石狩の貝

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ページID 1004669  更新日 2025年2月28日

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石狩ファイル0096-01(2009年2月11日)

石狩湾には、石狩市知津狩(しらつかり)から小樽市銭函(ぜにばこ)にかけて、長い砂浜海岸が続いています。この海域は日本海を北上する対馬(つしま)暖流の影響があります。そのため、北海道といえども寒流系の貝だけでなく、寒流域・暖流域の両方に生息する貝も多く見られることが特徴で、全部で63種の貝が確認されています(表)。

これらの中で、ムラサキイガイはヨーロッパ原産の外来種で、1920年代に日本に定着したものです。また、トリガイは暖流系種で、これまで分布の北限は房総半島(千葉県)あるいは陸奥湾(青森県)とされていましたが、2005年には函館で、2006年には石狩で多数見つかりました。さらに2007年秋には、暖流系浮遊性巻貝のルリガイが石狩で初めて発見されています。

(志賀健司)

※貝類:軟体動物の仲間のうち、体の内外に硬い殻をもつ生物のことです。一部のタコ・イカなども含まれます。

分類 貝(種名)
多板(たばん)綱(ヒザラガイ等) ヒザラガイ
腹足(ふくそく)綱(巻貝)

エゾアワビ、エゾバイ、エゾボラ(マツブ)、

カモガイ、キサゴ、コガモガイ、

コシダカガンガラ、サルアワビ、シライトマキバイ、

タマガイ、チヂミボラ、ツメタガイ、

ネジボラ、ヒメエゾボラ(ツブ)、ヒレガイ、

ユキノカサガイ、ヨウラク、ルリガイ

二枚貝綱(二枚貝)

アカガイ、アサリ、アズマニシキ、

アラスジサラガイ、イガイ(ヒル貝)、イソシジミ、

ウソシジミ、ウチムラサキ、ウバガイ(ホッキ)、

エゾイシカゲガイ、エゾキンチャクガイ、エゾヌノメアサリ、

エゾヒバリガイ、オオノガイ、オオミゾガイ、

カガミガイ、カモメガイ、キヌマトイガイ、

キララガイ、ゴイサギガイ、コケライシカゲガイ、

コタマガイ、コベルトフネガイ、サクラガイ、

サラガイ(白貝)、シジミ、ソトオリガイ、

タマキガイ、チヂミマユイガイ、トリガイ、

ナミガイ、ナミマガシワ、ニオガイ、

ヌノメアサリ、バカガイ(アオヤギ)、ビノスガイ、

ベニサラガイ、ホタテガイ、マガキ、

マテガイ、ムラサキイガイ(ムール貝)

頭足(とうそく)綱(タコ・イカ) アオイガイ(カイダコ)、コウイカ、ヒメコウイカ

[伊藤静孝(未公表データ)、鈴木(2003、2005)等より]
※綱(こう):分類の単位。「ほ乳綱」「鳥綱」など。

 

参考文献

  • 鈴木明彦(2003)北海道石狩湾沿岸における打ち上げ貝類.漂着物学会誌,1,7-12.
  • 鈴木明彦(2005)北海道望来海岸の打ち上げ貝類とその生態的意義.環境教育研究,8,27-34.
  • 鈴木明彦・志賀健司(2007)北海道におけるトリガイの緯度分布と地質記録.ちりぼたん,38,116-121.
  • 鈴木明彦・志賀健司(2008)2007年秋における北海道石狩浜へのルリガイの漂着.ちりぼたん,39,22-24.
  • 山崎友資・岸本喜樹・川南拓丸・澤野真規・五嶋聖治(2007)函館湾沿岸に打ち上げられたトリガイ.ちりぼたん,37,208-214.

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