市長記者会見(令和7年2月7日)
市長記者会見(「令和7年度 予算案の概要」発表)
・令和7年2月7日(金曜日)10時から
・石狩市役所3階 庁議室
市長発言(要旨)
令和7年度当初予算がまとまりましたので、概要についてご説明いたします。
はじめに予算の基本的な考え方ですが、日本経済は令和6年に33年ぶりの高水準の賃上げと、過去最大規模の設備投資が計画されるなど、明るい兆しが見られている一方で、エネルギーや食料品価格等の物価高騰は多くの市民の皆さまに不安を与えております。こうした状況を受け、令和7年度の予算におきましては、市民生活に寄り添った行政サービスの充実と地域経済発展に資する施策を展開するため、令和元年度以降、7年連続で前年度を上回る「成長型予算」を編成しました。
令和6年に制定した「石狩市こどもの権利条例」の理念のもと、子どもたちが自分らしく、健やかに成長していくための施策を総合的に盛り込んだほか、脱炭素社会の進展に向けた各種の取組や、社会インフラの強靭化をはじめ、利便性と快適性に優れた都市環境の実現のため、所要の経費を盛り込んだところであります。
また、一方で公共施設の老朽化や物価高騰対策・低所得者支援など、現下の喫緊の課題に対しましては、令和6年度補正予算との一体化を図り、市民に寄り添い、地域経済を切れ目なく下支えし、地域の発展に向き合う予算として編成したところであります。
【予算規模と財政状況】
一般会計の予算総額は397億円、前年度と比較すると9.1%の増となり、当初予算としては、過去最大の予算規模となっております。市税では、個人市民税において、前年度の定額減税の復元分を上回る伸びが見込まれるほか、石狩湾新港地域における企業立地や設備投資などによる固定資産税の増により、市税収入全体で前年度対比8.5パーセント増となる103億6,000万円に達し、初めて100億円の大台を超えました。この3年間で約10億円の税収増となり、少しずつ自主財源を稼げる体力がついてきたと思います。一方で、施設修繕費をはじめ、物価高、賃金・調達価格や金利上昇など、経常的経費の増加に対応するため、3年連続の取り崩しとなる財政調整基金や、減債基金から合わせて8億円の繰り入れを行っております。本来であれば、貯金を崩さずに予算編成することが好ましいですが、税収が伸びたとは言え、経費・扶助費などが上昇しているので貯金を崩してなんとか市民生活に支障のない予算を組んでいるところです。
また、社会インフラの重点的な整備に当たっては、地方財政措置が受けられる有利な地方債を活用するものの、一定程度、将来負担の増加が見込まれ、財政の健全化を示す指標は、今後上昇に転じる見通しであります。
引き続き、市民の暮らしと地域経済を守る視点と健全財政の両輪を達成し、持続可能な市政運営に当たってまいります。
【令和7年度予算 主要施策】
次に、令和7年度予算における主要施策について、特徴的なものを抜粋して説明します。
(1)こどもまんなかまちづくりの推進
私は今2期目ですが、1期目から子ども施策を政策の柱に置いてきております。そういう観点で言えば、こどもまんなかまちづくりの推進という中では、子育ての経済的・精神的な負担を軽減し、すべての子どもが自分らしく健やかに成長できるよう、子ども施策と子育て支援の充実を図るため、第2子以降の放課後児童クラブの利用料及び保育園等に係る副食費を無償化します。
また、保育提供体制の確保と安心して子どもを産み育てられる環境整備を図るため、「いしかり保育士応援手当」及び「保育士確保対策事業補助金」の創設や、「保育士等就職奨励金」の支給対象を拡大するほか、未就園児童を対象とする「こども誰でも通園制度」では、令和8年度からの本格実施に向け、ニーズ把握や課題検証を行うモデル事業を実施します。
子どもたちが、放課後児童クラブでタブレット端末を活用した学習に取り組むことができるよう、Wi-Fi設備を整備します。
医療的ケアを必要とする障がい児及び重度心身障害児の宿泊を受け入れる体制維持を図るための補助金を創設するほか、こどもの権利の推進を図るため、周知啓発活動や救済委員会の設置、子どもの意見聴取などに取り組みます。
学校の暑さ対策のため、令和7年度、すべての小学校における冷房設備の整備を完了し、引き続き、中学校への冷房設備の整備に向けて実施設計を取り進めます。
また、浜益学園やはまます保育園につきましては、令和8年の開校に向けて整備を進めてまいります。
(2)脱炭素による地域発展等の実現
2050年のゼロカーボンシティ実現に向け、引き続き、国民運動「デコ活」に取り組むこととしており、関連イベントへの出展や普及啓発活動をはじめ、粗大ごみの収集受付を市の公式LINEアカウント等から可能とすることにより、資源の循環を促進するほか、家庭用省エネ機器の購入補助では、対象となる機器を拡大(冷蔵庫、エコキュート)して実施いたします。
市庁舎周辺5施設からの電力消費に伴う、二酸化炭素排出実質ゼロを達成するため、太陽光発電設備の設置及びマイクログリッドの構築を進めます。
また、地域企業等の洋上風力産業への参入を実現するため、企業への情報発信や他市との研究活動などを行ってまいります。
(3)地域の魅力向上と選ばれるまちづくり
暮らしやすく利便性や快適性に優れた、「住みたいまち」「住んで良かったまち」と思える魅力的なまちを実現するため、オンデマンド交通「いつモ」による市内デマンド交通の本格運行や、通勤デマンド交通の実証運行、浜益区内における交通事業の再構築に着手します。
また、市内居住環境の向上を図るとともに、地域経済を下支えするため、住宅リフォームや融雪槽の設置費用などへの補助を継続するとともに、市内に建設中のビジネスホテルに対する「ふるさと融資」を通じて、本市の魅力発信と増加する来訪者への「おもてなし」を支援します。
公民館等の社会教育施設の暑さ対策についても、新年度において、順次、冷房設備の設置に取り組んでまいります。
浜益区に賃貸住宅を建設・運営する民間事業者に対し、費用の一部を助成し、地域産業や福祉人材など、地域の持続を支える担い手の確保を支援します。
(4)地域共生社会の実現
市民一人ひとりの暮らしに、生きがいや充実感を持つことができる社会を目指すため、令和7年4月1日から帯状疱疹ワクチンが定期接種化されることに伴い、予防接種に係る費用の一部を助成するほか、骨髄バンク事業へのドナー登録を推進するため、骨髄等を提供したドナーに対し交付金を交付します。
また、市民自らの健康に関する意識の醸成を図るため、気軽に参加できる健康測定会を市内4か所で開催するほか、高齢者や障がいがある方の社会参加の促進や住み慣れた地域で自立した生活を続けることができるよう、福祉利用券やタクシー券などの支援を行ってまいります。福祉利用券については、令和6年度までは福祉利用割引券ということで、70歳以上の人を対象に2千円を交付していましたが、新年度からは年齢を75歳に引き上げ、2千円から5千円にするものであります。
(5)DXによる市民生活の利便性向上
市役所におけるDXの中核を担う職員の育成を図るほか、納付書QRコードによる公金収納デジタル化の拡大を進め、市民の利便性向上に努めます。
また、市内小中学校におけるICT環境の整備を図るため、児童生徒に貸し出すタブレット端末の全面更新や、学校内ネットワークの高速化などに取り組みます。
(6)持続可能な地域社会の構築と産業振興
地域産業を支える人材確保や、未来を担う「人づくり」を進めるため、労働環境の実態と動向を把握し、人材確保に向けた課題解決を図るための調査と分析を実施します。
また、地域人材確保支援事業により、引き続き、浜益区の特定地域づくり事業協同組合「浜ワーク」への支援を行うほか、厚田区及び浜益区における地域おこし協力隊の募集事業などに取り組んでまいります。
(7)社会インフラの強靭化
自然災害やインフラの老朽化から市民の生命・暮らしを守り、まちを持続的・安定的に次世代へとつなげる、社会インフラ強靭化の取組として、引き続き、道路・橋りょう、公園など、社会インフラの整備・改修に注力します。このことについて、年内中に花川通と国道がつながります。
また、上水道施設の更新及び耐震化を着実に進めるため、設備及び配水管の整備を行い、水道施設の強靭化に努めてまいります。
(8)物価高騰に対する支援及び(9)公共施設等の適正管理
令和6年度に補正予算計上した、「重点支援地方交付金」を活用した「学校給食食材高騰対策事業」や「プレミアム付商品券発行事業」などの各種事業を実施するほか、令和6年度の定額減税補足給付金に関する「不足額給付」を行うとともに、カスタマーハラスメント行為の抑止などのため、電話対応が多い部署への通話録音機能等の導入や、今後の活用見通しがない、市有施設の除却事業を進めます。
資料にはありませんが、今、市役所の人材育成に力を入れており、令和6年は全国市長会に職員1名を2年間派遣し、令和7年度は、内閣府地方創生推進局及びJ-LIS地方公共団体情報システム機構にそれぞれ1名ずつ2年間派遣します。自分自身もいろいろな組織を経験しており、これからの石狩のまちづくりのためには幅広い視野を持って職員の育成が大事だという認識をしております。市役所内のやりくりは大変ですが、それ以上に人材育成に取り組んだ形で、前へと進んでいきたいと思っております
以上が、新年度予算の概要となります。
質疑応答
財政調整基金の残高が2千万円と石狩市の適正規模である17億円を下回っているが、どのように考えているか。また、基金の積戻しについてどのように考えているか。
加藤市長回答
当市の予算規模で、基金が36億円ぐらいしかないというのはきつい状況であることは間違いないです。税収は伸びていますが、様々な経常経費にお金を要します。だからといって、行政サービスを低下させるわけにいきませんので、市民サービス・生活の向上、安定のためには必要であるため貯金を取り崩しました。ただ、令和6年度の決算がこれからあって、どれくらい剰余金が出るかわかりませんが、少なくとも毎年5~6億の実質収支額があると、最低二分の一は積み上げるということで、先ほどの質問にあった17億円でなくても10億円は常に持ってないと万が一の非常時・災害時には対応できないので、努力をしていきます。そういう観点から引き続き積極的に、新港地区への企業誘致を進めるとともに、緑苑台の西地区と旧南花川団地に333戸が少しずつ建っているので、人が増え、固定資産税が増え、それらを元に何とか貯金を崩さないで財政運営ができることが一番望ましいと考えております。
普通建設事業費は令和6年より減っているようですが、他の自治体は単価が上がった結果膨らんでいます。減少の理由は。
財政部長回答
厚田区にあるごみ処理施設の基幹改良を継続でやっていましたが、最終年であるため年度比較で2.7億円減っています。また、道路事業について花川通の減少分が大きく、道路新設改良分として1.6億円ほど規模が減っております。
加藤市長回答
どうしても普通建設事業費は毎年凸凹になります。確かに前年度と同じであれば、資材費・人件費高騰で上がりますが、年によって箱モノの関係やこの道路事業の関係を含めると様々です。決して普通建設事業費を抑制しようというわけではありません。
市債が五割増えている理由は何か。
加藤市長回答
一番大きいのが、手稲街道沿いのサンフロンティアホテルさんで、16.5億円です。ふるさと創生の時にできた、ふるさと財団融資の貸付金です。地域総合整備資金貸付金という制度があり、市が借金をし、その償還を企業様が市に支払い、利子については交付税の算入があります。我がまちでは第1号が番屋の宿、第2号がさくらインターネットさん、そしてこれが第三号です。市債の内、大きく見えますが、この特殊要因の部分を除くと5.7億円です。ですから、実質的な部分では見ため上増えているが、現実的にはそうじゃないというご理解をいただければありがたいです。
ホテル建設の16億円についてかなりの額ですが、市長が今回この融資をしようと決めた思いと、ホテルが建設した後にどんなことに期待するのかお伺いしたい。
加藤市長回答
建設されるホテルは、175室あります。今石狩湾新港の企業様には、洋上風力含めて、多くの視察者等が訪れており、そこにホテルができることで飲食店ができ、人が訪れることに期待しています。また、ホテルができることで、食材や清掃等、幅広い業種が地元を使ってもらえる可能性があるほか、水道料金は一般的に札幌市よりも高いと言われていますが、今後、水をたくさん使っていただいて、貢献していただくこともできるのではと考えております。
誘致したホテルという位置付けではなく、向こうのほうから歩み寄ってきてくれたホテルとの認識で間違いないですか。
加藤市長回答
その通りです。
それならば、建築に係るお金を市が負担したのはなぜか。
財政部長回答
16.5億円を貸し付けるに当たって市債を発行しますが、元本の償還はホテルから回収します。また、返す際の利息の75%は地方財政措置で国から支援で賄い、利息の25%を税で賄うというスキームになっています。
向こうから建てると言ったが、お金については市に相談があってこういう形になったのか。
加藤市長回答
その通りです。なお、総事業費が16億円ではなく、もっと事業費は大きいので、不足する資金はホテル側が民間協調融資という形で銀行から借りた上で、一部の資金を市に相談を受けました。
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