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石狩ファイル0076-01(2006年9月30日)

石狩市の森林

いしかりしのしんりん


旧石狩市は平野部が多く、森林も総面積の14%でしたが、浜益(はまます)村、厚田村との合併により、新石狩市は、総面積72,165haの74%、53,342haの森林を持つことになりました。また、砂浜海岸の旧石狩市とは異なり、厚田区、浜益区の海岸は多くが断崖になっており、森林が海際まで迫っているのが特徴です。

1.旧石狩市
大半が五の沢・八の沢地区の山間部に集中しており、平野部には緩衝緑地や防風林が点在しています。石狩浜の内陸よりには、国内有数のカシワ樹林が広がっています。五の沢・八の沢地区の森林には、シラカバ、ミズナラ、イタヤカエデ、シナノキ、カツラなどの天然の広葉樹が分布しており、トドマツなど針葉樹の人工林も混在しています。

2.厚田区・浜益区
石狩支庁の最北に位置し、域内総面積の86%が森林(51,670ha)となっています。北は暑寒別連峰の一部の浜益岳、群別(くんべつ)岳が連なり、西は日本海に面しており、暑寒別天売焼尻(しょかんべつてうりやぎしり)国定公園の一端を形成しています。浜益川を境に、北の暑寒別山地と南の樺戸(かばと)山地に二分されます(石狩ファイルNo.0052参照)。暑寒別山地側の標高の高い所にはハイマツなどの針葉樹やコケモモなど高山植物が分布しており、そのほかは、ミズナラ、ハルニレ、カツラ、シナノキ、イタヤカエデなどの落葉広葉樹にトドマツが混じる森林になっています。また、ニシン漁の盛んな頃には、カラマツの植栽も進められました。

厚田区では、現在の国道231号線が開通(昭和46年)するまで主要道路として利用され、いまでは忘れられていた「濃昼山道(ごきびるさんどう)」が、平成17(2005)年10月、濃昼山道保存会の有志により復元(濃昼〜滝の沢トンネル南口間)されました。浜益区には、「新日本名木100選」に指定されている樹齢820年(推定)の千本ナラや、樹齢1500年(推定)、幹回り約9mのイチイの大木(全国で第6位)があります。浜益はまた、日本の国蝶であるオオムラサキの生息北限地でもあります。

(石井滋朗)

石狩市の区別森林面積(平成13年版北海道林業統計より、単位:ha)
森林面積林野率国有林市有林私有林
旧石狩市1,67214%586371715
厚田区23,24879%17,7547774,717
浜益区28,42291%23,2297554,438
合計53,34274%41,5691,9035,870


参考文献


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