石狩ファイル0036-01(2005年2月5日)
石狩川は、北海道の尾根、大雪山系・石狩岳(標高1,967m)に源を発し、大小1,570の支流を合わせて日本海に注ぐ、我が国屈指の大河川です。その長さは268kmで全国第3位、また、流域面積は、14,330km2で、全国第2位、北海道全体の6分の1の面積に相当します。
流域には、大雪山国立公園を含む豊かで貴重な自然があり、ヒグマ、キタキツネ、エゾリス、カワセミなどの動植物が生息し、また、サケやサクラマスの遡上も見られます。
石狩川は、その名の由来である「イ・シカラ・ペツ」(アイヌ語で“非常に曲がりくねった川”の意)のように縦横に蛇行し、流域の中下流部に広がる石狩平野は、氾濫する広大な泥炭性の低く平たんな湿地でした。
未開の原野であった北海道に開拓の鍬が振り降ろされたのは明治2(1869)年の開拓使設置にはじまります。しかし、石狩川で本格的な治水事業がはじまったのは、明治43(1910)年からの第1期北海道拓殖計画においてであり、その後、蛇行する川の直線化など、洪水を防ぐための困難な事業が進められました。石狩の低く平たんな土地において現在のような土地利用が可能となったのは、昭和40年代に至ってからのことでした。
石狩川流域は、開拓の始まりから120年余の年月を経て、全道人ロの半分以上にあたる約300万人が生活する、自然豊かで肥沃な大地へと飛躍的な発展をとげてきました。現在、流域には札幌市、旭川市をはじめ48市町村(18市・28町・2村)が連なり、北海道の政治、経済、産業、文化の中枢を担っています。
(山田篤秀)
参考文献