石狩砂丘

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ページID 1004714  更新日 2025年2月28日

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石狩ファイル0141-01(2015年3月31日)

地図:石狩砂丘の位置
石狩砂丘の位置

石狩砂丘は、石狩浜に沿って海岸線と平行に延びている細長い海岸砂丘です。砂浜のすぐ背後に見られる高まりが砂丘本体で、石狩市厚田区知津狩(しらつかり)から小樽市銭函(ぜにばこ)まで続いています。全長およそ25キロメートル、幅200~300メートル、標高は高いところでおよそ10メートル程度です。石狩砂丘は海側の第1砂丘と陸側の第2砂丘とに分けられ、さらに第1砂丘は3列の、第2砂丘は3から4列の砂丘に分けられます。

現在、砂丘の表面は海浜植物に覆われた海岸草原で、植物の種類は海岸線から内陸に向かうにつれて変化していきます。海岸線にもっとも近い第1砂丘の海側はハマニンニクやハマヒルガオなどが主体で、少し内陸の第1砂丘陸側から第2砂丘海側ではハマナスやハマエンドウなどが中心となります。第2砂丘の陸側には、大規模なカシワ林が広がっています。


写真:石狩砂丘
石狩砂丘

砂丘では、多様な植生に支えられて様々な動物も暮らしています。ヒバリやトビを始めとする鳥類や、哺乳類ではネズミやトガリネズミの仲間、キタキツネが見られます。エゾシカの痕跡が見つかることもあります。昆虫類も数多く生息していて、中でもエゾアカヤマアリは、スーパーコロニーと呼ばれる無数の巣の集まり(約4万5000の巣、3億匹のアリ(Higashi and Yamauchi, 1979)で、当時は世界最大規模)を作っています。また、砂中に巣穴を掘って生活するイソコモリグモ(絶滅危惧II類)も見られます。

石狩砂丘の砂は、ほとんどが風によって集められて陸上で堆積したものです。砂層の下に埋もれている火山灰の年代から、砂丘は今からおよそ300年前に形成され始めたと考えられています。このような海岸砂丘は、海からの強い北西季節風が吹きつける全国の日本海側各地の海岸で見られます。

現在、多くの車両(SUVやサンドバギーなど)が砂丘に乗り入れるため、植生の破壊と砂丘本体の浸食が急激に進んでいます。また、家電製品や工業廃棄物などの大型ゴミの不法投棄も急増しています。

(志賀健司)

参考文献

  • 小疇尚・野上道男・小野有五・平川一臣編(2003)日本の地形2/北海道.東京大学出版会.
  • Higashi, S., Yamauchi, K.(1979)Influence of a supercolonial ant Formica (Formica) yessensis Forel on the distribution of other ants in Ishikari Coast. Japanese Journal of Ecology, 29, 257-264.
  • 石狩浜海浜植物保護センター編(2003)石狩浜自然観察ハンドブック.石狩市.
  • 札幌市教育委員会編(1996)さっぽろ文庫77/地形と地質.北海道新聞社.
  • 上杉陽・遠藤邦彦(1973)石狩海岸平野の地形と土壌について.第四紀研究,12,115-124.

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