いしかり砂丘の風資料館の
展示物を“勝手に”紹介
第6回 石斧(せきふ)の柄と石斧固定具

全長(mm) | 幅(mm) | 樹種
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554 | 23 | クルミ属オニグルミ
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全長(mm) | 幅(mm) | 樹種
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150 | 45 | マツ科モミ属
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【勝手なつぶやき】
石斧は木を切ったり、加工する道具、つまり斧とノミなどにも使える石器です。
石斧の石は大半が緑色をした石です。この石は旭川市神威古潭あるいは平取町付近がおもな産地です。
この石で作られた石斧は、道内ばかりでなく青森市の三内丸山遺跡からも出ています。
ところで石斧は木製の柄に付けて使います。紅葉山49号遺跡では3本の石斧の柄と石斧を固定するための石斧固定具が出土しています。柄はちょうど良い角度に生えた枝と幹の一部で作ります。石斧は柄に装着する刃の角度が二種類あり、付け方を変えて木を切断したり削ったりしました。
石斧固定具は柄と石斧をはさんでしっかり固定する役目をするもので、道内では初めて出土しました。本州の例では固定具が複数枚で斧全体に覆い隠すようにした例のもあります。
(資料館では分かり易く図解で説明しています)
現代人が見ればただの枝。でも縄文人が見れば石斧の柄用の枝。
当時はみんな道具作りの達人で目利きだったのでしょう。
(学芸員T 2011年5月)
次回は尖り棒を紹介します。
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