石狩平野
石狩ファイル0146-01(2015年3月31日)

北海道最大(約4000平方キロメートル)の平野で、東は夕張山地、西は日本海、南は後志(しりべし)火山性台地や樽前火山麓、北は増毛(ましけ)山地などに囲まれています。
成り立ち
平野の北部は、夕張山地と増毛山地の間に、石狩川などの河川に運ばれた土砂が堆積して形成されました。一方、西部や南部は、約6000年前には現在の岩見沢近くまで浅い海が入り込んでいましたが、海水面の低下や河川が運ぶ土砂によって陸化し、現在のような平野が出来上がりました。
特徴
石狩平野は極めて平坦で、石狩川の河口から100キロメートル奥でも標高は30メートルにも満たないくらいです。そのため川は蛇行が多くなり、長い間氾濫(はんらん)を繰り返してきました。その結果、河川後背地には湿地が広がり、そこに生育する湿性植物の遺骸が充分に分解されないまま堆積して広大な泥炭地(約500平方キロメートル、篠津原野など)を形成しています。
開拓
明治以降、各地で屯田兵などによる開拓が進められました。明治中期以降に始まった米作は、大正期からは大規模な土地改良と石狩川水系からの用水利用により進められ、第二次世界大戦後は本来農地としては不向きな泥炭原野でも開拓が進んで、現在では上川盆地と並ぶ代表的な米作地帯となっています。
現在
平野の石狩川左岸地帯は、早くから道路、鉄道が整備され、札幌をはじめ江別、千歳、岩見沢、滝川、深川など多くの都市が発達して、人口も200万人を超え北海道の3分の1以上を占めています。一方、右岸側は対照的に新篠津村、月形町、浦臼町など農村地帯となっています。
(石井滋朗)
参考文献
- 貝塚爽平・成瀬洋・大田陽子・小池一之(1995)日本の平野と海岸.岩波書店.
- 下中直人(2007)世界大百科事典.平凡社.
- 渡辺喜久雄(1981)北海道大百科事典上巻.北海道新聞社.
添付ファイル
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