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石狩ファイル0052-01(2006年3月31日)

厚田・浜益の自然

あつたはまますのしぜん


石狩市の厚田・浜益地域は、低湿地である市南部とは対照的に、標高200〜1000m以上の丘陵地や山地が大部分を占めています。西側は切り立った崖と海岸段丘で日本海に面しています。雄冬(おふゆ)岬、愛冠(あいかっぷ)岬の海岸線は、暑寒別天売焼尻(しょかんべつてうりやぎしり)国定公園の一部に指定されています。

■地形・地質
厚田・浜益地域を構成する山地は増毛(ましけ)山地と呼ばれ、浜益川を境界として、南側の樺戸(かばと)山地、北側の暑寒別山地とに二分されます。
樺戸山地は標高200〜700mの比較的なだらかな丘陵地で、南部(厚田川より南)の沿岸には海岸段丘が発達しています。この地域の地質は、南部は新生代中新世(2400万年前〜530万年前)の堆積岩から、北部は同時期の火山岩からできています。
暑寒別山地は標高1000mを越す暑寒別岳連峰を中心とした山地です。こちらは新生代鮮新世(530万年前〜170万年前)の噴火による火山岩でできています。樺戸山地に比べて地質が新しいため、より急峻な山地になっています。

■気候
対馬暖流の流れる日本海に面しているため、道内の同緯度、同標高と比較すると温暖です。沿岸部での平均気温は夏には約21℃、冬は−4℃前後(冬は市南部より約1℃暖かい)ですが、冬の季節風は強く、冬期の平均風速は約5m/秒に達します。
冬期に降雪の多い日本海側気候区に属していて、最深積雪量は海沿いでは市南部とほぼ同じく1m前後ですが、山地部では2m前後まで達します。

■植生
広く森林に覆われており、大半がミズナラ、イタヤカエデ、シナノキなどからなる落葉広葉樹林帯に属しています。山地の中でも標高の高い地域にはトドマツなどを含む針広混交林帯が、さらに暑寒別岳周辺には、高山帯(高山植物、ハイマツ林)も分布しています。

■動物
海岸にはウミウやオオセグロカモメのコロニーが見られ、冬期はトドやゴマフアザラシが回遊してきます。また、国蝶オオムラサキの北限としても知られています。

(志賀健司)


参考文献


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