幕府への献上品「寒塩引(かんしおびき)」

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ページID 1002995  更新日 2025年4月2日

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写真:寒塩引

寒塩引(かんしおびき)とは、

江戸時代、石狩市本町地区の石狩川河口から、幕府へも献上されていた「寒塩引」は、完成までに約半年もの時間がかかる高級品です。

10月頃に水揚げされるオスの鮭のみを使用し、腹子を取り出した身に、3、4回塩をすりつけた後、むしろを被せて風気が入らないようにし、約3カ月もの間塩漬けにして保存します。
大寒に入ってから、水に浸して塩抜きする作業を10日程毎日繰り返し、その後1本1本丁寧に軒に吊るします。
1週間から2週間、寒風にさらし、その後室内に移して約2ヶ月半かけて干して仕上げます。

石狩の寒風にさらされることで、旨みが濃縮され、程よく脂が抜けたその身は手で裂けるほどやわらかく、しっとりとした仕上がりになります。

江戸時代の物流が未発達な時代に、石狩川河口で捕獲された鮭を長期保存するために製造されたこの製法は、石狩市の村山家に代々伝わる古文書によって、明らかになりました。

旧松前の豪商で、江戸時代から明治初期にかけて石狩地方の交易を取り仕切る「場所請負人」を任じられていた村山家は、請負人制度廃止後、時の北海道開拓長官・黒田清隆の命を受け、寒塩引の製造方法を「北海道海産物製法手続」という文書に記しました。

平成25年、地元水産加工会社や一般社団法人石狩観光協会の役員たちによって「寒塩引」研究会が発足。
古文書に書かれた製法に従い、平成26年秋に100本を仕込み、翌春「寒塩引」がついに約200年のときを経て復刻しました。

寒塩引の製造工程は、石狩市公式動画チャンネル「いしかりお宝探訪」(YouTube)でチェック!


「寒塩引」完成披露の会

平成27年6月、200年の時を経て復刻した「寒塩引」の完成を祝い、披露の会が開催されました。

会場内には、寒塩引はもちろん、寒塩引をアレンジしたさまざまなメニューが振舞われ、「寒塩引」の豊かな味わいと、共に引き立たせ合うお酒とのマッチングを楽しみました。

寒写真:塩引完成披露の会・寒塩引ポスター

石狩市観光ポスター「寒鹽引(かんしおびき)」

「寒塩引」の復刻を記念し、平成21年3月以来、約6年ぶりとなる石狩市観光ポスターが製作されました。江戸幕府への献上品として奉られた「寒塩引」と、当時実際に使われいた「献上箱」をモチーフにした作品です。
ポスターの左右に配置される模様は、石狩の風土、海、河、大地、風とそこに生きる人々の自然と生き様のせめぎ合いの中で「寒塩引」が生まれてきた事を表現しています。
石狩とサケ文化の歴史や深さが現在にも脈々と引き継がれていることを伝え、そしてこれからも途絶えることのない「サケのまち」であることを世に広めていくという熱い想いが込められています。
※今回タイトルとなった「寒鹽引」の鹽という字は、塩の旧字でタイトルにのみ使用します。

歴代の観光ポスターは、全国広報コンクール(ポスター部門)や、日本観光ポスターコンクール等で受賞しております。
ぜひ、歴代の観光ポスターと合わせてご覧ください。

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このページに関するお問い合わせ

産業振興部 観光課
〒061-3292 北海道石狩市花川北6条1丁目30番地2
電話:0133-72-3167 ファクス:0133-72-3540
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。