる環境づくりを一層推進するため、保育所等における人材確保策として、本市独自のいしかり保育士応援手当の支給や奨学金返済支援等に対する補助制度を創設し、安定的な保育提供体制の構築を図るとともに、放課後児童クラブでの学習環境を確保するため、全ての放課後児童クラブに無線LANを整備してまいります。

 多様な保育ニーズに対応するため、子どもの急な病気の際にも安心して預けることができる、市内初の病児保育を実施するとともに、令和8年度からのこども誰でも通園制度の本格実施に向けたモデル事業を実施し、子どもの育ちの支援や保護者の負担軽減に努めてまいります。

 医療的ケア児等の支援では、短期入所事業所の体制維持が図られるように補助金を交付し、医療的ケア児が安心して生活し、介護を行う家族の負担軽減を図ってまいります。

 教育施策としましては、市としての教育の基本理念や基本方針を定めている「石狩市教育大綱」を改定し、学びに係る政策と育ちに係る政策の両者を相互に連携させ、子どもの未来を後押ししていくことを目指し、「石狩市こどもビジョン」や教育委員会が策定する「石狩市教育プラン」とも連動を図り、総合的に教育施策を進めてまいります。

 こどもの権利擁護や子育て支援、教育環境の整備など子ども関連施策を充実させ、「こどもまんなかまちづくり」の実現に向けて、子ども施策を総合的に推進してまいりたいと存じます。

脱炭素による地域発展等の実現

 本市は、環境省から令和4年度「脱炭素先行地域」に選定された自治体として、地域脱炭素の先進的な取組を行う責務があります。

 再生可能エネルギーの地産地活による二酸化炭素排出実質ゼロとレジリエントな行政機能を実現させるため、市役所周辺の公共施設群にマイクログリッドを構築する準備を進めてまいります。

 国は、国際的な枠組みのもとで、地球温暖化対策と経済成長の両立を目指しており、本市は、環境省の脱炭素先行地域に選定された自治体として、引き続き、地域の再生可能エネルギーを地域で活用する「再エネの地産地活」の実現に取り組んでまいります。

 市役所周辺の公共施設群に太陽光発電設備を設置するなど、二酸化炭素排出実質ゼロを目指すとともに、一部の施設では、停電時のエネルギー供給体制を確保するためのマイクログリッド構築を進めてまいります。

 石狩湾新港地域のREゾーンでは、再生可能エネルギー100パーセントで運営するデータセンターが稼働しました。引き続き、再生可能エネルギーの地産地活をコンセプトにエリア内の脱炭素化を図るとともに、データセンター等の誘致を推進してまいります。

 また、「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」に基づく促進区域の指定に向け、有望区域に整理されております石狩市沖につきましては、促進区域選定の議論を行う法定協議会が早期に開催できるよう、国や北海道と連携を図ってまいります。

 洋上風力発電は、長期で多岐にわたるフェーズが存在し、地元企業にとって産業参入に向けた大きなビジネスチャンスになることが期待されます。地元企業と洋上風力関連産業のマッチングなど、洋上風力関連産業から生み出される恩恵を、地域が享受できる仕組みづくりを強力に推進してまいります。

 本市は、全国で数少ない洋上風力があるまちであることや、再生可能エネルギーを活用した民間投資が行われていることなど、まちのプレゼンスが着実に高まっており、視察も大幅に増えております。昨年12月には東京都立杉並工科高等学校と連携協定を締結し、本年、教育旅行先として本市にお越しいただく予定となっております。GXに関する学びの機会や生徒の交流を通じた心豊かな体験を提供してまいります。

 国は、2050年カーボンニュートラル及び2030年度二酸化炭素削減目標の実現に向けた国民運動「デコ活」を提唱し、国民・消費者の行動変容やライフスタイル変革を後押ししております。本市においても、市民・事業者と一丸となって脱炭素行動に取り組む機運醸成が必要と考え、デコ活宣言を行いました。市民が日ごろから環境を意識し、脱炭素につながる選択ができるよう、イベント出展や出前講座など様々な機会を通じて引き続き普及啓発を行うとともに、省エネ家電の購入補助金については、制度内容を充実させ、利便性を向上いたします。また、市公式LINEアカウントから粗大ごみ処分に係る受付を可能とし、DXによるごみの適正処理や資源循環の啓発を行うことによりごみ減量の機運を高めます。市民生活においても脱炭素について身近に感じてもらえるよう取組を推進してまいりたいと存じます。

地域の魅力向上と選ばれるまちづくり

 都市における魅力あるまちづくりを進めるためには、生活の利便性や快適性に優れた都市環境の整備が重要です。

 令和4年度から実証運行を始めたオンデマンド交通「いつモ」について、市内デマンド事業は、タクシー営業車にデマンド機能を担っていただく形で本格運行を開始します。また、新港地域の通勤手段としてご利用いただいております通勤デマンドは、事業内容を見直し、引き続き実証運行を行ってまいります。

 浜益エリアの交通手段につきましては、担い手であるドライバーの高齢化や人材確保が課題となっており、新年度において、交通体系を再構築してまいります。

 石狩市総合計画につきましては、令和9年度を初年度とする「第6期石狩市総合計画」の策定作業を始めてまいります。また、本年4月を始期とする「第3期石狩市創生総合戦略」につきましては、新たにデジタルを活用した地方の社会課題解決・魅力向上の視点を取り入れ、地方創生の取組を着実に進めてまいります。

 市営プールについては、現況や課題を整理するとともに市民のニーズを把握し、今後必要となる規模や機能を検討し、具体的な整備計画を策定します。

 本市の人口は、全国と同様に減少傾向にあるものの、転入超過が続いており、これまでの人口減少対策に一定の成果が出ていると感じています。住まいの応援事業により住宅リフォームや融雪槽設置の支援を継続するなど、引き続き「魅力あるまち」、「住みたいまち」として選ばれ、長く住み続けられるような施策を展開してまいりたいと存じます。

地域共生社会の実現

 現代社会では、高齢化や地域間格差、孤立に加え、性の多様性への理解など、様々な課題があります。こうした中で、全ての人々が互いに支え合い、年齢や障がいの有無、性別、性的指向、性自認などにかかわらず、誰もが安心して暮らせる地域共生社会の実現が重要です。

 本年4月からは、事業を見直し、新たに、福祉利用券交付事業、障がい者福祉交通費助成事業として、高齢者や障がいのある方の社会参加を促進するとともに、住み慣れた地域で自立した生活を続けることができるよう、支援体制を構築してまいります。また、新たに定期接種化される帯状疱疹ワクチンの接種費用を一部助成し、高齢者の経済的負担の軽減を図ってまいります。

 このほか、骨髄バンクへのドナー登録の推進を図るため、骨髄等を提供したドナーに対する助成を始めます。

 性の多様性を認め合い、誰もが互いの個性や人権を尊重できる社会を創っていくことが必要です。性的マイノリティーの方々に対する、社会的な差別や偏見による日常生活の生きづらさの解消を図るため、パートナーシップ宣誓制度を創設してまいります。

 誰もが健康で幸せに暮らせる地域共生社会の実現に向け取り組んでまいりたいと存じます。

DXによる市民生活の利便性向上

 デジタル技術の活用により、行政サービスや市役所業務を見直し、市民生活の利便性の向上を図っていくことは重要です。

 本市からの情報発信については、市ホームページをリニューアルし、スマートフォンからの閲覧ニーズや更なるウェブアクセシビリティに対応するほか、地域情報発信アプリの導入により、災害等の緊急情報発信の迅速・確実化、手段の多重化を実現しながら、市民が自治体情報を取得しやすい環境を整備し、更なる利便性の向上を図ってまいります。

 また、公金収納のデジタル化を拡充し、市民の利便性向上と収納に関する業務の効率化・省力化を進めるほか、国の自治体DX推進計画に基づき、令和7年度までの業務システムの標準化に対応してまいります。

 自治体DXの推進を通じた市民の利便性向上と行政の効率化により、持続可能なまちを創生してまいりたいと存じます。

 デジタル技術の活用により、行政サービスや市役所業務を見直し、市民生活の利便性の向上を図っていくことは重要です。

 本市からの情報発信については、市ホームページをリニューアルし、スマートフォンからの閲覧ニーズや更なるウェブアクセシビリティに対応するほか、地域情報発信アプリの導入により、災害等の緊急情報発信の迅速・確実化、手段の多重化を実現しながら、市民が自治体情報を取得しやすい環境を整備し、更なる利便性の向上を図ってまいります。

 また、公金収納のデジタル化を拡充し、市民の利便性向上と収納に関する業務の効率化・省力化を進めるほか、国の自治体DX推進計画に基づき、令和7年度までの業務システムの標準化に対応してまいります。

 自治体DXの推進を通じた市民の利便性向上と行政の効率化により、持続可能なまちを創生してまいりたいと存じます。

持続可能な地域社会の構築と産業振興

 少子高齢化、人口減少、地域間格差などの社会的変化や気候変動の影響により、激甚化・頻発化する自然災害などの環境的変化が進む中で、地域資源を活用しながら環境、経済、産業振興のバランスを取り、持続可能性と強靭性を備えた社会の構築が求められています。

 厚田区・浜益区においては、地域自治区の設置期間満了を1年後に控え、両地域の意向に沿った、市民主体のまちづくりを進めるとともに、「石狩市過疎地域持続的発展市町村計画」の改定を行い、活力ある地域づくりを推進してまいります。

 また、地域の担い手確保につながる地域おこし協力隊や集落支援員の取組と特定地域づくり事業協同組合の事業を引き続き支援するとともに、民間活力により、移住者向け住宅の確保を図ってまいります。

 持続可能な地域社会において、心身の健康は、重要な要素の一つです。健診データの活用や保健事業と介護予防の一体的実施、健康測定会の開催など、予防や健康づくりの各種取組を推進するとともに、皮膚科医院の新規開業に係る助成制度を創設し、誘致活動を進めてまいります。

 企業の人材不足は深刻な状況にあります。労働環境の実態と動向を調査、把握するとともに、外国人材の受入れや若者の早期離職を防止するセミナーを開催するなど、人材の確保と定着に向けた課題解決を図ってまいります。

 石狩北部地域の周辺観光拠点である道の駅石狩「あいろーど厚田」は、令和7年度中には開業からの入館者数が300万人を超える見込みです。既存の観光資源のブラッシュアップに加え、新たな魅力を発掘・発信するとともに、デジタルマップやSNS等を活用した情報発信を引き続き行い、本市の魅力を市内外へ発信してまいります。

 必要な食糧を安定的に供給するには、農地の保全と農業者の育成・確保が欠かせません。農地の保全については、本年4月に、地域の農業を持続させていくための方針と概ね10年後を見据えた農地一筆ごとの耕作者を定めた「石狩市地域計画」を新たに策定するほか、農業者の育成・確保については、これまで同様、新たに農業を開始する方への経済的、技術的支援を行うことにより、農業経営の安定化に努めてまいります。

 本市面積の7割以上を占める森林は、地球温暖化防止に資するなど、多面的機能が発揮される市民の財産です。この財産を守るため、計画に基づいた伐採、植栽、下(した)刈り、間伐などを行うとともに、これらの整備に必要な林道の開設、改良を行います。

 本市は、サケやニシンといった漁業の歴史とともに歩んできました。北海道が実施する安全操業に欠かせない漁港の改修事業の支援をするほか、漁業協同組合が実施する海水ろ過殺菌装置の設置に支援をすることにより、前浜で水揚げされた水産物の鮮度を保持し、価格の維持と漁家の所得向上につなげてまいりたいと存じます。

社会インフラの強靭化

 市民生活の安全と安心を守るとともに、魅力あるまちを次世代につなげるため、重点的な整備を進め、社会インフラの強靭化に取り組む必要があります。

 道路事業については、札幌市と石狩湾新港地域を結ぶ花川通の延伸整備が完了し本年供用開始を迎えます。供用開始に向け、市としましても既存の市道部分の強靭化を引き続き進めてまいります。

 また、新たに花畔北8線の舗装工事に着手するほか、花川南地区の生活道路の舗装整備を引き続き促進させるとともに、宅地造成が進められている緑苑台地区と札幌市北区を結ぶ新たなアクセス道路の調査設計を進めてまいります。

 公園事業については、紅葉山公園のリニューアル工事を引き続き進めるほか、石狩ふれあいの杜公園のトイレ増設、若葉公園や樽川公園などの野球場に猛暑対策としての日除け付きダッグアウトの整備を行うなど、公園の新たな魅力づくりを進めてまいります。

 河川事業については、昨年リニューアルオープンした厚田キャンプ場内を流れる牧(ぼく)佐(さ)内川(ないがわ)の護岸の補修整備を行い、利用者がより安心して楽しむことができる環境を提供してまいります。

 除排雪事業については、冬期間の安定した道路環境を確保するため、車両を増強するなど、持続可能な除排雪体制の構築を図ってまいります。

 上下水道においては、地震などの自然災害における機能保持の観点も踏まえ、計画的に施設整備を行い、市民生活に不可欠なライフラインの強靭化を確実に進めてまいります。

 災害対策については、冬期の災害に備え避難所運営に必要な備蓄資材の拡充をするほか、各種訓練を通じて、地域防災力の向上に努めてまいります。

 このほか、市民や地域団体等が利用する花川南コミュニティセンターにおいては、非常用自家発電設備の機能強化を行うとともに、アリーナ等に冷房設備を設置し、市民の利便性の向上と災害対策の強化を図ってまいります。

 消防・救急体制では、石狩消防署厚田支署の改修や新港西地区の樽川公園に耐震性防火水槽を新設するほか、高規格救急車の更新など消防力の一層の充実に努めてまいりたいと存じます。

おわりに

 市民の持つ価値観や地域の課題が多様化する中で、魅力ある地域づくりを進めることにより、誰もがそれぞれの幸せを感じられる社会を実現していくことが大切です。

 行政は、サービスを提供するだけではなく、地域変革の担い手になる必要があります。

 複雑化・多様化する地域課題を解決するために、これまでは複数の主体が、まちづくりに関する共通の目標を達成するため、それぞれの役割を果たしながら、相互に補完し、協力をしてきました。

 まちづくりは、協働を基本としつつ、複数の主体が知識や経験を融合させ、対話を重ね合いながら、新たな価値を共に創り上げ地域課題を解決していくことが必要です。

 地方創生を実現するために、協働・共創の視点によるまちづくりを進めてまいります。

 引き続き、全力で市政運営に取り組んでまいりたいと存じます。

 以上、令和7年度の市政運営の基本的な考え方と主要な施策について説明させていただきました。市民の皆さま、ならびに議員各位のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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