いしかり博物誌/第52回
第52回石狩から見える一番高い山
石狩から見える山の中で、いちばん高い山はなんでしょう?
石狩市内の見晴らしのいい場所からは、いろいろな山が見えます。南西には手稲山や百松沢山(ひゃくまつざわやま)など札幌の山々、北には暑寒別岳(しょかんべつだけ)をはじめとする増毛山地(ましけさんち)、東には芦別岳や夕張岳。「いしかり博物誌」第16回では、市役所からの眺めを例にして札幌から小樽方向に見える山々を紹介しましたが、同じ方向でも視点を変えると、また違った山が見えてきます。
石狩でもっとも見晴らしのいい場所といえば、阿蘇岩山(あそいわやま)でしょう。この山頂近くが、市内でもっとも標高が高い地点になるからです。ここから南西の方角に目を凝らすと、「蝦夷富士」羊蹄山(ようていざん)の頂上部分が見える…はずです。「はず」というのは、空気が澄んだ好条件時に、登山道などない阿蘇岩山に筆者が辿り着いたことはないため、まだ現地確認ができていないのです。見えたとしたら、図1のような眺めになるはずです。


羊蹄山は標高1898メートル、富士山によく似た、円すい形の美しい山です(写真2)。富士山と同じく羊蹄山も立派な火山で、平成15(2003)年に火山噴火予知連絡会が活火山の定義を見直したところ、新たに活火山のリストに追加されました。火山活動は今から5から6万年前に始まり、最後の噴火は1万年前以降にあったと考えられています。現在は噴気活動は見られませんが、やはり日本は火山の国であることを思い知らされます。


さて、ここで問題です。実は別の方角には、さらに高い山が見えるのです。快晴の冬の朝などの空気が澄み切っている時なら、阿蘇岩山まで登らなくても、場所を選べば花川からでも見えます。その答えは…、地図とコンパスを持って、自分で探してみましょう!

(志賀健司 広報いしかり2004年2月号掲載)
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