柵の発掘作業風景
柵とりあげまでの工程
「柵」のような遺物はこれまで国内では出土したことはありません。したがって、誰も取上げた経験はありませんでした。
しかし、出土しても遺物を放置しておくと、劣化して焼いたスルメのように丸まってしまいます。ともかく取上げることにしました。
ウレタンで包んで、重機で取上げるという選択肢もありましたが、数が多くてとても時間的に間に合いそうにありませんでした。
そこでとりあえず力業で取上げることにしました。この方法がとれたのは、「柵」が埋まっている地層が主に砂礫であったためです。


発掘1
「柵」発掘風景。遺物が乾燥しないように十分に水分を含ませてから、
ラップとタオルで保護しながら掘り進めてゆく。
発掘2
柵発掘風景。ほぼ全景が見えている。たけべらで表面だけを取除き、
あとは水力で飛ばしていく。
発掘3
ブドウつるや皮はもろくはがれやすいため、 水の勢いは最小限に抑えて、遺物に当てる。
清掃
柵の全景が確認できた段階で、周辺を清掃し、 写真撮影を行う。
その間にも常時水をまき乾燥を防ぐ。
実測
実測中も全体にぬらしたタオルをかけ、実測部分だけをあけて描く。
大きい柵には板をわたし、その上に乗って実測する。
取り上げ1
割木と割木の間を互い違いにスプーンで掘り、溝をつくっていく。
取り上げ2
等間隔に添木をおき、紐状にした不織布で添木と割木を結んでいく。
取り上げ3
さらに、割木にも添木をして不織布で結んでいく。
取り上げ4
結び終えたら、慎重に持上げ最適な大きさの箱に梱包する。
その際、箱には遺物全体を覆える大きさのビニールとぬらした不織布をひいておく。
取り上げ終了
大きな柵の場合には、持上げる時にかかる遺物への負担を考えて、
分割して取り上げを行った。写真のは2分割。
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