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令和3年度教育行政執行方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年2月17日更新

 

令和3年度教育行政執行方針

 

 令和3年度 教育行政執行方針
 令和3年2月17日(水曜日)
 令和3年第1回石狩市議会定例会

 令和3年第1回市議会定例会の開会に当たり、教育行政の基本的な考え方と施策の大要を申し上げます。

はじめに  

 この1年で、世の中の様相が一変しました。新型コロナウイルス感染症のまん延というこれまで経験したことのない状況のなかで、学校も感染防止対策と学びの保障、心のケアなどに追われたといっても過言ではありません。こうした学校の取組と児童生徒の頑張りを、多くの保護者や地域の方々が、物心両面から支えてくださいました。ここで改めて感謝を申し上げます。

 『持続可能な社会の創り手として、目の前の事象から課題を見出し、生きて働く知識や技能を駆使して主体的に考え、多様な立場の者が協働的に議論し、進むべき道を見出していく』

 新年度から中学校でも施行される新学習指導要領が育成を目指す子どもたちのこの姿は、中央教育審議会答申が指摘するように、感染症により先行きが一層不透明となった「今」を生きるすべての人に求められている姿でもあります。 

 困難な状況にはありますが、子どもから大人まで、これまで積み重ねてきた学びを止めてはなりません。感染防止にも十分配慮しながら、全ての市民が生涯にわたって質の高い学びを重ね、それぞれの成長に向け可能性を拡げることができる環境を整備していくため、学校、家庭、地域と連携しつつ、鋭意取り組んでまいります。

 以下、新年度の主要な施策について、石狩市教育プランの柱立てに即して、順次申し述べます。

目標1 自ら学ぶ意欲をもって、主体的に社会に関わり、新しい時代を生きる力を育てる

(新しい社会で生きる力の育成)   

 新学習指導要領の趣旨を踏まえ、確かな学力の育成のため、「基礎的・基本的な知識及び技能の習得」「個に応じた指導の充実」「言語活動の充実」「学習習慣の確立」の4点を念頭に、教育課程の実施状況に基づく改善などを通して教育活動の質を向上させ、学習効果の最大化を図るカリキュラム・マネジメントの確立を図ります。

 新年度からGIGAスクール構想による1人1台端末の本格的な活用が始まります。電子黒板とデジタル教科書の効果的な活用とともに児童生徒の学びの保障を支えるため、感染症による臨時休業にも対応できるオンライン指導の構築に向けた準備作業を進めます。併せて、教員のICT活用能力向上への支援を行います。このほか、情報モラルや情報手段の基本的な操作技能などの習得も含めたトータルな情報活用能力を育成する中で、プログラミング的思考の育成を図ります。対面での協働的な学びが制限される中、ICTの活用で「主体的・対話的で深い学び」の視点を生かした授業改善が学校の創意工夫で進められることを期待しているところです。

 また、エキスパートサポーターや外部指導者を効果的に配置した指導体制の充実を図るとともに、「学力の1校1プラン」の取組を継続しながら、学習内容の定着を一層確かなものとするよう努めます。

 特別支援教育については、南線小学校に通級指導教室を開設するほか、特別支援教育支援員の適切な配置等、体制を充実させながらよりきめ細かな支援を行ってまいります。一人一人のニーズに応じた途切れのない一貫した支援を行うため、就学前からの教育相談の実施や、「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」の活用、研修により教員の専門性の向上を図ります。

 外国語教育については、外国語指導助手(ALT)も活用して外国の言語や文化への理解を深めながら、積極的にコミュニケーションを図る態度の育成に努めます。

(学びを支える家庭・地域との連携・協働の推進) 

 家庭教育支援を充実させるため、子育てに不安や悩みを持つ保護者のサポートに、市長部局と連携しながら引き続き取り組むほか、あい風寺子屋事業による放課後の学習支援、中学校の試験期間に合わせて小学校の家庭学習強化週間を設定するなど、家庭学習時間や生活規律等の小中連携の取組を継続します。

 子どもたちの基本的な生活習慣の定着を図るため、「いしかりふれあいDAY」や「生活リズムチェックシート」を活用し、規則正しい生活とテレビ、ゲーム等の使用に関する家庭でのルール作りに取り組んでいただいておりますが、特にスマホ等の使用については、保護者、児童生徒がともに「ネットの危険を理解したうえで上手に活用する」という意識をしっかり持つことが大切です。コミュニティ・スクールの仕組を通して、こうした取組の議論ができるよう、提案してまいります。

 感染症の影響による家計への影響が懸念されるところですが、就学援助による経済的支援を柔軟に行うほか、生活困窮等を要因とした学習支援のニーズへの対応や補充学習の充実、スクールソーシャルワーカーと家庭生活支援員による教育と福祉が連携した支援を継続して進めます。

学びをつなぐ学校づくり 

 現在、同一中学校区内の小学校と中学校は、「中1ギャップの解消」や「学びの連続性による学力向上」をテーマに、連携した取組を進めております。幼児期の学びと育ちを義務教育へとスムーズにつなぐため、各小学校が策定するスタートカリキュラムの確実な実施と不断の見直しにより、幼児期から中学校段階までを見通した教育を進めます。

 また、先行した厚田学園、石狩八幡小学校に引き続き、新年度には市内全校でコミュニティ・スクールをスタートさせ、地域と連携・協働しながら教育活動を展開する「開かれた教育課程」の推進を図っていきます。

 新年度以降、老朽化が進んだ学校施設の改修は、長寿命化計画に基づいて進めていきますが、まずは花川南中学校の校舎改修に向けた設計を行います。また、浜益区の子どもたちのより良い教育環境のあり方について、検討を始めます。

 教員の働き方改革につきましては、「校務の効率化や専門スタッフ等の配置による環境整備」「部活動指導の負担軽減」「勤務時間を意識した働き方の推進と学校運営体制の充実」「市教委のサポート体制の充実」という4つの柱で進めてまいりました。現行の推進計画が令和2年度をもって終了することから、取組の検証結果を次期計画に反映し、引き続き教員の長時間勤務解消に向けて取り組んでまいります。

目標2 思いやりと豊かな心・健やかな体をもって、多様な人々と共に支え合う人を育てる

(健やかな成長を促す取組の推進)   

 特別の教科として位置付けられた道徳科を基軸とした豊かな心の育成、人権を尊重した教育による他者を思いやる心の育成のほか、地域の様々な人々との交流や体験活動などを通して、自己肯定感や自尊感情を醸成します。さらに、保護者や地域住民に道徳科の授業を公開し、学校、家庭、地域の連携強化を図ります。

 豊かな人間性を育む上で読書は大切です。ブックスタートや家読(うちどく)など本との出会いをサポートするとともに、学校図書館の充実を図るため、図書標準達成のための購入費の加算や学校司書の配置・派遣により適切な蔵書構築を行うなど、読書に親しみ、ものの見方・感じ方・考え方を広げ、深める活動を継続して進めます。

 長期化するコロナ禍の影響により、本市でも不安やストレスを抱える児童生徒が増えています。いじめの防止や不登校児童生徒への支援も含め、そのような兆候を見逃さないよう、学校がチームで対応しながら、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを活用した教育相談につなげ、未然防止と早期発見・早期対応を進めます。

 また、ふらっとくらぶにおいては、通級者がタブレットによる調べ学習をできるよう、Wi-Fi環境を整備します。

 本市の児童生徒の体力と運動能力は向上傾向にありますが、この流れをさらに定着させるため、「体力の1校1プラン」や体力テストの活用を継続します。

 関係機関と連携した健康教育や栄養教諭を中心とした食に関する指導により、健康な食生活に対する児童生徒の関心を高めるほか、学校給食センターでは、石狩産食材のより一層の活用も意識しながら安心安全な学校給食を提供するとともに、成人向けの食育講座に複数のメニューを用意するなど、本市食育の拠点としての役割も果たしてまいります。

目標3 ふるさとへの愛着をもち、幅広い視野で新しい価値を創造し、活躍する人を育てる

(学びを活かす地域社会の実現)

 市民一人一人の学びへの意欲を喚起し、潤いのある生活と活力ある地域づくりを推進するため、市民が集い、生涯にわたる主体的で多様な学びを実践する「いしかり市民カレッジ」との協働、市内文化の振興に取り組む「石狩市文化協会」への支援のほか、市が主催する生涯学習事業の内容充実に努めます。

 また、社会教育支援スタッフの確保と育成を継続するほか、老朽化が著しい公民館については、学び交流センターを改修・整備し、その機能を引き継ぐ体制を整えます。

 感染症の拡大により開催が叶わなかった成人式につきましては、5月の開催に向けてしっかりと準備を進めてまいります。

 20周年の節目を迎えた市民図書館では、感染症対策として「おうちで楽しむ動画」の配信やフェイスブックなど、インターネットを活用した旬な情報発信を通じて、次の時代に向けた新たな可能性も模索しながら、市民の読書環境充実に努めます。それとともに、石狩市民図書館ビジョン、子どもの読書活動推進計画に基づく施策を着実に進め、これからも幅広く多くの市民に愛される図書館を目指します。

(ふるさとを学ぶ機会の充実)

 将来、様々なステージで活躍する子どもたちが、ふるさと石狩への愛着と誇りを持つことができるよう、総合的な学習の時間での学習活動やテーマ展、体験講座、野外講座などの開催に加え、小学校社会科副読本の改訂も行い、ふるさとを学ぶ機会の充実を図ります。

 また、資料館や道の駅の情報コーナーを活用した情報発信を引き続き進めるほか、歴史的価値のある旧石狩小学校の円形校舎を公開し、閉校時の学校の佇まいをご覧いただけるようにしながら、今後、順次展示の充実を図ってまいります。

 はまます郷土資料館は、石垣の修復と手摺りの整備を行い、国指定史跡「荘内藩ハママシケ陣屋跡」のシンボルである大手門については、陣屋研究会との協働により修復、保全を行います。以上、新年度の主要な施策を申し上げました。

むすび 

 小中学校への1人1台端末と高速大容量ネットワークの整備、あるいはオンデマンド配信によるイベントや研修会の開催に代表されるように、このコロナ禍をきっかけとして、教育の現場にも新たな動きが生まれております。できないことを嘆くだけでなく、こうした動きに内在する可能性の芽を大きく育てていけば、教育の原点である「人づくり」への、Society5.0の時代にふさわしい新たな道が開けると信じるところです。新年度におきましても、市長部局と緊密に連携しながら、本市の教育の充実と発展に向け全力で取り組むことを通して、現在そして将来における、より良い石狩市づくりに貢献してまいりたいと存じます。

 市民並びに市議会議員の皆様の一層のご支援とご協力を心からお願い申し上げ、令和3年度の教育行政執行方針といたします。

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