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いしかり博物誌/第17回

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年7月31日更新


第17回 石狩でいちばん高い山

石狩市でいちばん高い山、紅葉山(もみじやま)の写真

 世界一高い山はエベレスト、日本一は富士山、北海道一は大雪山の旭岳。ここまではみなさんもご存じでしょう。それでは石狩市でいちばん高い山を、知っていますか? 先月号では石狩から見える山の話をしましたが、目立つ山はぜんぶ市外にありました。それでは市内には山はないのでしょうか。

 ありました。国土地理院が発行している2万5千分の1の地形図をくまなく眺めてみると、市内に唯一、「紅葉山(もみじやま)」という地名があります。標高わずか17.8メートルですが、三角点(測量のための標石の置かれた地点)もある立派な山です。手稲前田から花川、生振(おやふる)にかけて延びている細長い砂の丘、紅葉山砂丘の上にあります 地図に名前が書かれているのは紅葉山だけですが、実は他にも山はあります。市内にはたくさんの三角点があるのですが、これらには、ひとつひとつ名前がついているのです。その中にも「山」があることがわかりました。石狩高校そばの「砂山」(標高11.2メートル)、五ノ沢地区の「高岡山」(標高137.1メートル)です。地図には三角点の記号と標高しか記されていませんが、名前のある山でいちばん高いのは、この高岡山ということになります。
五ノ沢地区の高岡山の写真
 しかし地形図の等高線を読み取っていくと、もっと高い場所があることがわかります。当別町と厚田村の境界に「阿蘇岩山(あそいわやま)」(標高418.1メートル)という山がありますが、この頂上のすぐ西側にちょっとだけまわりより高くなった地点があり、そこが石狩市の北東端になっています。阿蘇岩山の一部なので独立した山ではなく名前もありませんが、標高およそ360メートル、これこそ本当に石狩でいちばん高い山と言っていいでしょう。地質図によると阿蘇岩山頂周辺は、数百万年前の玄武岩という火山岩でできていることがわかりました。石狩でいちばん高い山は、市内で唯一の火山でもあったようです。   (志賀健司)
阿蘇岩山(あそいわやま)と石狩市の北東端の写真     石狩市の山(阿蘇岩山、高岡山、砂山、紅葉山)を表した地図画像