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令和4年度教育行政執行方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年2月21日更新

 

令和4年度教育行政執行方針

 

 令和4年度 教育行政執行方針
 令和4年2月15日(火曜日)
 令和4年第1回石狩市議会定例会

 令和4年第1回市議会定例会の開会に当たり、教育行政の基本的な考え方と施策の大要を申し上げます。

はじめに  

 長期化する新型コロナウイルス感染症の影響も相まって、今、私たちの社会は一層急激に変化しようとしております。社会の担い手を育て、「国家100年の大計」と言われる教育もまた、大きな変革の真只中にあります。学習指導要領の改訂に始まり、教職員の働き方にメスが入る一方で、1人1台端末を基盤として教育データの利活用が急速に進もうとしているなど、変革は多岐にわたりますが、共通する狙いはポスト・コロナも見据えた新しい学びの実現です。ひるむことなく取り組んでいかなければなりません。

 最近、「ウェルビーイング」という概念が注目されています。経済的な豊かさだけでなく精神的な豊かさや健康など多面的な幸せが保たれた状態を指すものです。あらかじめ定まった正解がない時代にあって、個人と社会のウェルビーイングを目指すためには、一人一人が社会の当事者として自ら主体的に考え、目標を設定し、責任ある行動を取ることができる力を備えることが大切とも言われます。

 石狩市教育プランが掲げる「自立とチャレンジの精神、主体性と協働意識を持った市民の育成」という理念は、こうした方向性にも合致するものであり、引き続きその推進に鋭意取り組んでまいります。 

  以下、新年度の主要な施策について、石狩市教育プランの柱立てに即して、順次申し述べます。

目標1 自ら学ぶ意欲をもって、主体的に社会に関わり、新しい時代を生きる力を育てる

(新しい社会で生きる力の育成)   

 新学習指導要領の趣旨を踏まえた確かな学力の育成のため、「主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善」「学習内容の定着を一層確かにする工夫」「学習環境の整備」の3点を柱とした取組を進め、カリキュラム・マネジメントの確立を図ります。特に、「国語科の『読むこと領域』の課題解決」、「教科指導における小中連携の推進」を重点に取組を進めます。

 1人1台端末の整備により学びが大きく変わろうとしています。電子黒板、デジタル教科書などICTを効果的に活用し、個別最適な学びと協働的な学びを相互に結び付けながら、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善につなげてまいります。

 端末の持ち帰りによる家庭学習への活用や緊急時の学びの保障をより確かなものとするために、教員のICT活用能力の向上や学校のICT環境整備に向けた支援を行うとともに、児童生徒の情報活用能力の育成を図ります。

 小学校での学級編制標準の段階的な引き下げや新たな教科担任制の導入、エキスパートサポーターや外部指導者の効果的な配置などにより指導体制を充実させ、学習内容の定着が一層進むよう努めます。

 特別支援教育については、特別支援教育支援員の適切な配置等に努めながら、よりきめ細かな支援を行ってまいります。一人一人のニーズに応じた途切れのない一貫した支援を行うため、就学前からの教育相談の実施や、「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」の活用、研修による教員の専門性の向上を図ります。

 外国語教育については、外国語指導助手(ALT)の活用により外国の言語や文化について理解を深めながら、積極的にコミュニケーションを図る態度の育成に努めるとともに、新たに国の実証事業で提供される学習者用デジタル教科書の効果的な活用に取り組みます。

(学びを支える家庭・地域との連携・協働の推進) 

 家庭教育支援を充実させるため、子育てに不安や悩みを持つ保護者のサポートに、市長部局と連携しながら引き続き取り組むほか、中学校の試験期間に合わせた小学校の家庭学習強化週間の設定など、家庭学習や生活規律等の小中連携の取組を継続します。

 子どもたちの基本的な生活習慣の定着を図るため、「いしかりふれあいDAY」や「生活リズムチェックシート」を活用し、規則正しい生活とテレビ、ゲーム等の使用に関する家庭のルール作りについての呼びかけを継続します。特にスマートフォン等の使用については、保護者と児童生徒がネットのメリットとデメリットをよく理解して、上手に付き合うことが大切であり、家庭での使用ルールについて親子で考えるきっかけとなるよう、保護者向けの情報発信を学校と連携して行います。

 感染症の拡大が家計に及ぼす影響を考慮し、引き続き就学援助による経済的支援を柔軟に行うほか、生活困窮等を要因とした学習支援のニーズへの対応や補充学習の充実、スクールソーシャルワーカーと家庭生活支援員による教育と福祉が連携した支援を継続して進めます。

学びをつなぐ学校づくり 

 現在、同一中学校区内の小学校と中学校は、「中1ギャップの解消」や「学びの連続性による学力向上」をテーマに連携した取組を進めています。幼児期の学びと育ちを義務教育へとスムーズにつなげるため、認定こども園等との連携をさらに深めながら、各小学校で策定するスタートカリキュラムの確実な実施と不断の見直しにより、幼児期から中学校段階までを見通した教育を進めます。

 また、市内全校で始まったコミュニティ・スクールにより、地域と連携・協働しながら教育活動を展開する「開かれた教育課程」の実現を図っていきます。

 教員の働き方改革については、推進計画に位置づけた取組を着実に行いながら、勤務時間を意識した働き方を一層推進するよう促し、引き続き教員の長時間勤務解消に向けて取り組みます。

 また、中学校の部活動は、今後、休日の活動を皮切りに、地域の実情に応じた段階的な地域移行を検討していくことになりますが、これに先行して、ソフトボール競技における将来の地域指導体制の確立を目指して、競技団体が実施するモデル事業への支援を行います。

 学校施設長寿命化計画に基づき、老朽化が進んだ花川南中学校の校舎を2か年計画で改修します。また、浜益区の子どもたちのより良い教育環境を確保するため、保育園を併設した小中一貫型の学校の実現に向け基本設計に着手するなど、地域の方々と対話しながら準備を進めてまいります。

 通学路の交通安全の確保に向けては、通学路交通安全プログラムに基づき、関係機関と連携し対策を講じてまいりますが、併せて学校の交通安全教育において交通ルールの遵守を指導するとともに、自ら危険を予測し回避する力の育成に取り組みます。

目標2 思いやりと豊かな心・健やかな体をもって、多様な人々と共に支え合う人を育てる

(健やかな成長を促す取組の推進)   

 道徳科を基軸として、教育全体を通じて行う道徳教育による豊かな心の育成、人権を尊重した教育による他者を思いやる心の育成のほか、地域の様々な人々との交流や体験活動などを通して、自己有用感や自尊感情を醸成します。さらに、保護者や地域住民に道徳科の授業を公開し、学校、家庭、地域の連携強化を図ります。

 豊かな人間性を育む上で読書が果たす役割は重要です。ブックスタートや家読(うちどく)など本との出会いをサポートするとともに、学校図書館においては、学校司書の配置・派遣により児童生徒や教職員の情報ニーズに対応する資料購入、更新を支援するなど、適切な蔵書構築を行います。読書活動によって言葉を学び、考える力を育てるとともに、感性を磨き、表現力、創造力を豊かにする取組を継続します。

 長期化するコロナ禍の影響により、児童生徒は不安やストレスを抱えた中での生活が続いています。いじめの防止や不登校児童生徒への支援も含め、学校がチームで対応しながら、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを活用した教育相談につなげ、未然防止と早期発見・早期対応に努めます。

 また、1人1台端末を活用した不登校児童生徒とのコミュニケーションや学習支援について、学校の取組を促進します。

 本市の児童生徒の体力と運動能力は向上傾向にありますが、この流れをさらに定着させるため、「体力の1校1プラン」や体力テストの活用を継続します。

 関係機関と連携した健康教育や栄養教諭を中心とした食に関する指導により、健康で豊かな食生活に対する児童生徒の関心を高めるほか、石狩産食材のより一層の活用を意識しながら安心・安全な学校給食を提供します。本市食育の拠点ともなっている学校給食センターでは、成人向けの食育講座を開催し、厚田学校給食センターでは、給食配送車を更新します。

目標3 ふるさとへの愛着をもち、幅広い視野で新しい価値を創造し、活躍する人を育てる

(学びを活かす地域社会の実現)

 「学び交流センター」に移転して新たなスタートを切る公民館と20周年の節目を迎えるアートウォームを両輪として、地域の文化芸術活動の活性化を図ります。

 新たな公民館を市民の文化芸術活動の拠点とするために、団体による発表の場の創出や展示等の活動を支援するほか、講演会や公民館講座を開催します。アートウォームについては、周年記念事業としてのステージイベント、展覧会の開催やメインホール照明のLED化を支援します。

 市民一人一人の学びへの意欲を喚起し、潤いのある生活と活力ある地域づくりを推進するため、市民が集い、生涯にわたる主体的で多様な学びを実践する「いしかり市民カレッジ」との協働、市内文化芸術の振興を通したまちづくりに取り組む「石狩市文化協会」への支援のほか、市教委が主催する生涯学習事業の内容充実に努めます。

 また、学校を核とした地域づくりを推進するため、学校支援ボランティアを確保するとともに、地域コーディネーターを拡充するほか、公民館・社会教育課の執務室を市民図書館内に移し、社会教育分野の更なる連携・充実を図ります。

 市民図書館では、オンラインの受配信ができる設備を視聴覚室等に整備し、これまで行ってきたフェイスブックなどによる情報発信とあわせて、動画配信やオンラインでの講座受講を可能にすることで、新たな学びのかたちにも対応できるようにしてまいります。

 石狩市民図書館ビジョン、子どもの読書活動推進計画に基づく施策を着実に進め、これからも市民の読書環境充実に努めるとともに幅広く多くの市民に愛される図書館を目指します。

 民法改正により本年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられますが、令和5年からの成人式については、「石狩市はたちのつどい」として、引き続き20歳を対象に開催いたします。

(ふるさとを学ぶ機会の充実)

 石狩で生まれ、育ち、学んだ子どもたちが、ふるさと石狩への愛着と誇りを持つことができるよう、総合的な学習の時間での学習活動やテーマ展、体験講座、野外講座などの開催に加え、ふるさとを学ぶ機会の充実を図ります。

 また、資料館や道の駅の情報コーナーを活用した情報発信を引き続き進めるほか、市民が市内に所在する遺跡への理解を深められるよう、市民図書館等での出張展示を行います。昨年好評だった旧石狩小学校の円形校舎の公開は、展示の充実を図りながら継続し、石狩の教育の歩みなどを伝えてまいります。

むすび 

 「教育は国家100年の大計」という言葉には、人材育成には長期的な視点が必要という意味も込められています。学びにより得た新しい知識や経験を糧に、市民が生涯にわたって成長を続け、それぞれのやり方で社会に参画する-こうした地域の姿を実現できるよう、子どもたちはもとより、年齢、性別、障がいの有無等にかかわらず、全ての市民がより質の高い学びを重ねていくことができる環境づくりが求められております。

 新型コロナウイルスにより厳しい状況はなお続きますが、市長部局とも緊密に連携しながら、本市の教育の充実と発展に向け全力で取り組み、現在そして未来におけるより良い石狩市づくりに貢献してまいりたいと存じます。

 市民並びに市議会議員の皆様の一層のご支援とご協力を心から お願い申し上げ、令和4年度の教育行政執行方針といたします。

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