柵の発掘作業風景

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページID 1004786  更新日 2025年2月28日

印刷大きな文字で印刷

柵とりあげまでの工程

「柵」のような遺物はこれまで国内では出土したことはありません。したがって、誰も取上げた経験はありませんでした。
しかし、出土しても遺物を放置しておくと、劣化して焼いたスルメのように丸まってしまいます。ともかく取上げることにしました。

ウレタンで包んで、重機で取上げるという選択肢もありましたが、数が多くてとても時間的に間に合いそうにありませんでした。
そこでとりあえず力業で取上げることにしました。この方法がとれたのは、「柵」が埋まっている地層が主に砂礫であったためです。

写真:柵
柵(WPT)
写真:結び目
割木に横木を添えて木の皮で編んである。

発掘1

写真:発掘の様子1

「柵」発掘風景。遺物が乾燥しないように十分に水分を含ませてから、
ラップとタオルで保護しながら掘り進めてゆく。

発掘2

写真:発掘の様子2

柵発掘風景。ほぼ全景が見えている。たけべらで表面だけを取除き、
あとは水力で飛ばしていく。

発掘3

写真:発掘の様子3

ブドウつるや皮はもろくはがれやすいため、 水の勢いは最小限に抑えて、遺物に当てる。

清掃

写真:清掃の様子

柵の全景が確認できた段階で、周辺を清掃し、 写真撮影を行う。
その間にも常時水をまき乾燥を防ぐ。

実測

写真:実測の様子

実測中も全体にぬらしたタオルをかけ、実測部分だけをあけて描く。
大きい柵には板をわたし、その上に乗って実測する。

取り上げ1

写真:取り上げの様子1

割木と割木の間を互い違いにスプーンで掘り、溝をつくっていく。

取り上げ2

写真:取り上げの様子2

等間隔に添木をおき、紐状にした不織布で添木と割木を結んでいく。

取り上げ3

写真:取り上げの様子3

さらに、割木にも添木をして不織布で結んでいく。

取り上げ4

写真:取り上げの様子4

結び終えたら、慎重に持上げ最適な大きさの箱に梱包する。
その際、箱には遺物全体を覆える大きさのビニールとぬらした不織布をひいておく。

取り上げ終了

写真:取り上げ後の柵

大きな柵の場合には、持上げる時にかかる遺物への負担を考えて、
分割して取り上げを行った。写真のは2分割。

このページに関するお問い合わせ

教育委員会社会教育部 文化財課
〒061-3372 北海道石狩市弁天町30番地4
電話:0133-62-3711 ファクス:0133-77-5011
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。