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いしかり博物誌/第66回

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年7月31日更新


第66回 村山家住居復元

村山家は、江戸時代に石狩場所を請負った商人で、蝦夷地を代表する豪商でした。明治初めころに松前から石狩に移り、漁場経営などを行っていましたが、明治41年、小樽に転居しました。

この住居については、ほとんど資料が残っておらず、数点の写真と隣家の船大工、故船木兼蔵(ふなきけんぞう)氏から聞き取った間取り図があるだけでした。石狩市郷土研究会の榎本新一(えのもとしんいち)副会長は、このわずかな手掛かりから、平面図、側面図を再構成し、さらに精密な復元模型を作成しました。

村山家の住居は、現在の親船町24番地にありました。転居後は借家となり、戦時中は軍が使用していましたが、昭和20年7月15日の石狩空襲により焼失しました。

復元された建物は、質素な中にも囲炉裏のある大きな居間や、開け放すと70畳を越す座敷、幅6尺(約1.8メートル)の大きな仏壇、広い庭など、石狩の有力な漁場主の生活をほうふつとさせるものです。

本町地区に歴史的な建物は数えるほどしか残っていませんが、このような復元が進めば、明治時代の町並みが再現できるかもしれません。


(工藤義衛 広報いしかり2005年6月号掲載)

村山家住居復元模型の写真1
村山家住居復元模型


村山家住居復元模型の写真2
村山家住居復元模型