石狩のワカサギ

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ページID 1004696  更新日 2025年2月28日

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石狩ファイル0123-01(2011年10月10日)

写真:ワカサギ
ワカサギ H. nipponensis

生息状況

石狩にはワカサギとイシカリワカサギの2種(いずれもキュウリウオ科ワカサギ属)が生息していますが、外見で区別するのは難しく、詳しい分布状況は分かっていません。

ワカサギ(Hypomesus nipponensis:気道管がうきぶくろの前端に連結しています)

国内では利根川と島根県以北の本州と北海道に、国外では北アメリカ・カリフォルニアに分布しています。
降海型のものは生育地域によって脊椎(せきつい)骨数や生態に違いがあります。日本海側では、脊椎骨数が56から57個で春の産卵期に海で越冬した満1歳の親魚が川へ遡上します。これに対してオホーツク海側では、脊椎骨数が55から56個とやや少なく、秋に遡上した0歳の親魚が湖内で越冬し、翌春産卵します。陸封型や淡水残留型のものも、この脊椎数となっています。

イシカリワカサギ(Hypomesus olidus:気道管がうきぶくろの前端からやや後ろ下方に連結しています)

国内では北海道のみに、国外では、朝鮮半島、沿海州、サハリンからアラスカ、カナダ西部まで分布しています。北海道では川の下流域に連なる湖沼・河跡湖・支流に生息し、降海例は知られていません。サハリンでは降海しアムール川流域では双方が見られます。

漁業資源として

1.ワカサギ漁

いつごろから行われていたのかは不明ですが、大正7(1918)年水産物収獲統計表に20貫(約75キログラム)の漁獲高が記されています。また、昭和13(1938)年12月3日付の「北海タイムス」に、ワカサギなどを原料とする町内のつくだ煮業者が共同加工場の設置を計画し、漁業者を加えて石狩水産物共同製造加工組合を結成した記事が掲載されています。
近年の漁獲高は以下の通りです。

年度 漁獲量(トン)
平成10年 218
平成11年 215
平成12年 92
平成13年 124
平成14年 193
平成15年 148
平成16年 115
平成17年 40
平成18年 32
平成19年 55
平成20年 67
平成21年 124

漁業者の話によると、一般的に、融雪量が多い年は漁獲高が下がる傾向にあるようです。

2.増殖事業

昭和43(1968)年に生振535番地(マクンベツ川)にわかさぎ施設が建設されて、増殖事業が本格的に行われるようになりました。近年の増殖事業は以下の通りです。

年度 種卵購入数(万粒)
平成10年 53300
平成11年 33400
平成12年 30000
平成13年 34000
平成14年 18300
平成15年 30000
平成16年 30000
平成17年 22000
平成18年 15500
平成19年 27000
平成20年 20000
平成21年 17000

※購入先:網走/西網走漁業協同組合

レジャーとして

茨戸(ばらと)川は1月から3月上旬頃まで、氷に穴を開けて釣り糸を垂れる“ワカサギ釣り”を楽しむ人々で賑わいます。

(石井滋朗)

参考文献

  • 札幌市豊平川さけ科学館(2002)札幌市豊平川さけ科学館館報(14).財団法人札幌市公園緑化協会.
  • 川那部浩哉・水野信彦・細野和海 編(1989)日本の淡水魚.山と渓谷社.
  • 石狩漁業協同組合(2002)石狩漁業協同組合史.
  • 石狩町(1985)石狩町誌/中巻一.

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このページに関するお問い合わせ

教育委員会社会教育部 文化財課
〒061-3372 北海道石狩市弁天町30番地4
電話:0133-62-3711 ファクス:0133-77-5011
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