いしかり博物誌/第7回
第7回 マイコレクション
平成12年あけましておめでとうございます。今年もいしかり博物誌をよろしくお願いします。
新年1回目は漂着物の話題です。石狩浜では、いろいろな漂着物をみることができます。
この海岸は打寄せられるゴミも多いのですが、けっこう漂着物ウォッチングが楽しめます。写真はここ数年で石狩市付近の浜辺で採取した私のコレクションです。
コレクションとしては、たいしたことはありませんが、オカメブンブク、カシパンウニなどの殻、ミルガイ、ホッキガイ、マテガイなどの貝殻、ガラスの浮き玉・シーグラスなど、石炭、きれいな小石などがあります。
自慢の一品は、中央の白っぽい貝殻です。これは去年、三線浜(新港東ふ頭付近)でひろった「アオイガイの殻」です。
アオイガイはカイダコという殻を持つタコの一種で、この殻はメスが中に産卵し子育てするための容器です。
このタコは沖縄付近の温かい海から対馬暖流(つしまだんりゅう)にのって日本海を北上してきます。8月から9月ごろには小樽市や石狩沖に達するようです。
貝殻は9月末にひろったものですが、タコはいませんでした。アオイガイの名前の由来は殻を二つ合わせると葵(あおい)の形・ハート型になるからです。
またその上の茶色でスポンジ状でブツブツしたものはふ化後のブリコです。ブリコといってもピンとこない人が多いと思いますが、実はハタハタが産卵した卵なのです。
最近は資源の減少から、厚田沖のハタハタ漁も下火ですが、かつては海岸に打寄せられたブリコをひろってゆでて、ガリガリ音を立てながら大人も子どもも食べたものです。
今は資源を守るため、ひろうのは禁止されています。
こうして海岸に行くと季節ごとに、変わった漂着物に出会えます。
冬でも大時化(おおしけ)の後なら、貝殻やシャコ、ヒトデをはじめ名前の知らない海の生物も観察できます。
こうして、少しずつ漂着物を集めていけば、いつか立派な石狩漂着物事典ができるでしょう。(石橋孝夫)
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