身近な食品が河川に及ぼす影響
印刷用ページを表示する 掲載日:2014年7月31日更新
身近な食品が河川に及ぼす影響
台所などから出る生活排水のような汚れた水がそのまま河川に流れると、河川はその自浄作用を超えて汚れ、魚などの生物が棲みにくくなります。そうして汚れた水を魚などの生物が棲めるようにするために、そこに水を加えて汚濁の度合いを小さくします。
そこで、汚れた水を魚が棲める水質、つまりBOD※を5(mg/l)以下にするためにどのくらいの量の水が必要なのか醤油小皿一杯(15ml)を例にして計算してみます。
※BOD(生物化学的酸素要求量:単位 mg/l)
主に河川の汚濁の度合いを示すもので、水中に酸素が溶けている状態下で、(通常、5日間20℃の暗所で培養したとき)微生物が有機物を分解し水質を安定化させるために消費する酸素量を示しています。BODが高ければ、水中の(溶存)酸素がたくさん消費されるということであり、魚などに悪影響をあたえます。
醤油のBODは150,000(mg/l)です。これに水を加えてBODを5(mg/l)にするので、

つまり、必要な水の量はおよそ450リットルということになります。これを浴槽の水(容量約200リットル)に換算すると約2.3杯分にもなるのです。





その他の食品はどうでしょう?
- ラーメンのスープ(200ミリリットル)BOD=25,000(mg/l)
- 浴槽約5杯分
- 味噌汁お椀1杯(200ミリリットル)BOD=35,000(mg/l)
- 浴槽約7杯分
- 牛乳コップ1杯(200ミリリットル)BOD=78,000(mg/l)
- 浴槽約15.6杯分
- 使用済み天ぷら油(500ミリリットル)BOD=1,000,000(mg/l)
- 浴槽約500杯分