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石狩ファイル0018-01(2004年7月1日)

石狩の風の名前

いしかりのかぜのなまえ


石狩市は石狩湾に面し、北の大河、石狩川が流れていることから、古くから漁業がさかんでした。自然を相手にする生業では、天候を予測するのは生活上の必須条件でした。とくに海などに出て危険の多い漁業では、天候変化を読めないことは生死にかかわる問題です。このために風向きを読んで日和(ひより)を見ることが習慣となりました。こうした理由から風を識別するため、名前がつけられました。現在では天気予報の発達により、風を読むことは重要ではなくなりましたが、基本的な名前は表のとおりです。
石狩の風は大別するとオキ風系とヤマセ系になります。オキ風系とは簡単にいいますと海から吹く風でヤマセ系はその反対の陸から海に吹く風です。

風と天気については、一言では難しいのですが、例えば石狩市では、ヤマセは時化(しけ)や雨をもたらす風です。冬から春にかけての雨をともなう強風はほとんどがヤマセです。また冬の石狩名物の吹雪はタマカゼ、北西風の場合が多い。ことにアイタバカゼは、大きなうねりをともない、海難事故を起こす風で、漁業者には大敵の風です。
ダシカゼは、(帆船が)沖にでるのに都合がよいという意味で、動力船普及以前に生まれたものと考えられます。

(石橋孝夫)

石狩の風の名前
方角風の名前
ヤマセ系シモヤマセアイノカゼ、シモカゼ、シモゲ
北東牛寅良門(者?)
アラシ、ヤマセ、ダシカゼ
南東辰巳ヤマセダシカゼ、クダリ、ホンヤマセ
クダリヤマセ、クダリ、カミカゼ
南西未申オキカゼ系ヒカタヒカタヤマセ、ホンヤマセ
西ニシ、ヒカタ、オキカゼ
北西戌亥タマカゼヒカタタマカゼ、タンバ、寿都門(者?)、ニシタンバ、アイタマカゼ

参考文献


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