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石狩ファイル0025-01(2004年7月20日)

石狩湾

いしかりわん


石狩支庁浜益村の雄冬(おふゆ)岬と、後志支庁積丹(しゃこたん)町の積丹岬までの間の円弧状に内陸に入り込んだ海を、石狩湾といいます。湾内は浅く、大部分は水深100m未満ですが、北西縁では500m前後と、急に深くなります。

海岸線は、山地が海に迫っている部分と、砂浜海岸とに分かれています。積丹岬から小樽市高島岬の間は、奇岩、断崖が連なり、ニセコ積丹小樽海岸国定公園に指定されています。小樽市銭函(ぜにばこ)から厚田村望来(もうらい)までは、弓形の砂浜海岸です。厚田村から浜益(はまます)村にかけては増毛(ましけ)山地が海に迫り、海食崖(かいしょくがい、波や潮流が削り取ることでできた崖)が発達しています。積丹岬から高島岬にかけては、美国(びくに)、古平(ふるびら)、忍路(おしょろ)、塩谷(しおや)の漁港が、厚田川や浜益川河口部の小さな平地には、別狩(べつかり)、柏木(かしわぎ)などの漁村が点在しています。

石狩湾は、サケ、ニシンなどの回遊魚のほか、カレイ、アワビ、ナマコ、ウニも豊富で、良好な漁場として知られていました。これらの漁港では、江戸時代の後半からニシン漁が盛んに行なわれました。また、石狩はサケ漁の中心地としてよく知られています。

その反面、湾内は季節風が強く、特に冬は北西の風が陸に向かって吹き抜けるため、道内有数の荒れ海となります。また、石狩湾上空で発生する石狩湾小低気圧は、石狩を中心に大雪を降らせることで知られています。

山が迫って平地が狭い地域の多い石狩湾の沿岸部のなかで、石狩市には広大な石狩平野を背にした長い砂浜が広がっていることから、大規模な港湾の候補地として早くから着目されていて、石狩湾新港の開設へとつながりました。

(五十嵐千穂)


参考文献


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